ローランド株式会社は、大画面を使用するライブイベントや新製品発表会などのビジネスイベントで、高画質の4K映像とパソコンから出力する映像などさまざまなフォーマットの映像を組み合わせ、高精細な映像処理を行いながら同時にライブ配信へのスムーズな対応ができる4K対応の業務用小型ビデオ・スケーラー「VC-100UHD」を2020年秋に発売する。希望小売価格はオープン。

VC-100UHDは、解像度が異なる複数の映像信号を用途に合わせて変換・最適化し、出力するビデオ・スケーラー。コンパクトな筐体に、3系統の出力端子とローランド独自の高画質映像処理プロセス「ULTRA SCALER」を内蔵。4K/HDR映像とHD/SDR映像、パソコンの映像を混在させた映像演出が可能。

イベントの映像演出とライブ配信を同時に行う接続例

解像度の相互変換に加えて、色空間、ダイナミックレンジ、フレームレートを変換しながらシャープな映像出力を実現。パソコンを使用したプレゼンテーション映像もにじむことなく美しく出力でき、シャープさを際立たせることができるため、大規模な会議やライブイベントなどディテールを強調したい現場で便利だとしている。

さらに、VC-100UHDにはさまざまな映像処理機能が搭載されており、映像の回転、上下左右反転処理などが可能。ライブ配信やビデオ収録、放送などにおいても、用途に合わせた映像処理ができる。

USBストリーミング処理専用のプロセスを搭載

VC-100UHDの内蔵プロセスは、同時に最大3系統の映像処理が可能。4K対応のMain、HD対応Subの2系統の処理に加え、USBストリーミング処理専用のプロセスを採用。それぞれ独立した映像処理が行える。12G/3G/HD対応のSDI、最大4K対応のHDMIをすべての入出力端子に搭載。映像入力端子と出力フォーマットを選ぶだけで、自動的に内部処理を決定して映像を出力する。

4K/HDRの映像をHD/SDRに高品質にダウンコンバートし、パソコンでキャプチャしてライブ配信に使用することも可能。4Kの映像を非圧縮USB Video Class(UVC)として映像を出力することで、エンコーダーとなるパソコンの負荷を減らしつつ、高画質な配信を実現。オーディオもUSB Audio Class(UAC)出力に対応。音声ラインにはマスタリングエフェクトとディレイを搭載しており、エンコーダーPCで発生する映像の遅延に合わせて音声を遅らせ、リップシンク(映像と音声の同期)を保つことが可能。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/06/200616_VC-100UHD_rear.jpg

パネル背面
※画像をクリックすると拡大します

ラック・マウント・アングルを取り付けた状態

VC-100UHDは、eスポーツで使用されるパソコンやゲームマシンから出力された144Hzや120Hzのハイフレームレート映像を、さまざまな用途に使用可能な一般的な59.94Hzのリフレッシュレートに変換可能。eスポーツのトップアスリートが求めるモニタリング環境を、スルーアウトを使って実現しながら、イベントのオペレーターが求める高度なステージ演出を実現できるとしている。