Blackmagic Designの発表によると、株式会社Qonceptが新しく発表したピッチングトラッキングシステム「Baseboy」のキャプチャ・再生ソリューションにDeckLink SDI Microが採用されたという。同システムはテレビ朝日で放送された「侍ジャパンシリーズ2019」で、Blackmagic Micro Studio Camera 4Kと共に使用され、国内初めてのリアルタイム解析のシステムとして運用された。

同社は、AR(拡張現実感)を中心とした独自の画像処理技術を保有しており、テレビや放送分野でのリアルタイム映像合成・データ解析、スポーツ競技での選手やボールのトラッキングなど、様々な分野に技術を提供している。

Baseboyは、野球の投球や打球を画像解析し、3次元データ化された解析結果をリアルタイムで合成処理することができるシステムで、今後国内の放送局や、野球場、スポーツ連盟などに導入予定だという。

今回、解析を行った侍ジャパンシリーズ2019の試合では、試合中のボールを撮影するためBlackmagic Micro Studio Camera 4Kが使用され、カメラからのフィードはBlackmagic DeckLink SDI Microが組み込まれたBaseboyに送信された。

このフィードをBaseboyが解析および合成処理することにより、投手が投げたボールの軌跡をCGでオーバーレイされる。そのグラフィック化した映像がテレビ朝日の中継映像にリアルタイムで提供された。Baseboyを開発した株式会社Qoncept代表取締役の林建一氏は次のようにコメントしている。

この小さなボードのおかげで、Baseboyを小型化することに成功しました。1枚のDeckLink SDI Microでキャプチャと再生の処理を同時に行っています。入力された映像に、ボールの軌跡をマーキングする合成処理をインテルのNUCで行い、DeckLink SDI Microで出力をしています。

非常に小さなサイズにも関わらず1080p60までのあらゆるフォーマットを、同時にキャプチャ・再生でできるボードはDeckLinkSDI Micro以外に存在しません。Baseboyは、オペレーションをする人間がいなくても全てを処理することができ、中継現場の機材ブースにこの小さなBOXを1台置くだけで新しい演出を追加することができるのです。DeckLink SDI MicroがなくてはBaseboyが誕生することはなかったでしょう。

Blackmagic Designは、SDKを公開しているので柔軟な製品開発が可能です。また、Mac、Windows、Linuxに対応しているので、いろんなプラットフォームで開発が可能なため、ソフト開発がしやすい。さらに、DeckLinkのソフト側のファームアップデートで、さらに新しいことができ製品開発の可能性が大きく広がります。

私たちは、以前から数多くのBlackmagic Design製品を使用してきました。Blackmagic Designがなければ我々は、企業として成功できなかったと言えるでしょう。