Blackmagic Designの発表によると、最近行われたヒュンダイの「ステージX ドライブイン・コンサート」のライブプロダクション・スイッチングにATEM 2 M/E Production Studio 4Kが使用されたという。

3日間に渡って開催されたコンサートのオーディオビジュアルを担当したのは、韓国のGRAMPUS Inc.。同社はBlackmagic DesignのHyperDeck Studioを使用して、イベント収録を行なった。1,000人以上の観客が、ソーシャルディスタンスを保ちながら車の中でこのライブコンサートを満喫した。

GRAMPUSは、韓国に拠点を置くオーディオビジュアル企業。2013年に設立された同社は、アーティストによるコンサートのライブプロダクション、プロモーションビデオの制作、そしてその他のライブイベントにフォーカスを当てている。GRAMPUSは、2019年のステージX コンサートにも携わっていたが、2020年のコンサートにおいては、観客に車の中に留まってもらいながら、いかに通常のコンサートと同じような雰囲気を提供するかという課題に向き合うことになった。

同コンサートは、毎年ヒュンダイモータースタジオで3日間に渡って行われている。今年の初日には、キム・テウ、Ailee、セソニョン、Moon Band、スルタン・オブ・ザ・ディスコなどのKポップスターやインディーズミュージシャンたちがパフォーマンスを行った。残りの2日間は、韓国版キャストのブロードウェイミュージカル「42番街」、そしてクム・ナンセが指揮するニュー・ワールド・フィルハーモニー管弦楽団のパフォーマンスが繰り広げられた。同イベントが行われたのは、世界中でライブイベントのキャンセルが相次ぐ中でのことであった。

ソウル郊外のKINTEXコンベンション・センターの野外駐車場で2時間に渡り催された同コンサートでは、観客は複数の20mx8mのスクリーンやステージ上のパフォーマンスを見ながら、車のラジオに直接送信されるオーディオを聴いた。ステージや駐車場に設置された7台のカメラからのライブストリーム、そしてグラフィックやエフェクトのスイッチングには、ATEM 2 M/E Production Studio 4Kが使用された。GRAMPUSの部局長であるジン・ジョンウー氏は次のようにコメントしている。

ソーシャルディスタンスを守った“クリーン”なコンサートでも、これまでと同様の素晴らしい体験を届けることがコンセプトでした。観客は、特定のラジオ周波数を使用して音楽を聴き、クラクションやハザートランプでそれに応えました。そこで私たちはこのユニークな風景をショットに収めることに特に注意を払い、いくつかのタワーにカメラを設置して、ステージのショットと組み合わせました。

ATEM 2 M/E Production Studio 4Kスイッチャーを使用し、ショーの最中に異なるプログラムをLEDスクリーンに送信しました。私たちはこれまでにも、他のアーティストのコンサートでATEM 2 M/E Production Studio 4Kを使用したことがありました。ATEM 2 M/E Production Studio 4KはSuperSourceなどの機能を搭載しており、サイズも小型です。今回のコンサートのように、高品質のオーディオビジュアル設備に適さない、駐車場で行われたマルチカムイベントには最適でしたね。

ATEM 2 M/E Production Studio 4Kスイッチャーは、再同期機能に対応した20個の6G-SDI入力、DVE、SuperSource、マルチビュー、そしてキーヤーなどを搭載。さらに、HyperDeck Studioを収録用に使用した他、GRAMPUSはBlackmagic Design Smart Videohub 12×12をルーティングに使用し、Video Assist4Kを各カメラの個別収録用に使用した。

私たちは、これまで長年に渡り、Blackmagic Design製品を使って様々なスタイルのライブプロダクションを行なってきました。そのため、このような風変わりな会場でもコンサートを成功させる自信がありました。Blackmagic Design製品は制作価値が高く、非常に効率的です。コンパクトで可搬性に優れていることもあり、私たちのワークフローにはもってこいですね。