txt:新田みのる 構成:編集部

■XHコンバーター 0,8
発売日:2021年3月27日
価格:税込122,100円
問い合わせ先:ハッセルブラッドジャパン

XシステムでHシステムのレンズを慣れ親しんだ焦点距離の感覚で使用可できる

ハッセルブラッドから、新たにリリースされた「XHコンバーター 0,8」を一足先にテストさせてもらった。

ハッセルブラッドXシリーズと同時に発売された「XHレンズアダプター」は、物理的にハッセルブラッドHシステム用のHC/HCDレンズをXシリーズのマウントに取り付けるためのものであった。XHコンバーター0,8は、レンズの焦点距離を×0.8に短縮してHシステムレンズをX1Dで使用できるようにしたアダプターだ。

結果から言うと、レンズで補正される光学的なアダプティングは想像以上に利用価値のあるもので、使い慣れたHシステムの感覚でXボディでHシステムレンズを使うことができた。

そもそもハッセルブラッドHシステム用のレンズは大柄なものが多く、それらの重量もそれなりに重たいものが多い。Xのボディにそのような大柄レンズをつけるとどうしてもカメラを構えたときの重量バランスが気になり、三脚につけるときも少し気を使うのも事実である。本来であればXCD 4/45Pあたりが理想のバランスではあると思うが、Hシステムのレンズ資産をそのまま使えるというベネフィットは相当に大きいのも事実である。

アダプター内に光学素子を搭載

一見、既存のレンズアダプターにそっくりであるが、微妙に高さが低くなっている。さらに3群5枚ものレンズが詰まっているので、小柄な大きさからは想像できない重量に一瞬とまどう。

左は従来のXHコンバーター 0,8。右は新製品のXHレンズアダプター

当然ながらレンズがむき出しで、ボディとギリギリのところにそのレンズがあるので、取り扱いには注意が必要だ。こまめにキャップなどをつけないといつなんどき傷をつけてしまわないかと、少し不安になった。さらに当たり前だがホコリはすぐにつく。

コンバーターではあるが、重量は430g

作りこみの質感は全くもって良好であった。塊感というか、間違いのない結果が得られるのが握った時点で伝わってくるような感覚だ。これはハッセルブラッドのどのプロダクト、どれもが共通に持っているエネルギーである。

HシステムとXシステムで撮影結果を比較

今回はHC 2,2/100mmを使って、H6D、X1D II+XHレンズコンバーター、X1D II+XHコンバーター0,8と比較していきたいと思う。

■H6D-100c+HC 2,2/100の例

まずはHシステムのH6D-100c+HC 2,2/100でF3.5 1/400 ISO64での撮影

機器の機種:Hasselblad H6D、焦点距離:100mm、F値:f/3.5、露出時間:1/400
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この写真は一切編集を加えていない。実際の解像度は11600×8700もある。ファイルサイズは実に200メガバイトである。これはHシステムを使い始めたときから気づいたことであるが、意外にフリンジが目立つ。しかしレタッチなしで納品することのない商用の写真を目的とした場合、この1億画素という解像度は非常にありがたい。

■X1D II+XHレンズコーバーター+HC 2,2/100mmの例

X1D II+XHレンズコーバーター+HC 2,2/100mmでの撮影を行った。一目で気づくのが当然ながら画角の差である。センサーサイズも小さく、光学的な修正のないXHレンズコンバーターではこのように画角の外側がクロップされる。

機器の機種:Hasselblad X1D II 50C、焦点距離:100mm、F値:f/3.4、露出時間:1/500
※画像をクリックすると拡大します

F4.0 1/500 ISO 100

フリンジでは面白い結果になった。なんとF4に絞った場合は、Hasselblad H6Dよりもフリンジが少ないのである。

機器の機種:Hasselblad X1D II 50C、焦点距離:100mm、F値:f/3.4、露出時間:1/500
機器の機種:Hasselblad X1D II 50C、焦点距離:100mm、F値:f/4、露出時間:1/500

正直全体的にはこちらのほうがまとまりの良い写真に思える。

■X1D II+XHレンズコーバーター+HC 2,2/100mmの例

そしていよいよ、今回テストするXHコンバーター0,8である。X1D II+XHレンズコーバーター+HC 2,2/100mmで撮影した。

光量が劇的に変化している。露出のインジケーターでは、既存のXHレンズコンバーターが+0.5であったが、XHコンバーター0,8では+0.33の表示となった。画角はほぼHシステム時のものになっている。ちなみに撮影中は三脚を一切動かしておらず、カメラやレンズだけを切り替えて撮影をしている。

機器の機種:Hasselblad X1D II 50C、焦点距離:80mm、F値:f/4、露出時間:1/750
※画像をクリックすると拡大します

F4.0 1/500 ISO 100

左の立木、右の白い車の位置を比べると、むしろ若干広いくらいである。他の写真と露出の調子を合わせるためにはシャッタースピードを1/1000まで上げる必要があった。

機器の機種:Hasselblad X1D II 50C、焦点距離:80mm、F値:f/4、露出時間:1/750
※画像をクリックすると拡大します

フリンジは、他よりも目立つかもしれない。Adobe Camera Rawのレンズ補正ではすべて同様にHC2,2/100と認識されるので、補正内容も同様になるようだ。

オレンジマーク付きのHC/HCDレンズでAFに対応

今回のテスト撮影で気がついたのは、バッテリーパワーを求めてくるところだ。バッテリーぎりぎりだとXHコンバーター0,8ではシャッターが正常に動かなくなる現象が確認された。既存のXHレンズアダプターで問題なく撮影できたので、明らかにXHコンバーター0,8だけがバッテリーパワー求めてくるようだ。とはいっても本当にバッテリー残量がギリギリだったので、実用範囲ではまったく問題になるようなことではないと思う。

まとめると、Hシステムのレンズ資産をそのまま使えるというのは本当に意味のあることだと思う。実は筆者も最近はロケ撮影でXシステムを使う機会が増えていてやはりボディの小ささと取り回しの良さがじわじわと体に染みついてきているのだと思う。電子ファインダーをのぞく機会も減って、もっぱら背面のスクリーンパネルの操作が普通になってきている。Hシステムに戻る主な理由はレンズの選択肢であることを考えると、このコンバーターひとつで問題解決、メインカメラはXで十分ということになるかもしれない。ますますXシステムを使うことが多くなりそうだ。

注意事項としては、AFを使うにはHC/HCDレンズにオレンジマークがついている2世代目のものが必要になる。それ以前のものは、マニュアルフォーカスになってしまうとのことだ。

(以下、XHコンバーター0,8商品ページより引用)

XHコンバーター 0,8を使用し、オートフォーカスを作動させるためは、ファームウェア18.0.0以降のHシステムレンズは、最新の19.1.0ファームウェアにアップデートする必要があります(HC 120、HC 120 IIは、マニュアルフォーカスのみとなります)。ファームウェア18.0.0以前のHシステムレンズは、マニュアルフォーカスモードのみとなります。ファームウェア18.0.0以降のHシステムレンズのみ、最新のファームウェア19.1.0にアップデートできます。以前のファームウェアのレンズは、異なるハードウェアを使用しているため最新版に更新できません。ご注意ください。さらに、X1D-50cはファームウェア1.25.0以降にアップデートする必要があり、X1D II 50C、907X 50C、および907Xスペシャルエディションはすべてファームウェア1.4.0以降にアップデートが必要です。

新田みのる
株式会社ジェットセット代表。グラフィックデザイン・フォトグラフィー・モーショングラフィックを主な業務として広告、テレビ番組、Webサイトなどの創作を30年ほど続けている。
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PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。