ローランド株式会社は、4K対応の業務用マルチフォーマット・ビデオ・スイッチャー「V-600UHD」を2019年6月に発売する。価格は未定。

V-600UHDは、4K/HDRとHDの映像への対応をスムーズに行える同社独自の技術「ULTRA SCALER機能」を搭載。4KやHDRから、従来のHD、SDR(スタンダード・ダイナミックレンジ)の映像信号を変換可能。既設のHDR非対応の大型ディスプレイに、4K/HDRに対応した業務用ビデオ・カメラの超高画質映像を、コンバーターなしで出力することも可能。

V-600UHDはHDR信号に対応しているため、黒つぶれや白飛びのない、映画のように奥行き感のある映像処理が可能だとしている。従来のSDR対応のビデオ・カメラとビデオ・スイッチャーでは、明るいLEDディスプレイの前に立った出演者は、顔などの輪郭が白飛びして見えづらくなったり、ぼやけてしまうことがあり、美しい映像を撮るためにはビデオ・カメラの操作に熟練の技術が必要だったが、HDR対応のV-600UHDとビデオカメラを使うことで、明るいLEDディスプレイと、その画面手前に立った出演者を同時に撮影してもこれらの問題が起こりづらく、LEDディスプレイの映像の美しさをさらに引き出すことができるとしている。また、その映像はSDRにしか対応しないLEDディスプレイにも出力できるため、既存の映像システムを段階的にHDRに対応させることが可能。

BT.2020に加えRGBおよびBT.709規格をサポート

BT.2020規格と、既存のRGB規格やBT.709規格に対応している。BT.2020規格では、特に赤色と黄色の表現力がアップしており、野菜や果物など本来の色やディテールまで表現できるようになっている。さらに、4:4:4/10bit処理にも対応。また、V-600UHDでは、UHD 4K(横3840ピクセル×縦2160ピクセル)と、DCI 4K(横4096ピクセル×縦2160ピクセル)両方に対応。

V-600UHDの入力端子に搭載されたソース共有機能とスケーリング機能を使えば、クロス・ポイントに割り当てた「カメラショット」を最大8つまで表示させることが可能

V-600UHDは、「ROI(Region of Interest)機能」を搭載しており、1台のカメラで撮影した4K映像から必要な部分を最大8ショット切り出して、複数のカメラ映像のように使うことができるため、少ない機材とスタッフで効果的なオペレーションができるとしている。

外形寸法は幅482mm×奥行300mm×高さ109mm(ラック・マウント・アングルを取り付けた状態)、質量は5.3kg(ラック・マウント・アングルを取り付けた状態)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/02/190205_V-600UHD_back.jpg 4系統のHDMI2.0入力および2系統の12G-SDI入力を搭載。どの入力端子にもHD、フルHD、UHD 4K、DCI 4K、そしてUXGAからDCI 4KまでのPC解像度を入力・スケーリングできる機能が備わっているため変換作業も不要
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