パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、放送局向けにロケーションフリーなコンテンツ制作を実現する番組制作システムの開発を発表した。受注開始は2021年4月予定。希望小売価格は未定。

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同社発表によると、現在、放送局の番組制作は、複数の編集者が役割分担し、オフィスの編集室などに設置された編集システムで作業が行われており、自宅やサテライトオフィス・カフェなどリモートでの編集作業を可能にするためには、システムのクラウド化などが考えられるが、様々な課題やセキュリティリスクが想定されているという。

たとえば、撮影素材を可能な限り社内環境で管理したいという意見や、放送時間までに作業を完了するスピード感の実現、局内にある撮影素材の速やかな編集業務の開始・終了、放送局独自の素材管理システムや報道支援システムなどとのスムーズな連携の実現、という業界ならではの課題をかかえている。

同社は、番組制作ワークフローのコアとなるファイルベースシステムと連携する、ロケーションフリーな番組制作システムを開発。セキュアなアクセスで既存の編集システムとの連携を可能にすることで、現在のワークフローと同等のスピード感での作業を実現したとしている。

なお、同社は実証実験を東海テレビ放送株式会社と実施し、効果を実際に体感したという。クラウドを利用したニュース映像制作の編集テストと比較し、素材の検索とアップロードに関わる作業時間が最大80%減少したほか、編集後の作業についてもオンエアに関わる取込み作業など、局内システムと変わらないワークフローで実現できることを確認したという。

東海テレビ放送株式会社は次のようにコメントしている。

昨今の新型感染症拡大の状況において、報道現場、報道編集でも感染防止対策の一環としてリモートワーク(リモート編集)ができないか、クラウドやオンプレミスなど様々なシステムで検証しました。

パナソニックのロケーションフリーな番組制作システムは当社の報道支援システムと連携を図ることができ、リモート環境でも局内と同じ操作で実編集機と連動した共同編集ができること、また、新たにクラウドで設計するよりも、現用システムを直接操作できるので特別なトレーニングが不要なことも体感でき優位性が高いと感じました。今後も放送局に寄り添った、よりセキュアで利便性を向上させるソリューションを期待しています。

記者用パソコンを使用してリモート編集

リモート先からオンエア書出しまでを実現