Blackmagic Designの発表によると、ライトストーム・エンターテインメントが「アバター」の続編制作に、Teranex AVSmart VideoHub 12G 40×40ATEM 4 M/E Broadcast Studio 4Kをはじめとする多数のBlackmagic Design製品を使用したという。

ジェームス・キャメロン監督が設立して以来、最新鋭の映画制作テクニックで知られる同社は、常に最先端のテクノロジーを用いる企業だ。「ターミネーター」、「アビス」、「タイタニック」などを生み出してきた同社は、物語を伝える上で技術の限界を理由に妥協することは決してない。

2009年に公開された「アバター」では、映画制作において限界はないと再度実証した。息を飲むような作品に仕上がった同作は非常に高い人気を集めた。「アバター」の興行収入は20億ドルを超え、複数の続編の制作が予定されている。

続編でナヴィの物語がさらに展開していくのと同様に、映画制作に使用されているテクノロジーも進化を遂げ続けている。その中でも重要な要素は、ポストプロダクションを待たずに、撮影しながらコンテンツを評価できる機能だ。ライトストーム・エンターテインメントの制作サービス&テクノロジーのシニア部長であるジェフ・バーディック氏は次のようにコメントしている。

劇場で視聴するのと可能な限り近い形でライブのカメラフィードを評価しました。これにより、セットでリアルタイムに決断を下すことができます。おかげで撮影時間が節約できています。また、VFXベンダーであるWeta Digitalもその恩恵を受けており、ポストプロダクションとマスタリングの過程を能率化する上でも役立っています。

これを行うにあたり、複数の3Dカメラシステムからのライブフィードを同時に確認できる必要性が生じたという。

以前は、24fpsでHDの3Dマテリアルをライブで再生して確認していました。しかし、現在は4Kで3Dを撮影しており、様々な解像度とフレームレートでパイプラインにフィードしています。これには、48fpsの2Kと4Kの3D、24fpsの2Kと4Kの3D、24fpsのHDの3Dが含まれます。

Blackmagic Designは、パイプライン全体にわたって、様々な作業をアシストする独自かつ包括的な製品を同作の制作のために提供した。

弊社のエンジニアチームにとって、このワークフローを可能とする信号経路を開発するのは非常に難しいことでした。この種の機能をサポートする製品を販売している会社は多くありません。幸運にもこのチャレンジをBlackmagic Designが進んで引き受けてくれました。

このワークフローでは、データ量が膨大であったが、シームレスに確認・再生できることが極めて重要であった。

新しいフォーマットやテクニックを導入する際は、あらゆる部門において遅延や途絶が生じないようにすることが必須です。

複数の解像度とフレームレートをリアルタイムで表示できたため、ポストプロダクションになって初めて気づくような問題点を早い段階で発見することができたという。

より高い解像度、フレームレート、ダイナミックレンジで、今まで見たことがないようなディテールを捉えるレンズを使用し、それを表示できるテクノロジーを搭載したプロジェクターで映し出される映像を目の肥えた観客に対して提供する現在、これは非常に重要なことです。

Blackmagic Designは制作のあらゆる段階で需要な役割を果たしたが、その中でも最もシンプルな製品が制作に大いに貢献したという。ライトストームのスタッフは次のようにコメントしている。

ありふれた機器に見えるTeranex AVですが、最も難しく手間がかかる部分を引き受けてくれました。

Teranexシリーズを使用することで、オンセットでHD 24fpsと4K 48fpsが混在したワークフローを行うことができた。

これらの製品なくしては、要求されるコンバージョンやイメージ変換をリアルタイムで行うことは不可能だったでしょう。研究開発および制作過程において、重要な機材を自由に組み合わせられ、また使用される多様な製品において、標準ではないフォーマットをサポートしているため、極めて迅速に、何が可能か把握できました。

これによって制作に与えた影響は、全くなかったという。開始当初からの目的を達成したことになる。

これらのテクノロジーは、オンセットのクリエイティブチームにとって目につかない形で非常にうまく機能してくれました。