[NAB2019:ATOMOS]モニタリング、録画、最大4つのHD-SDIカメラストリームのスイッチングに対応する「Shogun 7」を展示
2019-04-26 掲載

ATOMOSブース動画
360°全天球動画
ATOMOSブースレポート
ATOMOSブースで驚いたのは、昨年よりもブースを広くして、BMXとスケートボードのステージを設けていたことだ。ハイフレームレートでの撮影体験を目的に設置されたもので、ATOMOSのレコーダーを使ってHDを240Pで撮影。スローにした際にどのように見えるのか?を体験してほしいという思いで企画したという。

高精度なHDR7インチモニターを搭載した「Shogun 7」

ブース一押しの新製品は7.2インチモニター搭載の「Shogun 7」だ。フィールドモニター、レコーダーだけではなく、スイッチャーとして使用することも可能。SUMO19で実装していた機能をShogun 7でもできるようにしたものだ。HD60P SDI ISOx4までの録画が可能で、HDを4系統入れてスイッチングと記録が可能になっている。
Shogun Infernoと比較すると、モニターの部分を大きく改善している。画面コントラスト比は1000,000:1、色の色域はDCI-P3を105%をカバーし、輝度は1500nit。360にゾーン分割してダイレクトに照らすゾーンバックライトを採用。
Shogun Infernoは、エッジライト型と呼ばれる強力にバックライトを照らすために、黒が少し浮いてしまう問題があった。ゾーンバックライト採用で消すことによって、黒がはっきりでる。結果的に、コントラストを十分表現できるようになっている。
特にリアルタイムでDolby VisionをHDMIでライブ配信はまったく新しい機能だ。ブースでは、Dolby Visionの視聴コーナーが設けられていて、一般的な価格で販売されている2,000ドルから3,000ドルのDolby Vision対応モニターにShogun 7の出力した画を再生して観られるようになっていた。Dolby Vision対応によって最高クラスの画質で観られる。4Kの映像だが、「8Kではないのか?」と錯覚するぐらいきれいだ。
Dolby Visionの再生対応によって期待されるのが、オンセットデイリーでの活用だ。シネマはワンカットごとにディレクターが確認が行われるが、それをフィールドでやる場合に、Shogun 7を活用して画を観て判断することができるようになるだろうとのことだ。

高度な機能は必要ないという方向けのShogun Inferno
Ninja InfernoとShogun Infernoは、機能的に変更はない。Shogun Infernoは、もともとフラグシップだったが、さらに上位機種のShogun 7が登場して、その座を譲った感じだ。しかし、Shogun 7のマルチスイッチング機能やDolby Vision出力を必要としていない人もいるだろう。Shogun Infernoはディスコンになるのではなく、よりお求めやすい価格に下げて販売が継続されるという。

Shogun Studioは4K60P対応モデルを展示
Shogun Studioは4K30Pまでだが、リサーチのために60P対応が稼働していた。まだリサーチの段階で、商品化するかは決まっていないとのことだ。

動画撮影を始める人向けのATOMOS初の小型モニター「Shinobi」
Shinobiは2019年3月に発表された外部モニターだ。記録機能を搭載しないのが特徴で、HDMI入力またはSDI入力に対応した2種類をラインナップ。DSLRやミラーレスカメラで、これから動画を撮ろうと思っている人を対象とした製品だ。
スチルの場合は瞬間的にフォーカスを合わせたり、ライティングをするので、外部モニターをあまり必要としていない。しかし、動画撮影の場合は、スチルと違ってフォーカスを合わせなければいけないうえに、4K撮影の場合ではカメラに付属されている約3インチのモニターではフォーカシングは困難だ。また、動画はスチルと違って、ライティングの確認に波形モニターが必要になってくる。そうした初めてDSLRやミラーレスカメラで動作撮影をする人向けに誕生した製品となっている。


タイムコードを同期できる拡張機能なども魅力な「Ninja V」

Ninja Vは、5.2インチのモニター兼レコーダー。Ninja Vは、Shinobiの特徴に加えて、ミラーレスカメラ内蔵のレコーディングは、H.264やH.265で、LongGOPではどうしても画質をキープできない。最大撮影時間は30分に制限されている場合が多い。Ninja Vを使うことで、そのような問題を解決できる。
特に特徴的なのが、内蔵のモジュラー拡張スロットを使用してNinja Vの機能を拡張できる構造の採用だ。拡張モジュールは、バッテリースロットに取り付けられ、スタックが可能。SDIのインターフェース「AtomX SDI」やシンクモジュール「AtomX SYNC」などがある。
その中でも、AtomX SYNCは、ワイヤレスタイムコードと同期をするためのモジュールだ。一番シンプルな機能としては、1つのマスターと2つのスレーブを用意して、レックスタートすると全部シンクするというものだ。
フリーランのカメラが複数台ある場合、AtomX SYNCで1台をマスターにして、ほかをスレーブに設定すると、すべてのNinja Vが同期して記録ができる。タイムコードが全部シンクすると、その後のプロセスで、アングルの違うものを同時にマルチカム編集する際に大変に作業しやすくなる。
AtomX SYNCはワイヤレス対応で、BluetoothまたはFMの電波のどちらかを選べる。最大300m離れた同じネットワーク上に、約100台のレコーダを制御できる。


AtomXのコーナーも設置されていた。AtomXはATOMOS社のアクセサリー向けのサブブランドで、AtomXのマークがついていれば、ユーザーは安心して選べる。ケーブルやリグなどの多岐にわたったAtomX対応製品が展示されていた。

[ Category : NAB2019, NEWS, SPECIAL ]
[ DATE : 2019-04-26 ]
[ TAG : ATOMOS NAB2019]
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