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[再現NAB2020:Carl Zeiss]レンズデータ技術のZEISS eXtended Dataを搭載したシネプライムレンズシリーズ「ZEISS CP.3 XD」

#carl zeiss #NAB2020 #再現NAB2020

2020-04-21 掲載

ショーリール「Morpho」の撮影現場で、RED MONSTRO 8K VVに取り付けられたCP.3 XD 35mmレンズ。近年シネマカメラが小型化していることに対応し、レンズも軽量コンパクトに設計されている(写真:Carl Zeiss)

60seconds Shoots

“映像業界に貢献したい”思いから誕生したシネプライムレンズ「ZEISS CP.3 XD」

CP.3XD(左)と、通常のCP.3(右)。XDタイプの目印は、PLマウント12時位置の電気接点と、レンズ鏡筒1時位置のLEMO 4ピン端子。これらふたつの接点からeXtended Dataが送り出されるが、使うカメラに応じて、データ収録に使う接点はどちらか1つでOK(写真:Carl Zeiss)

「ZEISS CP.3 XD」 シネプライムレンズはすでに発売中の製品だが、ようやく対応するカメラやソフトウェアが充実してきたということで、改めて同レンズシリーズの機能性と将来性についてNABで紹介予定だったという。ツァイスのCP.3 XDは、小型軽量で高画質なCP.3のレンズ設計をベースに、レンズデータ技術「ZEISS eXtended Data」(ツァイス・エクステンデッド・データ)を搭載したシネプライムレンズシリーズ。eXtended DataはCMや映画で多用されているVFX(コンピューターグラフィックスによる特殊効果)を行う編集およびポストプロダクション作業の際に、もっとも必要とされている情報だ。

レンズがコンパクトであることで、撮影の機動性が大きく向上している(写真:Carl Zeiss)

CP.3XDに初めて搭載された技術「ZEISS eXtended Data」は、撮影する映像の毎フレームに、レンズ名と製造番号・焦点距離と開放値・被写体までの距離・実際の絞り値・射出瞳位置・被写界深度に加え、広角レンズでは特に重要となる歪み補正と周辺光量減光の補正データまでもリアルタイムに記録を行う。スチルカメラでいうところの「Exif情報」に似ているとのこと。

「ZEISS eXtended Data」に記録される詳細なレンズデータは、レンズとカメラのマウントに付いている電気接点を介してカメラ側へと送られ、映像が収録される記録メディアに書き込まれる。記録されたデータは、編集およびVFXプロダクションの現場において、実写に合成するCG映像の制作時に役立つ。例えば、CGで描かれた背景に実写の人物を合成するとき、レンズ歪みを計算していないCG背景に歪みを含んだ実写人物を重ねてしまうと、人物の動きと背景がマッチせず合成が成立しない。これまでVFXプロダクションでは、自然な合成映像に仕上げるために1コマずつ補正していたが、これには事前に個別のレンズが持つ歪みの癖などを正確に計測しておく必要があり、膨大な時間と労力のかかる作業だった。だがeXtended Dataにはレンズ個別の癖がデータとして書き込んであるため、合成のためのレンズ計測も、地道に1コマずつ補正することも不要になる。VFXの世界で業界標準として使われているソフトウェア「Nuke」にも対応しており、スムーズで高精度な合成映像の制作が可能となった。

千葉市内で行われたショーリール撮影の様子。現場には撮影クルーだけでなく編集とVFXを手掛けるプロダクションのディレクターも同行し、レンズデータの有用性を確認した(写真:Carl Zeiss) 撮影現場に置かれたモニター。画面下にレンズ焦点距離、被写体までの距離、絞り値などのデータが表示されているが、これらはすべてCP.3XDレンズからリアルタイムに送出・記録されている(写真:Carl Zeiss)

どんな映像作品制作の現場でも、撮影、編集、合成を担当するセクションは独立していて、お互いにそれぞれの職域には立ち入らないという不文律がある。高画素カメラによる大容量データを使って編集や合成・グレーディングをしなければならない現在、もはやすべてのセクションの協力なしには、効率の良いワークフローは不可能だと考え、レンズ開発そのものも重要だが、制作フロー全体の向上・効率化の一助となる製品を開発することにより、映像業界に貢献したいという思いから生まれたのがCP.3 XDだという。

重量800g台、長さ約8cmと、小型なCP.3XDレンズ。ジンバルで撮影するときにも、ジンバルの回転軸に対してレンズの張り出し量が少なく軽いため、パン&チルト操作と水平維持に掛かる電力消費も抑えられる(写真:Carl Zeiss)
■一言アピール!

このeXtended Dataは、富士フイルム様のズームレンズ「Fujinon Premista」にも組み込まれる予定です。ほんの少し前までは夢のような話でしかなかった、ズーム撮影時のレンズ歪み補正が自動で正確に行える時代が到来します。今後も更なるデジタル化が進むであろう映像制作ワークフローを見据えたときに、eXtended Data搭載のレンズはきわめて有効な選択肢と言えるでしょう。このZEISS CP.3XDはレンタル会社でも稼働しており、クランク、小輝日文、東洋レンタル、ナックレンタル各社で借りることが出来ます。


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[ DATE : 2020-04-21 ]
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