東京港トンネル実証験の模様

首都高技術株式会社、朝日航洋株式会社、アストロデザイン株式会社の3社は、老朽化が進むインフラに対し、メンテナンスの質向上と効率化を目的として、2018年12月1日から実用放送が開始された「8K」の映像技術を道路インフラ点検に活用する取り組みを開始したことを発表した。8K映像技術のインフラメンテナンスへの適用は、世界初の取り組みだという。

MMSに搭載した8Kカメラ

11月25日、首都高速湾岸線の東京港トンネルにおいて、朝日航洋が保有するモービルマッピングシステム(以下:MMS)に、アストロデザインが開発した8Kカメラ及び映像収録システムを搭載して、トンネル覆工コンクリートのひび割れを検出する実験を行った。走行するMMSから0.15mm幅のひび割れを検出可能であることを確認した。

検出された0.15mm幅のひび割れ※画像補正は一切行っていないとのこと

(以下、プレスリリースより引用)

■今後の展開

8K映像技術は、インフラメンテナンスの様々な場面で有効活用できる可能性があります。私たちは、社会的要請の高い喫緊の課題をターゲットに技術開発とその社会実装を進めていきます。

トンネル点検技術の確立<短期フェーズ>
課題:道路や鉄道のトンネル点検は人手に依存しており、コストと効率性に問題がある
目指す姿:8K映像とAI検出技術により正確性が高い定量的点検技術を確立する

→人手による近接目視対象数を減少させる方策を実現し、点検コストの低減を図る
→点検の機械化により道路規制時間の削減を図り、渋滞等の社会的損失を最小化

遠隔診断技術の確立<中期フェーズ>
課題:メンテナンスの専門家がいない地方や海外では点検はできても診断はできない
目指す姿:5G通信を駆使して8K映像をリアルタイムに共有する遠隔診断技術を確立する

→熟練技術者の高度診断により、技術職員が不足する中小自治体を支援
→クラウド上での映像共有により現場管理者との双方向コミュニケーションを実現