2021年10月26日正午、ソニーは新型プロ向けスマートフォン「Xperia PRO-I」を発表した。今回はソニーのご厚意と特別許可で、一足早くこの「Xperia PRO-I」を数日間試用する機会を得たのでそのレポートを行いたい。

なお、今回使用した「Xperia PRO-I」はまだ開発途上のプロトタイプであり、読者諸賢のお手元に届くであろう販売実機ではさらにクオリティの高いものに仕上がっている点に留意していただけると幸いだ。

「Xperia PRO-I」はソニーの新しいプロフェッショナル向けスマートフォンラインだ

カメラ特化型プロフェッショナル用モンスタースマホ「Xperia PRO-I」

「Xperia PRO-I」は「THE Camera」をテーマとし、同社製RX100 VII同等の1インチセンサーとカメラアプリを搭載しているプロフェッショナル用モンスタースマホだ。アプリには新開発の専用機ライクな操作感のカメラアプリ「Videography PRO」、「Photography PRO」を搭載し、専用シャッターボタンも機構にスチルカメラのものを流用。カメラ専用機そのものの操作感を実現することが出来ている。

本体側面のボタン配置は秀逸だ。半押し対応のシャッター専用ボタンは「Photography PRO」の呼び出しも兼ねる。その横の丸い機能呼び出しボタンは通常未設定時には「Videography PRO」の呼び出しボタンと機能する

6.5" 21:9 4K 120Hz HDR有機ELディスプレイ搭載、チップセットQualcomm® Snapdragon™ 888 5G Mobile Platform。通信5G Sub 6。RAM/ROM 12GB RAM / 512GB ROMの、常に持ち歩ける1インチ切り出しセンサーの動画・スチル兼用機、という立ち位置のスマートフォンが「Xperia PRO-I」だ。もちろん、ディスプレイは先に発売されている「Xperia PRO」同様に一台一台キャリブレーションされているプロ仕様となっている。

「Xperia PRO」を所有しているユーザーならば「業務機レベル機材を常に持ち歩ける」事の便利さは身に染みていると思う。こうしたプロ用途を今度はカメラ機能から追求したのが「Xperia PRO-I」だ。なお、機能の切り分けで、今回の「Xperia PRO-I」では無印版「Xperia PRO」のメイン機能であるHDMI出力と5Gミリ波全周アンテナは非搭載となる。

あくまでもカメラ機能に特化したのがこの新型「Xperia PRO-I」であり、当然に「Xperia PRO」もそのままさらに上位のプロ専用機として併売となる。ソニーの説明によると、「Xperia PRO」とは別の製品ラインという事になるようだ。今後はハイエンドの「Xperia PRO」のラインとカメラ特化の「Xperia PRO-I」の2つのラインがXperiaのプロフェッショナル向けスマートフォンとしてラインナップされてゆくことになる。

ソニーのスマートフォンラインの開発マップ。「Xperia PRO-I」は既発売の「Xperia PRO」の一つ下に位置している

メインの1インチセンサーには24mmのF2.0/F4.0 OIS ZEISS Tessarレンズが装着されており、なんと、この絞り値は物理絞りで変更することが出来る。これによって、綺麗なぼけ味のコントロールが可能になった。従来型の光学センサー型カメラも背面に2つ、モニタ面に1つ搭載しており、それぞれ、16mmの1/2.5インチセンサー、50mmの1/2.9インチセンサーが搭載されていて、スチル撮影でのアップや望遠にも対応している。

画素数はそれぞれ12Mピクセルと少々物足りない気がするが、これは業務使用を考えた場合のピクセルあたり光量の必要性を考えた結果であり、特に我々動画メインのユーザーにとっては歓迎すべき事だ。事実、当機の1インチセンサーはピクセルピッチ2.4μmを誇る。搭載センサー自体は像面位相差AF対応の最新1型Exmor RS CMOSセンサーを搭載しており、総画素数約2100万画素の内、中央部分1220万画素を有効画素として切り出して使っている形だが、動画用途としては必要十分な性能を持っていると言っていいだろう。

反面、A4以上の業務大判印刷物向けのスチル撮影には画素数は当然に不足するので、そこは使い分けが必要だろう(家庭向けならA3くらいまで行ける気はするが)。とはいえ、動画とWeb向けスチル、あるいは印刷物でもはがき大超え程度であればどんな場面でも十分な、よく考えられた画素数だと言える。

背面の3つのレンズの内、中央の24mmレンズの大きさが目立つが、センサーを切り出して使うことでサイズを極限まで抑えてあるのでポケットの中で邪魔になったりはしない工夫がされている

「Videography Pro」アプリは、従来のCinema Proと異なり、カット制作では無く一本取りきりのビデオ撮影対応を目指したプロ向けソフトだという。最大4K120fps(119.88fps)までの動画撮影が可能で、4K30fpsまでならmicroSD(UHS-Iまで)にも収録可能。今までのCinema ProではmicroSDへの動画の直接記録が出来なかったのでこれは大きな進歩だ。残念ながら「Xperia PRO-I」ではこのアプリでの動画撮影中のレンズ切り替えは出来ないし光学ズームも出来ない。

また、F値の切り替え時には回転絞りのセンサー上通過が起きるため撮影中のF値の切り替えもできない。その為、ビデオ撮影のメイン機としては使えないが、それを理由にして使わないでおくにはあまりに素晴らしい映像の得られるアプリである。サブカメラやVlog用などで画角固定であるのならば十分な動画性能を発揮するだろう。さらに、このアプリ内ではαシリーズでおなじみの顔認識/瞳AFにも対応している。非常に使い勝手のいいアプリだと言えるだろう。

「Videography Pro」はなんと120fps(119.88fps)まで対応している!

Vlogといえば、実にソニーらしいオプションが用意されているのもこの「Xperia PRO-I」の特徴。専用のシューティンググリップ用モニタアクセサリ「Vlog Monitor」は、既存のシューティンググリップに装着することで、自撮りを1インチセンサー切り出しのメインカメラで実現する。

これに合わせてαシリーズ用のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」も対応させる徹底ぶりで、ネタ的な存在では無くソニーが本機で作ったアクセサリだということがわかる。残念ながら「Vlog Monitor」はタッチ操作は非対応で操作は本体かシューティンググリップから行う必要があるが、「Xperia PRO-I」はショートカットキーボタンに操作を割り当てられるので、実撮影で困ることはないだろう。

「Photography PRO」は同社製αシリーズのインタフェイスを参考に作られており、物理絞り操作など様々な操作をすることが出来る。センサーサイズを考えると当機はαシリーズのインタフェイスのRX100 VIIというかなり贅沢な使用のコンデジを内蔵していることになる。

小さいことだが、ストラップホールが本体に付いたのも大きい。また、専用のレザーカバーがはじめから用意されているのもありがたい。「Xperia PRO」は少数生産のため市販にもカバーがないため、ストラップやアクセサリを付ける際にはブチルテープなどで貼り付けるほか無かった。それがこのストラップホールや専用カバーではじめから解決されているのはうれしい。出来れば次回機種ではリグ固定用のネジ穴も欲しいところだが贅沢は言うまい。

シャッターボタンと反対側の側面にはストラップホールを装備。これだけで大分落下危険性が減る

「Xperia PRO-I」の発売は12月15日。価格は大体198,000円前後と見込まれており、「Xperia PRO」が約25万円前後のスーパーハイエンド価格だった事を考えるとぐっとお手頃になったとも言える。

まずは実機でしょ実機!

さて、当然のことながらカタログスペックではカメラの善し悪しはわからない。能書きはここまでにして、まずは実機。実際に「Xperia PRO-I」を使い倒して「カメラのソニー」が果たしてスマホでも健在なのかどうかを確かめてみる必要がある。ざっくりと本業の傍ら1日+夜間の超短期間で撮りきったカットをまとめたムービーがこちらなので、まず見て欲しい。

撮影には本機の売りである24mm OIS ZEISS Tessarレンズを用い、主にF2で撮影を行った。画素数はすべて4K(3860×2840)。収録は基本的に29.97fpsだが、スロー撮影の際には120fps(119.88fps)を用いた。最終ムービーが29.97fpsになる都合上、今回は24fps撮影は行っていない。適切なNDフィルターが見つからなかったためシャッター速度はオートとしてあるので明るいシーンでは若干パラ付きがある。また、夜間撮影と横パン以外には三脚を使っていない。

「Xperia PRO-I」で撮影した映像。本業の片手間に撮影したライティング無し、ほとんど三脚も使ってないオート機能多用カットを集めただけなのにこの説得力!

では、この映像の冒頭部分から「Xperia PRO-I」の映像性能を読み解いてみよう。

最初のカットは車のボンネットの上に手で押さえただけの「Xperia PRO-I」の山道の映像。強烈な振動があるのに、物理とデジタル両方の手ぶれ防止機能が見事に振動を吸収しているのがわかる。また、フロントグラスの反射も上手に回避していて時折しか写らない。これは、24mm OIS ZEISS Tessarレンズのレンズコーティングが優れているからだろう。紅葉の美しさや遠景までの描写の細かさ、偽色やモアレが見られない点も着目すべきだろう。

24mm 29.97fps F4.0。車の中からの撮影。ブレがないだけでなくフロントガラスの反射が少ない点にも注目

続いて120fps撮影によるスローモーション2カット。共に119.88fpsで撮影後、1/4速にスローダウンして使用している。最初のトンボのシーンでは手持ちであるにもかかわらず、はばたく羽の一枚一枚までしっかり見えるスローにも耐える安定した120fps映像が撮れていることがわかる。

また、高速撮影時にありがちなパラ付きや色味の不足も目立たない。次の石清水のシーンでは、岩から湧き出た水滴が丁寧に描き出されている。水面のモアレや偽色もなく、大変に素直な映像だ。これも全く三脚を使わずにポケットからスマホを出したままに撮れてしまっている点に驚く他無い。ほんの数年前までこうした4Kスローモーションを撮ろうと思ったら、大がかりな数百万円の装置と数名のスタッフが必要なものであったのだが。

24mm 119.88fps F2.0。トンボの羽の動きがしっかり捕らえられている
24mm 119.88fps F2.0。岩から湧き出た水の一粒一粒が鮮明に描き出されている点に注目。しかもこれ三脚不使用の手持ちです

次に、業界注目のセルフィー機能。「Xperia PRO-I」に専用の「Vlog Monitor」を取り付け、既発売の「GP-VPT2BT」に乗せて撮影したカット。モデルさんに、上記一式をはい、と渡してボタンを押して貰うだけで、実にスムーズに4K撮影が出来てしまっている。しかも1インチ切り出しセンサーの威力を生かしたかなり贅沢な奥のボケも見られる。「Vlog Monitor」への表示はほぼリアルタイムであり、やはり、出力映像を見ながら撮影できるのは極めて直感性が高い。

惜しむらくは「Vlog Monitor」にタッチ機能が無く、操作は「Xperia PRO-I」本体か「GP-VPT2BT」のボタンを押すしか無いところだろうか。細かいフォーカスの移動などは実現不可能だが、ワンマン撮影のVlog目当てと考えると贅沢な悩みかも知れない。

24mm 29.97fps F2.0。「Vlog Monitor」「GP-VPT2BT」使用。簡単に高品位セルフィーが撮れる

続いて、今「Xperia PRO-I」の目玉機能。「Videography PRO」アプリによる「瞳AF」の動画対応。そのスクリーンムービーがこれだ。ただしこれはかなり無理を言ってソニーさんに特別に撮らせてもらった映像で、まだまだ開発中のものだ。なので映像は参考程度とお考え頂きたい。とはいえ、現状でもαシリーズ譲りの高品位な瞳AFが期待できる。これはスマホをサブで持ち出すようなワンマン撮影の事態には非常に心強い。24mmの広角とはいえ、スポーツショットにも期待できる。また、これと先に書いたセルフィーオプションを組み合わせも相当に強力だろう。

「Xperia PRO-I」による「Videography PRO」の「瞳AF」スクリーンムービー。開発中のものをかなり無理を言って特別に掲載許可を貰った

ここまで撮影を進めてきて、この「Xperia PRO-I」ではOIS(光学式手ぶれ補正)とDIS(デジタル式手ぶれ補正)の性能の圧倒的な高さが、予想外に高品位なカット制作を支えていることに気がついた。そこで昼食時に試しに撮影してみたのがこの食事のカットだ。

手持ちでゆっくり左から右にカメラを動かすだけで、なんと、軽クレーンで撮ったかのような食卓映像が撮れてしまった。しかもちゃんと奥もボケてる。なんだこれ。凄すぎませんか?ここまで手ぶれをしないと軽度なアクションカメラとしても使えそう。日常使いでもかなり便利かも。

24mm 29.97fps F2.0。OISとDISの予想外の信頼性の高さに挑戦してみた手持ち食卓ショット。予想外にまともに使える映像が撮れてしまった

続いてどこまでフォーカスコントロールが効くかというテストショット。コロナ禍以降おなじみの紙カップの珈琲を屋外に置き、フォーカスをしてみた。適切なNDが無いためシャッター速度は申し訳ないが自動で最速。結果、驚くほどのボケとフォーカスコントロールの正確性が得られた。しかもやたらと綺麗なボケ。これ、業務カメラじゃなくてもいいんじゃなかろうか。24mmのカットに限定してだけど。

24mm 29.97fps F2.0。フォーカスコントロールテスト。近くにフォーカスすると奥がボケる
24mm 29.97fps F2.0。遠くにフォーカスするとちゃんと手前がかすれたようにぼける。よくあるデジタル処理のニセモノのボケではない事がわかる

どの程度のコマの正確性があるのだろうと思い、119.88fpsで高速撮影して、それをその速度のまま29.98fpsにDaVinci Resolveで変換してみた。当たり前だが極めてなめらかな映像が得られた。前後フレーム合成による各コマのモーションブラー効果を気にしなければ119.88fps撮影も案外多用できるのかも知れない。ファイルサイズは50秒で822MBと、29.97fpsの同時間撮影時の205MBのかっきり4倍になった。高速撮影にしては軽量なファイルサイズだと言えるだろう。

24mm 29.97fps F2.0。119.88fpsで撮影して29.97fpsに同カット時間のままコンバートしてみた。各コマは軽くモーションブラーが出てなめらかになるが、ファイルサイズ以外は大きな違和感はない

続いてもう一つの本命機能、ナイトショットだ。「Xperia PRO-I」の1型Exmor RS CMOSセンサーは巨大なピクセルピッチ2.4μmを誇るが、その光量自慢のセンサーがフルに活かされ、非常に美しいナイトショットに仕上がった。真っ暗闇なのに雲まではっきりと写り、明らかに人の目を越えた映像となっている。

ここでは、2021年2月に発売された姉貴分の「Xperia PRO」を比較にしてみたが、さすがのハイエンドスマホもピクセルピッチの差には勝てず、「Xperia PRO-I」に比べると圧倒的に普通の映像しか得られなかった。また、両者を比較して気がついたが「Xperia PRO-I」は撮影画像がかなり正確にリアルタイムにモニタ表示されているのも特徴と言える。

既発売の方の「Xperia PRO」では0.3秒ほど遅れがあるため、実風景を見ながら撮影しなければならないところ、「Xperia PRO-I」ではほぼリアルタイムにモニター表示されるため、モニターだけを見ながら撮影しても全く問題が無かった。わずか10ヶ月の差で、非常に大きな処理能力の差があることがわかる。

ナイトショットで横パンというメーカーさんにとっては残虐非道なテストをしてみたが、これもリアルタイムにモニターに表示されるため、暗闇の中光ってないターゲットが肉眼ではほとんど見えないにもかかわらず、全く問題無く撮影できた。CMOSセンサー特有の増感ノイズもさほど気になるレベルではない。

24mm 29.97fps F2.0。「Xperia PRO-I」では、わずかな街明かりの真っ暗闇のショットでも、雲間の青空までが認識できる
24mm 29.97fps F2.0。既発売の「Xperia PRO」も健闘しているが、雲の形状がかろうじてわかるかどうかだ。でもまあこれが普通
24mm 29.97fps F2.0。ナイトショットで横パン。肉眼では建物の明かりしか視認出来ていないのに、実に綺麗に風景が撮れている。ノイズもそこまで邪魔ではない

最後に蓼科のカラマツ紅葉を大きくパンで撮ってみた。見事に紅葉やその隙間のまだ緑の木々を映し出しているだけでなく、最新の1型Exmor RS CMOSセンサーの力で、まったくローリングシャッター現象が気にならない。これはとんでもないカメラだと言えるだろう。スマートフォンであるという枠を外してみても、少なくとも24mm固定のコンデジとしては最高峰の一つと言える。

24mm 29.97fps F2.0。CMOSカメラには過酷な初期紅葉の横パンでも全く破綻がない。緑も濁らずに写っている。またローリングシャッター現象もほぼ見られない

さて、ここまで「Xperia PRO-I」で撮った映像を見てきて、これがかなり優れた「カメラ」だという事がわかるだろう。今回はこれでもまだまだプロトタイプのため限定的な機能しか使っていないのだから実機は大いに期待できる。今まではスマホのおまけ機能に過ぎなかったカメラが、かなり実用的になってリニューアルされたのがこの「Xperia PRO-I」と言える。

もちろん、業務用メインカメラに匹敵する性能は得られないが、コンデジ代わりとしてはあまりにも十分すぎる性能だ。少なくともこの「Xperia PRO-I」を持っていれば、もう、コンデジを予備機としてバックに入れておく必要性は大幅に減るだろう。「Xperia PRO-I」はスマートフォンでも「カメラのソニー」は健在である、という一言でまとめられる素晴らしい機材だと言える。

CineGearで見かけた例のアレがついに市販化!!(ついでに「Xperia 1 III」のSIMフリー版も)

さて、今回は「Xperia PRO-I」だけでなく、他にも気になる新製品が発表されたのでそれをご紹介したい。まずは「Xperia View」。これはそう、CineGearで以前テスト運用された、あのXperia専用VRゴーグルの市販版だ!

「Xperia View」ついに発売。とはいえ、「Xperia1 III」もしくは「Xperia1 II」の公式コンテンツ視聴専用
「Xperia View」は白い軽量なプラスチック製
「Xperia View」には独自開発のレンズが挿入されており、これで立体視を可能にしている。「Xperia1 III」もしくは「Xperia1 II」を入れて、専用の「Xperia View」アプリを立ち上げて専用コンテンツを見る形式で使用する

「Xperia View」は、「Xperia1 III」もしくは「Xperia1 II」を入れて使うVRゴーグルで、お値段は約3万円。試作品の貸与機でも、専用のアプリを使って片目約2K相当(4Kディスプレイで表示)の立体視180°映像、もしくは8K HDR映像を用い、視野角120°の広大な平面360°全周映像を映し出すことが出来た。

とはいえ、実はこのXperia Viewに対応しているのは「Xperia 1 III」などの市販「Xperia 1」のみであり、「Xperia PRO」系は非対応。また、3D Viewのコンテンツもあくまでも提携コンテンツプロバイダーからコンテンツが提供されるだけであり、ユーザーが作ることは出来ない。

このため、まだまだフルスペックに未来を持ち歩くと言うより、少し先の未来をほんの少し覗く、という感じにはなるが、先々が期待できる機材だろう。いずれは、業務用にコンテンツを制作に活用したり、ゲームプレイに活用できるような発展も期待したいところだ。

また、既発売の「Xperia 1 III」のSIMフリー版も同時に発表された。国際版と同じスペックのため、FMラジオが聴けないのでその使い方をしている人は要注意だ。これを活用することで、SIMを「Xperia PRO-I」や「Xperia PRO」と入れ替えつつ、両機材の活用が出来るだろう。

以上、唐突な季節外れのソニーの新機種発表ではあったが、特に「Xperia PRO-I」は非常に期待できる「機材」だ。本来、今の時期はスマートフォンの発表時期では無く、いくつかの欧州展やInter BEEなどを前にした映像やスチルカメラ機材の発表の時期と言える。「Xperia PRO-I」を発表したソニーの意気込みが伝わってくる、敢えてこの時期の発表なのだろう。実発売が楽しみだ。

WRITER PROFILE

手塚一佳

デジタル映像集団アイラ・ラボラトリ代表取締役社長。CGや映像合成と、何故か鍛造刃物、釣具、漆工芸が専門。芸術博士課程。