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[InterBEE2019]Avidブース:映画「ゾンビランド:ダブルタップ」のエディター、ダーク・ウェスターヴェルト氏が映画制作の裏側、Avidの魅力を語る

2019-12-02 掲載

すっきりとしたインターフェイスに生まれ変わったMedia Composer 2019を展示

ブースでは、最新のMedia Composer 2019とAvid Cloud Solution、FastServe Streamなどのクラウドソリューションや、J-Newsの実演デモや、Microsoft Azure上でAvid on Demandの最新クラウドソリューションとして実行可能なアセットマネージメントのMediaCentral、メディアへのアクセスとシェアをどこにいても可能にするMediaCentral | Cloud UXやNEXIS | CloudStorage、編集ツールのMedia Composer Cloud VMなどが紹介された。

インターフェイスが新しくなったMedia Composer 2019

ブース展示の注目は、Media Composer 2019だ。パッと見たところ、2019バージョンになって画面のインターフェイスが大きく変わっている。

今までのMedia Composerは、左上にプロジェクトウィンドウというのがあって、そこにビンの管理や環境設定、エフェクトのパレットなどが入っていた。2019ではそれが廃止されて、環境設定は「ファイル」メニュー→「設定」に変わった。この中に環境設定があり、この中でキーボードショートカットや自動保存を設定できるようになった。

設定のパレットの位置が変更となった

プロジェクトウィンドウで行っていたビンの管理は、最初から左端にビンというタブがあり、アクセスできるようになった。見えているアイコンが全部ビンのアイコンなので、空いているところで右クリックすると、新しくビンを作ることが可能。

ビンの管理は画面左のタブからアクセスできる

エフェクトのパレットもこれまではプロジェクトウィンドウの中にあったが、2019ではビンと同じ画面左にエフェクトパレットのタブで切り替え可能となった。

エフェクトパレットもタブから左端のアクセスが可能

2019になって一番見た目で変わったのが、UIが全部パネル化されたことだ。2018のウィンドウはフローティングで浮いていたが、2019ではすべてパネルの好みに合わせて外したり、ドッキングをしたりできるようになった。

UIはパネル化されているが、ウィンドウはバラバラにすることも可能

2019に搭載された実務的で便利な機能がInspectorだ。これまでビンの中のクリップの表示を確認するためには、横にスクロールしないと確認できなかったが、Inspectorウィンドウを使うことで、選択したクリップの情報が一覧で見られるようになった。割り振っておくことで、情報確認が可能になり便利だ。

詳細を知ることができるInspectorウィンドウ

画面右端には、ワークスペースに簡単にアクセスできるワークスペースツールバーのアイコンが並ぶようになった。ワンクリックで、作業に適したツール(編集、カラー、オーディオ、エフェクトなど)と合わせたワークスペースが開かれる。

画面右端にはワークスペースツールバーのアイコンが並ぶようになった

クラウド編集とリモートIPライブプロダクションを参考出品

クラウド上で編集、収録、素材管理、アプリケーションの登録まで、すべてクラウド上で行える技術展示が行われていた。カメラのSDIから映像を入力し、クラウド上の仮想サーバーにインストールされているFastServe | Streamで映像を受けて収録し、編集機で編集可能になる。

このワークフローが実現することで、ユーザーはスポーツの会場やコンサートの会場で収録した映像を編集室に持ち帰らず、その場で編集可能となる。その場合、ファイル化したものをクラウドへアップロードが必要だが、FastServe | Streamを使うことによってカメラからの映像をそのままクラウド上に収録できる。

さらにそのまま編集可能。おっかけ編集もできるメリットがある。時間の短縮、手間の短縮、場所を選ばないというメリットが生まれる。

IPリモートライブプロダクションのワークフローデモ FastServe | Streamでクラウド上に映像を収録できる

サウンド関連の最新ソリューションを展示

Pro Toolsに代表されるオーディオのコーナーでは、Avid S6+MTRXの統合コンソールソリューションやAAXプラグインパートナーの展示や、Pro Tools 2019最新バージョンおよび12月リリース予定のAvid S1のほか、新製品のAvid S4の紹介や実演デモを開催した。

Mixing with Dolby AtmosはDolby Atmosワークフローを提供するAvid S6+MTRXの統合コンソールソリューションとしてAvid S6やPro Tools | Ultimate & HDXおよびMTRX、Dolby RMU、Media Composer/Video Satellite、Artist DNxIQ、NEXIS PROなどを紹介 Music Creation & Mixingでは、プロ品質の音楽やオーディオを制作するために必要なものを全て網羅しているシステムの最新バージョンPro Tools 2019や、新しいパーソナルスタジオ用コントロールサーフェスであるAvid S1のデモを披露した ブース内のステージでは事例や最新アップデートなどを会期中連日に渡りに披露した。UHD/4Kビデオ再生&59.94/60fpsタイムラインに対応したPro Tools 2019.10やMixing with Dolby Atmosなどが披露された AAXプラグインパートナーの展示。accusonusの映像クリエイターに向けプラグインERAのバージョン4やSPATIAのPro Tools HD用VR/ARプラグイン360pan suite 3。Pro Tools HDのビデオ画面上で、音声の位置を示すだけでモノ、ステレオ、4chの音声ファイルをAmbisonicsの音場でパンニング可能

「ゾンビランド:ダブルタップ」エディターのダーク・ウェスターヴェルト氏にアビッドの魅力を聞く

InterBEE期間中にAvidブースで講演を行ったダーク・ウェスターヴェルト氏

Avidブースでは、ハリウッドゲストスピーカーとして、日本公開11月22日予定の「ゾンビランド:ダブルタップ」のエディター、ダーク・ウェスターヴェルト氏が招かれ、同映画制作の講演が行われた。

PRONEWSでは、ウェスターヴェルト氏に講演だけでは語られない内容等をインタビューさせていただく機会を得た。インタビューに協力いただいたのは、Avidエディターとして活躍中の松村正樹氏。映画制作の裏側、日本と海外のエディターの違い、Avidの魅力について聞いてみたので紹介しよう。

写真左:ダーク・ウェスターヴェルト氏、写真右:松村正樹氏
ダーク・ウェスターヴェルト|プロフィール
アクション、ドラマ、コメディなど、さまざまなジャンルの映画に携わっている。近年は、脚本家で監督のリック・ファムイーワと度重なるコラボレートをし、エリック・ブレヴィグが監督した「センター・オブ・ジ・アース」の編集を行う。2014年にジャウマ・コレット=セラの「ラン・オールナイト」、2017年にジェームズ・マンゴールドの「LOGAN/ローガン」の編集作業を完了させている。昨年2018年には、デヴィッド・リーチの「デッドプール2」を共同編集し、2019年は11月22日日本公開予定のルーベン・フライシャー監督の新作フィルム「ゾンビランド:ダブルタップ」の編集実績がある。
松村正樹|プロフィール
2000年より映像編集に携わり、オンライン、オフライン共に様々な作品に関わる。現在は、株式会社MIMに所属し、エディター業と共にアビッドエディターが集まってのAvid Media Composer勉強会なども行っている。
「ゾンビランド:ダブルタップ」の予告映像。2019年11月22日(金)全国ロードショー

「ゾンビランド:ダブルタップ」制作との出会いや裏側を振り返る

――松村氏:ルーベン・フライシャー監督とは「ゾンビランド:ダブルタップ」の制作で初めて関わられたとのことですが、何がきっかだったのでしょうか?

ウェスターヴェルト氏:フライシャー監督の作品に関わるのは「ゾンビランド:ダブルタップ」が初めてでした。彼はずっと同じエディターを使う監督で、American HustleのBest Film Editingのアカデミー賞にノミネートされたことがあるアラン・ボームガーテンがいつも協力していました。しかし、「ゾンビランド:ダブルタップ」の制作では、アランはちょうど別の作品制作期間と重なってしまい、今回は関わることはできませんでした。

そんな中、私が「ゾンビランド:ダブルタップ」に関わるようになったのは、以前私が関わりました「デッドプール2」で製作総指揮と脚本のレット・リースやポール・ワーニックの推薦がきっかけでした。監督のルーベン・フライシャーから電話がかかってきまして、「エディターをやってくれないか?」と話をいただき、参加が決まりました。

撮影はジョージア州アトランタで行われました。話が決まると、フライシャー監督はすでにアトランタで「ゾンビランド:ダブルタップ」のプリプロダクションを行っていました。しかし、私はロサンゼルスにいましたので、撮影期間はフライシャー監督にまったく会うことがありませんでした。すべての連絡は、電話やテキストのメッセージやEメールを使ってリモートワークで行ったのが今までとは違う点でした。

私には、約15年ほど一緒にいろいろな作品を手掛けているクリス・パターソンという相棒がいます。彼は、スティーブスピルバーグ監督やマイケル・カーンなど、大作を手掛ける監督と仕事をした経験がある優秀なエディターなのですが、彼とともに「エディター誰が空いているの?」など聞きつつ、「ゾンビランド:ダブルタップ」のチーム編成をしました。

――松村氏:参考にいうと日本のエディターは、チーム編成がどちらかというと苦手ですね。一人のエディターが長い映画、ドラマでもやることが多いです。

ウェスターヴェルト氏:そういったやり方も行ったことがありますが、チームの規模は予算に左右されます。

――松村氏:今回のプロジェクトで、これまでと大きく違うところはどこでしょうか?

ウェスターヴェルト氏:ほかの映画制作と違っている部分は、なんといっても短期間の圧縮されたスケジュールでした。非常に素早く色々なことをやらなければいけませんでした。

また、監督を率いて撮影チームはアトランタで撮影をしていましたが、私達はロサンゼルスにいました。例えば、以前関わった「デッドプール2」では、監督も編集チームと同じバンクーバーにいて作業をしましたが、今回の「ゾンビランド:ダブルタップ」では、まったく地理的に離れたところでの作業となりました。ただ、最近はインターネットがあるので、コラボレーションを速やかにできたと思っています。

もう1つの大きな違いは、予算の面でした。「ゾンビランド:ダブルタップ」の予算は、「デッドプール2」と比べると半分ぐらいでした。

例えばアクションシーンの設計において、「デッドプール2」の場合では、アクションを確認するために、多くのアニメーションを作って撮影する前に監督と共有して計画し、事前に十分検討する事ができました。しかし、「ゾンビランド:ダブルタップ」では予算に余裕がありませんでしたので、絵コンテや、簡素なストーリーボードで済ませました。

Avidブース内で講演を行うウェスターヴェルト氏
――松村氏:絵コンテとは、とても日本的ですね。

ウェスターヴェルト氏:最初に非常にいいプランニングをすることによって、後々の大きな変更を抑えることができます。しかし、「ゾンビランド:ダブルタップ」では簡素なストーリーボードしか作成しなかったので、あとから多くの変更が発生することがありました。

――松村氏:たとえば、アドリブが多かったと思うのですが、素材整理などはどうされたのでしょうか?

ウェスターヴェルト氏:ストーリーボードでは、アクションシーンを管理できるように、会話、コメディー、アドリブなどは脚本で管理しますよね。私は、この脚本を全てAvidで管理できる事が大きな価値だと思っています。毎回映画作りをするときにAvid Media Composer | ScriptSyncオプションを使います。「LOGAN/ローガン」はドラマ主体の作品でしたが「ゾンビランド:ダブルタップ」や「デッドプール2」はコメディ性が高く、俳優がとっさにアドリブを言ったり、ジョークを言ったりすることが多かったです。そういった場合にScriptSyncは大変役に立ちました。

たとえば、ある俳優は脚本の1行に対して、いくつも違うジョークを言うことがありますが、Media Composerに脚本を取り込んで、そこにアシスタントがジョークを検索に入力すれば、一気に検索結果が現れ、そのシーンに瞬時に移動することができます。従来は手動で脚本情報を設定していた作業が大幅に改善されました。

俳優がアドリブで飛ばしたジョークをアシスタントが追記する作業は大変なのですけれども、そうしておけば、欲しいシーンにすぐ飛んでいくことができます。

ワークフローやチェック方法、VFXエディターなど、日米のプロダクションの違いとは?

――松村氏:日米のプロダクションの違いについてお聞きします。編集時に撮影シーンの様子や内容を記録・管理するスクリプターが立ち会ったりされますか?

ウェスターヴェルト氏:アメリカでスクリプターというのは、スクリプトスーパーバイザーと呼んでいます。その役割の人は、通常、監督と一緒に撮影現場で色々とノート、カメラの情報を記入しています。

――松村氏:日本では、スクリプターが編集を視察にくることがあります。そういうことはハリウッドの制作現場ではないのでしょうか?

ウェスターヴェルト氏:ほとんどありません。通常はそういったスクリプトスーパーバイザーがポストプロダクションの場にくるということは希少です。

「LOGAN/ローガン」では、監督がジェームズ・マンゴールドで、そのときのスクリプトスーパーバイザーが、ジェームスと良い関係性でした。そのため、私達のポストプロダクションにスクリプトスーパーバイザーがカッティングしているところを見にきて、監督が彼女に意見を求めたりもしました。編集には継続性や連続性が重要なので、矛盾があれば指摘してくださるのは助かります。そういった意味で、スクリプトスーパーバイザーの意見は貴重ですが、通常はありません。

――松村氏:日本では監督よりも前にスクリプターの方がチェック的に来ることがよくあります。日本は特殊で、エディターの方がスクリプトスーパーバイザーの役割になっている場合もあります。

ウェスターヴェルト氏:日本のやり方もいいですね。監督に見せて「え?」とか言われるより、スクリプターからいろいろ指摘されたほうがいいと思います。

――松村氏:「デッドプール2」も「ゾンビランド:ダブルタップ」も、「2」からの参加でしたが、やっぱり前作とかを意識したり研究したりすることはありましたか?

ウェスターヴェルト氏:「LOGAN/ローガン」は、X-MENシリーズのスピンオフ作品「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」や「ウルヴァリン: SAMURAI」の続編となる第3作でしたが、それまでと違うテイストにするということだったのであえて前作は観ていません。

「デッドプール2」に関しては、一作目が特に良い作品だなと思ったので、何回も観ました。でも、リサーチをしたというよりファンリサーチ、楽しいリサーチでした。ゾンビランドに関しても、一作目は素晴らしい作品だと思いましたので、続編の「ゾンビランド:ダブルタップ」もその世界観を変える必要はなかったので、一生懸命リサーチをしました。

――松村氏:今回はインターネットでのやり取りが多かったとお伺いしましたが、撮影データのやり取りはどのような方法で行われたのでしょうか?

ウェスターヴェルト氏:撮影されたデータ転送にはセキュリティに強いAsperaを使いました。コーデックはAvid DNxHD 36です。Avid DNxHD 115ではかなり膨大なデータになるので、DNxHD 36で行いました。

また、監督に動画を送るときは、PIXを使いました。H.264形式でセキュリティ高く送受信でき、受信したデータを見るビューワー機能もあります。ディレクターとのコミュニケーションはApple FaceTimeなどを使いました。

――松村氏:今回はスケジュールの都合で複数のエディターの方が関わられたと思いますが、僕はAvidというのは素材の整理がとてもわかりやすいと感じています。複数人でやられるときに、決まりごとを決めたりしていますか?

ウェスターヴェルト氏:今回はスケジュールが非常に短期間、かつ結構膨大な作業ということで、複数のエディターが関わりました。そこで、共有ファイルサーバーとして、Avid NEXISを使いました。

例えば、映画で1人のエディターが作業するのに5つ、6つのリールを同時に作業するのですが、担当者がリールを開いている間は保護がかかり、別の作業者が同じ素材に対して、誤って変更をかけてしまうという事がない環境だったりします。

今回の編集室は、お互い信頼がおけるエディターが集まりました。ですので、それぞれの担当が必要と感じるリールを変更できるという方式で進めました。例えば、クリスと私が編集をしている最中に、Avid的な管理方法で並行してVFXエディターがVFXスタジオから受け取った新しいバージョンのショットに置き換えたり、アシスタントエディターが音楽を追加するなどの変更を行いました。

今回は信頼関係があったので柔軟なやり方でしたが、もっと厳密にルールを設定しているプロジェクトもあります。特定のエディターだけが、リールにアクセスできる権利を持つ場合もありました。

――松村氏:VFXエディターというのは、日本にはない役職です。それは、CGとのやり取りをやる職業ということですか?

ウェスターヴェルト氏:VFXエディターは、基本的にはVFXスタジオにオリジナルの撮影素材を送り、新しいVFX加工後のバージョンを受け取り、コメントと共にタイムラインに配置するなどの作業をします。主な作業はフレームナンバーや、素材情報などを付加して、データを送ったり受け取ったりする作業です。

また、ショットの中には、1つのショットにも関わらず、7つのカメラプレートが存在する場合もあるので、VFXエディターは正確にVFXスタジオに情報と撮影データを渡し、VFXショットが上がって来た際には情報を確認し、素材が指示通りに作業され、データが揃っているかを確認するのもVFXエディターの役割です。ディレクターの承認を得るためのスクリーニングの準備もVFXエディターが行います。

――松村氏:日本のエディターはVFXエディターの役目も同じ一人の人が行うこともあります。編集とは違う能力だと思いますので、そういう人が独立して立っているのはとてもいいと思いました。
インタビューを担当した松村氏

ウェスターヴェルト氏:やはりスケジュールがタイトな環境の場合、監督がどんどん映像を変えたいと常に言ってきます。一日中変更して行くような場合、私はVFXエディターの経験があるので、例えば、私が昼間にエディターとして作業をし、夜間にVFXエディター作業もできるのですが、徐々に歪みが生まれてきてしまいますよね。

例えば、「デッドプール2」では、VFXショットは1,500にも及び、沢山のVFXショットが複数のトラックに配置されていた状況だったんですよ。

――松村氏:確かにその数を編集し、より良い作品にするためには分業し易い環境が必要ですね。

Avidは積極的にエディターの意見を取り込んで進化を実現してくれる

――松村氏:海外では、映画に関わる人は、Media Composerが使えることが基本になっていると聞きます。Avidの良さは何だと思いますか?

ウェスターヴェルト氏:Avidのいいところは、時間の経過とともにどんどん進化しているところです。そして、エディターからの色々な提案、意見を取り込んで進化するところが非常にいいと思っています。

私にとっては、Avidが最高の編集ツールであると考えています。Media Composerの中でシーケンスをタイムラインに並べ、トリミングを移動したりする基本的な機能から、エディターの意見を聞いて作られた「ミュートクリップ」で素材をタイムラインに配置したまま柔軟に対応できたりする。先ほど紹介したScriptSyncツールも非常に役に立つ価値の高いものだと思います。

また、多くのサラウンド機能における強化も大きな価値がありました。そして、特に重要なのは、様々なプラットフォームとのやり取りが行える事です。みんながネットワークに接続し相互にデータをやり取りできる環境が充実しています。

先ほど言ったように、VFXスタジオとのデータの送受信、同じスタジオ内の異なる部署など、データ管理と相互にデータのやり取りを行う際の使い勝手の良さが鍵となると思います。

特に長編映画のエディターにとっては、Avidは唯一無二の存在です。もちろん、Avid以外のノンリニア編集ツールも登場してきています。私の周りでも試した人はいますが、やはりうまくいかないということで、お気に入りの編集ツールとしてはMedia Composerです。

――松村氏:僕は頼まれてほかのツールを使用することもありますが、ウェスターヴェルトさんもAvid以外のツールを使うことはありますか?

ウェスターヴェルト氏:小さなプロジェクトで、アシスタントと共に触ったことがあります。どんなものかなという感じで試してみたのですが、すぐにMedia Composerに戻りました。

安心感や使い勝手も大切なのですが、Media Composerは機能性が高く、編集上で必要とされる機能が揃っています。

――松村氏:最後に、私はアムステルダムで開催されたIBC2018にて、オーディトリアムで行われたウェスターベルトさんの「デッドプール2」の講演を聞きました。
そのときにとっても印象的なことがありました。講演が終わったあとに、ウェスターベルトさんに若いエディターらしい青年からサインを求められているのを見かけました。エディターにサインを求められるなんて日本ではありません。凄く憧れました。

ウェスターヴェルト氏:そんなに多くあることではありません。エディターとしては常に暗い部屋で作業をしています(笑)。

――松村氏:Avidには技術を通じて裏で支えてくれるだけでなく、エディターの仕事が作品の中で大切な作業だと言うことを、表に出してもらえるきっかけを与えてくれる。講演を聞いた青年がエディターであるウェスターヴェルトさんにサインを求めた光景を見た時、エディターという職業が日本でももっと憧れの職業になってほしい。今後、日本でも憧れを感じられるエディターが誕生してほしいと思っています。
Media Composerは、フリーのエディターからCMや番組・映画製作者向け業界スタンダードのノンリニアビデオ編集ソフトウェアです

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[ DATE : 2019-12-02 ]
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