グラスバレー株式会社は、2019年8月1日~2日の2日間、東京・日本橋の日本橋オフィスでSMPTE ST 2110のVoIPを使用した「IPライブ ソリューション展」を開催した。同展示では、システムカメラ、リプレイシステム、プロダクションスイッチャーをはじめとしたライブ制作機器を、協賛各社のIP対応機器と組み合わせて提案した。

協賛会社は、アリスタネットワークスジャパン合同会社、スチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社、トモカ電気株式会社、ベルボン株式会社、武蔵オプティカルシステム株式会社、リーダー電子株式会社、ティアック株式会社。出展製品は以下の通り。

  • システムカメラ「LDX 86N」
    2/3インチ、3CMOS、ネイティブUHDセンサー搭載システムカメラ
  • リプレイシステム「LiveTouch」
    HD/UHD対応スポーツリプレイ・ハイライト制作システム
  • プロダクションスイッチャー「Kula IP」
    100G IPインターフェイス搭載2RU HD/UHDコンパクトスイッチャー
  • IPゲートウェイ「IQUCP25」
    16 I/O をSDI/IP に相互変換するゲートウェイカード
  • マルチビューワー「MV-821-IP 100G」
    IPインターフェイス搭載 2RU 48入力マルチビューワー
  • コントロールシステム「GV Convergent」
    IP対応ルーターコントローラー
  • コントロールシステム「Orbit RollCall Client」
    IP対応制御・ステータス監視アプリケーション
  • IPスイッチ「ARISTA 7280Rシリーズ」
    データセンター向け25G/100Gスイッチ
  • PTPグランドマスター「Leader LT 4610」
    PTP対応シンクジェネレーター
  • 波形モニター「Leader LV5600」
    IP対応波形モニター
  • タリーシステム「LAWO VSM」
    スタジオ統合コントロールシステム
  • オーディオミキサー「STUDER VISTA 1」
    IP対応オーディオミキサー放送用オールインワン可搬卓
  • マルチトラックレコーダー「TASCAM DA-6400」
    64チャンネル デジタルマルチトラックレコーダー/プレーヤー

今回の展示はライブ制作・中継のシステム構築に特化しているということもあり、放送局や中継プロダクションからの来場者の姿が多くみられた。トータルシステムとして他社の機材を持ち寄っての内覧会は珍しいという。

最近、耳にする機会が増えた「リモートプロダクション」では、IPを使うことで、出先から全てのカメラ信号をスタジオに送り、スタジオのスイッチャーで切り替えが可能となる。ただし、VoIPは1社の製品だけではシステムの構築が難しいという現状を踏まえ、映像機器だけでなく既存のシステムをIPで繋ぐネットワーク部分も含めて提案している。

今回は、グラスバレーのダイレクトIP技術を使ったシステムカメラ「LDX 86N」と、プロダクションスイッチャー「Kula IP」を紹介する。

システムカメラ「LDX 86N」

2/3インチ、3CMOS、ネイティブUHDセンサー搭載システムカメラ

カメラとスイッチャーなどの機器を結ぶ場合、従来はケーブルの距離に制限があったが、「LDX 86N」ではダイレクトIP技術を使うことでケーブル内に流れる信号がビデオ信号ではなくIPパケットになる。そのためIPスイッチが繋がっている限り、どこまでも信号を届けることが可能となっている。

また、IP帯域が許す限り、複数信号を双方向に送ることができる。カメラからスイッチャー、モニター、プログラムアウトをリターンとして、またキーがのっていないクリーンなリターンを返せるなど、活用の幅は広い。

この技術を使い、昨年は東京とロンドンを繋ぎ、2万キロの海底ケーブルを使った映像のテストを行ったという。カメラは東京にあり、スタジオはロンドンにある状況で、東京で撮影した映像をロンドンのVEが調整した。

グラスバレーによると、ヨーロッパなどでは、カメラとCCUを分けて使うリモートプロダクションが2、3年前から積極的に取り組まれているという。カメラヘッドだけ現地に持参しネットワークに繋げば、地球のどこからでも中継ができるほか、衛星などのようなディレイもないのが特徴だ。

プロダクションスイッチャー「Kula IP」

100G IPインターフェイス搭載2RU HD/UHDコンパクトスイッチャー

日本初公開の新製品「Kula IP」は、BNCのコネクタからIPのインターフェースに変えたフルIPプロダクションスイッチャーとなっている。従来のスイッチャーは、BNCのコネクタが入出力の分だけ搭載されているが、同製品はフルIPで100ギガSFPの光の口を4つ搭載している。HDや3Gで使用する際は、36入力・12出力の3MEスイッチャーとして、また4Kで使用する場合は、9入力・3出力の1MEスイッチャーとして使用できる。