Blackmagic Designの発表によると、ジャスミン・アッシュ氏の新しいシングル「Same Sun」がブレンダン・ウォルター氏によりPocket Cinema Camera 6Kで撮影されたという。ウォルター氏は、撮影にBlackmagic RAWコーデックを使用し、ビデオのカラーコレクションにDaVinci Resolveを使用。これにより、近隣の人々の様子を窓越しに自然光の下で撮影ができたとしている。

「Same Sun」はシンガーソングライターのジャスミン・アッシュ氏による最新作。同氏はOh Darlingのシンガーでもあり、ヒット曲「Starlight」で知られる。同ミュージックビデオは、アッシュ氏と同作の監督かつ撮影監督であるウォルター氏が、ロサンゼルスの様々な場所に車で出向き、人々と距離を保ちながら会話に興じる様子を捉えている。本作は、ロサンゼルスに対する愛を体現したもので、二人が初めて会う人々、友人、家族と、窓越し、屋根の上から、あるいはフェンス越しに交流する様子を映し出す。

当初は、このビデオには全く異なるテーマを予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で自主隔離が推奨されるようになったことで変更を余儀なくされた。ウォルター氏は、照明の自由がきかない状況で質の高いフッテージを撮影できる方法を案出する必要に迫られた。これを達成するために、ダイナミックレンジが高く、低照明条件で撮影可能であり、小型なため一人であらゆる場所に持ち歩くことができる、Pocket Cinema Camera 6Kが採用されたという。

ウォルター氏:最初の計画をキャンセルしなければならなくなった時に数えきれないほどの問題に囲まれていることに気がつきました。スタッフやセットが使用できないだけでなく、人を呼び寄せることもできません。そこで、自宅や近隣にあるものを使って工夫して撮影する必要がありました。収束するまで待つか、試してみるか選択肢がありましたが、幸いにもPocket Cinema Camera 6Kを普段から使用しており、クリエイティブな使い方ができると分かっていたので、本作の撮影に使用することに決めました。

まず、両氏はNextDoorと呼ばれる地域のSNSを通して、近隣の人々に撮影の協力を呼びかけた。作品内で、アッシュ氏は感染の拡大を避けるために常に十分な距離を取りながら、人間味あふれる交流を繰り広げた。参加に同意してくれた人々の家を次々に訪ねるアッシュ氏の様子をウォルター氏がPocket Cinema Camera 6KでBlackmagic RAWを使用して撮影した。

同作には、レベルの高いシネマライクでドキュメンタリー調のルックを両氏は求めていたが、それと同時にホームビデオのような雰囲気も残したいと感じていた。照明の自由がきかず、また外から室内を多くのケースで窓ガラスを通して撮影する必要があったため、このルックを得るには多くの困難が伴ったという。

フッテージの多くが、家の超広角ショットとズームイン・ショットでした。また、多くのカメラで問題が生じるような急激な照明条件の変化がありました。特に、晴れた太陽光の下の家のショットから暗いリビングルームでカップルが踊る様子を捉えたショットの差は非常に大きかったです。もちろん、もっと良い照明をセットアップするように協力してくれた方々にお願いする訳にはいかないと承知した上での撮影でしたが、Pocket Cinema Camera 6KでBlackmagic RAWを使用すれば、必要なフッテージが撮影できると分かっていました。

照明を全く使用しない場合や自然光を使う必要がある時に、このカメラは本領を発揮すると思います。カメラのダイナミックレンジ、Blackmagic RAWの実物と変わらないようなカラーとスキントーンを活用すれば、DaVinci Resolveで思い通りの映像に仕上げられると確信していました。