Blackmagic Designの発表によると、株式会社ディー・エヌ・エーのグループ会社となるSHOWROOM株式会社のVRの配信システムにDeckLink 4K Extreme 12G、DeckLink Mini Recorder 4K、Intensity Pro 4Kが使用されているという。

ディー・エヌ・エーは、様々な事業を手掛けているベンチャー企業。Eコマース、ゲーム、スポーツ、オートモーティブ、ヘルスケア、教育、人口知能などのジャンルに挑戦している。また、横浜DeNAベイスターズを所有していることでも有名である。

同社は2013年よりライブ配信プラットフォーム事業SHOWROOMを開始し、2015年に子会社化した。SHOWROOMでは、アイドルやタレントがライブ配信して視聴者とコミュニケーションを楽しむ。一般的なライブ配信プラットフォームと違い、SHOWROOMでは視聴者が配信者にギフト(バーチャルアイテム)を送り、ギフトに応じた報酬がオーガナイザーを通して収益分配をしている。そして2016年から、同社はSHOWROOM VRのライブ配信サービスを開始した。同社内に作られたスタジオから180°の3D配信が行えるようになった。

同社の技術開発室 エンジニア 小倉豪放氏によって設計されたSHOWROOM VRは、DeckLink 4K Extreme 12G、DeckLink Mini Recorder 4K、Intensity Pro 4KおよびNVIDIAのGPUを使用したシステム構築となっており、DeckLinkのSDKを中心に構築されたシステムは、2台の180°カメラからの映像を同期させながらキャプチャして投影変換を行い、ストリーミング可能。

2つの180°カメラは、DeckLink 4K Extreme 12G、DeckLink Mini Recorder 4K、Intensity Pro 4K、およびNVIDIA GPUを搭載し構築されたPCに2つの2160p29.97の信号が出力されている。左のカメラの信号は、DeckLink 4K Extreme 12GまたはIntensity Pro 4Kでキャプチャされ、右のカメラの信号は、DeckLink Mini Recorder 4Kでキャプチャされている。2つの信号は、GPUで投影変換と結合が行われ、DeckLink 4K Extreme 12GまたはDeckLink Mini Recorder 4Kから送信される。そして、結合された信号はDeckLink Mini Recorder 4Kを使用して再度キャプチャされ、ライブストリーミングソフトウェアへ送信されるワークフローとなっている。

小倉氏:今回、ライブ配信用のPCを制作する中で、メモリ転送効率の高いNVIDIA GPU Directをサポートしているキャプチャカードを探していました。私たちの目的に最も適したDeckLink 4K Extreme 12Gとその他のBlackmagic PCIeインターフェイスを見つけることができました。DeckLink SDKがWeb上に公開され、NVIDIA GPUを使用するSDKのサンプルプログラムも有用であることがわかりました。また、BlackmagicカードはPCとの互換性が高いため、システムに簡単に統合することができました。

視聴者は、VRゴーグルをかけて視聴することを想定しています。綺麗な映像を保つために4Kで配信をしたかった中で、Blackmagic Designの製品は4Kに対応しているという点も選定の大きな決め手でした。視聴者が綺麗な映像で楽しむことができる環境を整えることで、よりアイドルやタレントと同じ空間にいるような体感を味わうことができるのです。この、VRシステムを今後もトラベルやスポーツ、教育などの配信にも活用していきたいと考えております。