パナソニック株式会社は、小型・軽量ボディながら4K60p動画記録を実現したフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-S5」(以下:S5)を2020年9月25日に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は以下の通り。

LUMIX S5の360°画像※「回転」「拡大」「縮小」が可能で本体細部確認できます

S5は、「デュアルネイティブISOテクノロジー」を搭載した、2420万画素(有効画素数)のローパスフィルターレス35mmフルサイズCMOSセンサーを採用。低照度環境における高感度撮影において高いパフォーマンスを発揮する「デュアルネイティブISOテクノロジー」は、1画素ごとに専用回路を2系統備え、「低ISO感度回路」と「低ノイズ・高ISO感度回路」の2系統を設定感度に応じて自動で切り換えることで、ノイズを抑えた、より自然で美しい描写を可能にするとしている。

また、フルサイズセンサーの性能を最大限に引き出すヴィーナスエンジンは、マルチピクセル輝度生成とインテリジェントディテール処理により、交換レンズの持つ解像性能を余すことなく再現するだけでなく、センサーからの信号処理フローを最適化させることで、広いダイナミックレンジを実現。明度別の制御が可能な新3次元色コントロールにより、被写体の豊かな色調を再現しながら優れた階調表現を可能にするという。マルチプロセスNRにより、解像感・質感を維持しながらノイズを抑え、色補正精度も高く、被写体の微妙なグラデーションのニュアンスまで忠実に再現する。

3.0型184万ドットのフリーアングルモニター

重量は約1064g(付属レンズS-R2060装着時。本体、バッテリーパック、SDメモリーカード1枚含む)の小型・軽量コンパクトボディ。ファインダーは視認性が高く高輝度なファインダー倍率約0.74倍を備えた約236万ドットの高精細OLED(有機EL)を搭載。モニターには、3.0型で高輝度・高色域の約184万ドット静電容量方式タッチパネル液晶を搭載しており、スムーズなタッチ操作とフリーアングル仕様でハイアングルからローアングルまで、さまざまなアングルでの撮影をサポートする。

ディープラーニングを応用した「リアルタイム認識AF」アルゴリズムに、人体の「頭部認識」を新たに加えることで、人物に対するAF追従性能を強化。動く被写体や、人物の顔が隠れてしまうようなシーンでも、頭部と人体の位置やサイズ、画角により撮影意図をカメラが自動で判別し、背景抜けを抑えながらフォーカスし続ける。人の顔と瞳を検知し、自動でピントを合わせる「顔・瞳認識AF」も「頭部認識」により、遠くの小さな顔も認識し続けることが可能となった。強化された「人体認識」と「顔・瞳認識AF」の組み合わせで、人物へのより高精度なAF追従を実現。また動物認識も搭載しているので、動物に対しても高いフォーカス性能を発揮する。

ボディ内手ブレ補正機構を採用(5軸5.0段、Dual I.S.2 5軸 6.5段)

複雑な手ブレをより正確に検出できる高精度なジャイロセンサーと制御アルゴリズムによって、5軸方向の補正に対応するセンサーシフト方式のボディ内手ブレ補正(B.I.S.)は5段の補正効果を実現し、手ブレ補正機能のないレンズを使用しても、夜景など長秒撮影で発生しやすい手ブレを軽減する。また、レンズ内手ブレ補正を搭載したSシリーズレンズを使用することで、2軸のレンズ内手ブレ補正(O.I.S.)と5軸のボディ内手ブレ補正(B.I.S.)を連動させる「Dual I.S. 2」により、最大6.5段の手ブレ補正効果を発揮する。

UHS II/V90対応のダブルSDカードスロットを採用

SDカードスロットを2基搭載しており、容量がいっぱいになった際に1枚目から2枚目のSDメモリーカードへスイッチする「リレー記録」、2つのSDメモリーカードで同時に記録する「バックアップ記録」、撮影するデータを任意で振り分けることができる「振り分け記録」が設定でき、撮影に最適な記録方式を選ぶことができる。スロット1にはUHS-IIとUHS-I、スロット2にはUHS-IのSDメモリーカードが対応する。またUSB接続ケーブルを使用して外部電源から電力供給しながら撮影できる「USB給電」や、移動中もモバイルバッテリーなどから充電できる「USB充電」にも対応している。

厳しい環境下の撮影での使用にも応えるため、軽量で耐久性のあるマグネシウム合金フレームを採用し、高い堅牢性を確保。また、高い精度のシーリング構造による防塵・防滴設計となっている。

ハイフレームレートの4K60p(4:2:0、10bit)記録から、4K30p(4:2:2、10bit)内部記録までの動画記録モードを搭載。HDMIケーブルで外部レコーダーやモニターと接続した場合には、4K60p(4:2:2、10bit)のHDMI出力が可能。撮影範囲においてもフルサイズならではの美しいボケ味を楽しめる「FULL」や、APS-Cサイズ用交換レンズに対応する「APS-C」の画角も選択できる。また4:3アスペクトのアナモフィックレンズに対応した、アナモフィック動画記録も搭載している。

※ファームウェアアップデート(2020年内予定)により、下記機能に対応予定
・ATOMOS社製「Ninja V」へのHDMI経由での動画RAWデータ出力 5.9K(5888×3312)29.97p/4K(4128×2176)59.94p,アナモフィック3.5K(3536×2656)50p
・C4K動画記録

4K30p/24p(4:2:0、8bit)記録、FHD記録においては時間制限なしの動画記録が可能。また、4K60p/30p(10bit)でも30分間しっかり撮影でき、最適な放熱処理によりいったん記録を停止した後でもすぐに撮影再開することが可能だという。

モードダイヤルからすばやくアクセスできるスロー&クイックモード(S&Q)を搭載。AF追従しながら、4K24pで約2.5倍スロー(60fps)から4K30pで約30倍クイック(1fps)の動画記録を選択可能。FHD 24pにおいては、AF追従しながら、約5倍スロー(120fps)の動画記録が可能なことに加えて、MFであれば最大で約7.5倍スロー(180fps)の表現が可能。

同社のミラーレス一眼カメラ「S1H」と同等のダイナミックレンジと広色域の14+ストップV-Log/V-Gamutに対応。さらにV-Log撮影時に、LUT適用後の映像をファインダーやモニターに表示する「V-Logビューアシスト」にも対応しており、仕上がり時のルックを確認することができる。またV-Logに対応したデジタル一眼カメラLUMIX S1(別売アップグレードソフトウェアキー「DMW-SFU2」を購入し、アクティベートした場合)/S1Hをはじめ、V-Log Lに対応したデジタル一眼カメラLUMIX Gシリーズなどで記録した動画と組み合わせて、ポストプロダクションにおいても一貫した絵作りでの映像編集が可能だとしている。

2420万画素(有効画素数)フルサイズCMOSセンサーの常用ISO感度は最大51200と余裕があり、さらにデュアルネイティブISOテクノロジーにより、高ISO感度設定時もノイズを抑えた解像感のある画質を得られるため、低照度の撮影でも美しい高感度静止画撮影を実現するという。高感度耐性に優れており、露出設定の自由度が拡がり、シーンや表現意図に合った撮影が可能。

ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)の機構を活かし、センサーをシフトさせながら8回連続で自動撮影を行い、カメラ内で自動合成処理するハイレゾモードを搭載。通常撮影(2420万画素)時に比べて4倍の画素数にあたる画像サイズで、最大約9600万画素相当の高解像写真を生成する。また、動きのある領域に対しては、従来の静止画の自動合成処理を行う「MODE1」と、被写体ブレの残像を抑制して合成する「MODE2」が選択でき、通常撮影に近い自然な写真表現を実現する。撮影時にJPEGでの記録もできるため、PCのRAW現像不要で超高解像な写真撮影が可能だ。

設定した露光時間ごとに画像を撮影し、明るく変化した部分のみを合成して1枚の写真として記録する「ライブビューコンポジット」を搭載。通常のバルブ撮影では露出オーバーとなってしまうような撮影シーンでも、全体の露出を適正に保ち、星の日周運動や花火などの切れ目のない美しい光跡をモニターで仕上がり具合を確認しながら撮影可能。

表現意図に合わせて、色味やコントラスト、彩度などの画質調整ができるフォトスタイルは、9つのカラーと3つのモノクロームのモードを搭載。ファームウェアアップデート(2020年内予定)により、「L.モノクロームS」や「L.クラシックネオ」の新たなフォトスタイルを追加予定だ。

シャッタースピード1/8000秒の新開発の小型フォーカルプレーン式シャッターユニットを搭載し、明るい日中におけるボケを活かした撮影や、決定的な一瞬を捉えた撮影などが可能。

別売アクセサリーのバッテリーグリップ「DMW-BGS5」

また、別売アクセサリーオプションも同日発売となる。ラインナップと市場想定価格は以下の通り。

  • バッテリーグリップ「DMW-BGS5」:税別35,000円前後
  • バッテリーパック「DMW-BLK22」:税別8,500円前後
  • バッテリーチャージャー「DMW-BTC15」(PD対応):税別13,000円前後
  • DCカプラー:「DMW-DCC17」:税別4,000円前後

トライポッドグリップ「DMW-SHGR1」(市場想定価格:税別9,800円前後)にも対応