AJA Video Systems社はSKAARHOJ社と提携し、AJAのフレーム同期&変換製品FSシリーズが、SKAARHOJ Rack Control Duoで制御可能になったと発表した。同統合により、1台または複数台のFS製品と各チャンネル間で、RGB色補正やパラメーター調整を一斉に操作できるようになり、ライブプロダクション環境の効率化を実現するという。

放送のサービスプロバイダーであるNEP社と共同開発された新製品Rack Control Duoは、AJAのシリーズ製品FS-HDR、FS4、FS2、FS1に対応。ハードウェアのコントロールパネル1台で、複数台のFS製品の一斉操作、チャンネル処理、設定、状況に応じた調整もすべてまとめて実行可能。

Rack Control Duo

Rack Control Duoは直感的な操作を可能にするハードウェアのコントロールパネルで、ライブプロダクション、中継車、コンサート会場、スポーツイベント、企業向けのオーディオ・ビジュアル(AV) サービスなど、複数のビデオソースが必要とされる制作環境に最適だという。操作しやすいノブとボタンで、AJAのフレームシンクロナイザー複数台を簡単に同時制御できる。

Rack Control Duoは、複数台のFS製品から最大20チャンネルを入力可能で、デバイスをグループ化し一括操作が可能。オペレーターは複数台のFSユニットでRGB補正を同時に処理できるため、すべてのビデオソースの色を一致させて、希望する最終イメージに仕上げられる。さらにこのパネルを使用することで、以前の設定からプリセットを呼び出し、1台または複数台のFS製品への適用も行える。HDR/WCGのリアルタイム変換に対応するFS-HDR(ファームウェアv3.2以降)と組み合わせれば、Rack Control Duo経由でRGBの色補正、HDRとSDRの相互変換処理も可能。

NEP社 副社長兼チーフエンジニアのDan Turk氏は、10台のFS-HDRを使ったリアルタイムHDRカラーコレクションと変換を実現するためにRack Control Duoの開発に尽力した。そのソリューションは、今年のノース・アメリカンフットボール・チャンピオンシップゲームのハーフタイムショウで活用された。

Dan Turk氏:Rack Control Duoで複数台のFS-HDRを操作すれば、ライブの臨場感と素早く応答する操作性を得られます。即座に臨機応変なカメラソースのカラー調整が求められる場面でも、ボタンを押すだけで簡単かつ迅速に対応できます。マウスでスライダーを操作したり、キーボードで矢印キーをクリックしたりする方法もありましたが、ライブ放送中に信号を微調整する場面には、適していませんでした。

AJA Video Systems社 社長 Nick Rashby氏は次のようにコメントしている。

当社のフレームシンクロナイザー/コンバーター製品は、プロダクションでの実績を持ち、信頼性と優れた性能を提供します。AJA FS製品とSKAARHOJ社の合理化されたコントロールハードウェアの組み合わせにより、設定にかかる時間を短縮し、オペレーターはミスが許されないリアルタイムの制作環境でも、作業効率を上げられます。今回の統合により、複数台のFSデバイスおよびチャンネル間で、すべてのソースを正確に調整しカラーマッチできるようになりました。

SKAARHOJ社 創業者のKasper Skårhøj氏は次のようにコメントしている。

NEP社との共同開発と、AJA社との連携により、Rack Control Duoとフレームシンクロナイザー&コンバーターFSシリーズの完全統合を実現できました。骨の折れる状況が多いプロフェッショナルなライブ制作の現場であっても、さまざまなソース間で色を揃え変換できる、革命的なソリューションを生み出せました。AJAとの協業により、このソリューションを迅速かつ簡単に市場へ送り出せました。