Feiyu Pocket 2(画像左)、Feiyu Pocket 2S(画像右)

■価格
Feiyu Pocket 2 税込43,500円
Feiyu Pocket 2S 税込45,000円
■問い合わせ先
GuiLin FeiYu Electronic Co., Ltd
日本正規代理店 株式会社INTERAK

PRONEWSでも紹介済みのカメラ付きジンバル「Feiyu Pocket 2/2S」。ジンバルカメラは数あれど、今回私が「これ面白そう!」と思ったのは、カメラ部分とモニター付きの本体部分(以後ハンドル)が切り離して使用することが出来る、Feiyu Pocket 2Sの方だ。

「ウェアラブルモード」のFeiyu Pocket 2S。レンズ周りの赤いラインがカッコいい

カメラとハンドルはMAX90cmのケーブルで繋がってはいるものの、ジンバル付きの(←ここが大事)カメラ部分がセパレート出来ることで、設置場所の幅が広がっただけでなく、ジンバル付きのカメラ部分を遠隔操作で自由に動かすことが出来るので(←ここ更に大事)単なる固定カメラとは一味違った撮影が出来るわけだ。

カメラ部分は小型ながら強力な3軸メカニカルジンバルを搭載しているので、切り離した状態でもスタビ効果がしっかりあるのが凄い。

2も2S、どちらもとてもコンパクトで、金属製(航空アルミニウム合金・PC/ABS)の筐体は質感も素晴らしい。想像以上の重量感(2=127g/2S=179g)と金属の手触り感も心地良くおもちゃ感は皆無だ。

金属の重量感と手触り感が心地良い。電源ボタンサイドにmicroHDMI出力端子を備えていて、別モニターでモニタリングしたり配信用カメラとしても使用できる

PCとの接続や充電部分がUSB-Cなのもありがたい。またカメラ台座部分(2S)とハンドル背面(2/2S)が強力な磁石になっているので、金属製のものであればピタっと吸い付くようにくっつく。2だけ底部に1/4インチネジ穴が備わっているが、2Sも付属の1/4インチネジ穴付きマグネティックベースを使用すれば、カメラ部分を三脚や自撮り棒などに取り付けることも可能だ。

2S付属のマグネティックベース。カメラと磁石でくっつく上面(画像左)。右:三脚等への固定に使う下面(画像右)。磁石の関係で裏返して使うことは出来ない
    
2だけハードケースがついていて持ち運びに便利だ。ケースに入れたまま充電も出来る。2Sにはソフトケースが付属している
※画像をクリックして拡大

今回は実際に現場に投入してみてのレポートということで細かいメニュー設定などの説明は省略するが、基本操作はハンドルについているタッチパネルとジョイスティック、録画ボタン、もしくは専用スマートフォンアプリ「Feiyu cam」を使うことで遠隔操作が可能になる。

タッチパネルの操作は自分が持っていたInsta 360 ONE X2と似ていたので説明書無しでもすぐに使えた。現場では少しでも大きな画面でモニタリングしながら撮影したかったので、「Feiyu cam」アプリ を使ってiPadで設定&操作をした。

Feiyu Pocket 2Sの現場投入に協力してくれたのは、インディーズバンド(the)bedsだ。丁度Vo.のフジタタカノブ氏から演奏シーン中心のMVディレクションの依頼を受けていたので、メンバーに許可を得てその撮影現場で投入させて貰った。私としてもこのカメラを使うことで映像のバリエーションが増えるので願ったり叶ったりであった。

新ベーシストを迎え2022年ニューアルバムのリリースを控えた世界征服を目指すロックバンド(the)beds。メンバーは右からVo,Gt.フジタタカノブ・Dr.ヤマダシンヤ・Ba.オクムラカナ(Photo by Higuchinsky)

まず現場前に検証してわかった大事なことがひとつある。次の動画を観て頂きたい。

最初の位置(画面上側がレンズ位置)がこのカメラの正面とされている位置で、リセンターボタンを押すとこの位置にレンズが向くのだが、ここを基準にジョイスティックでカメラを左右にパンした場合、左方向には大きく動く(220°)のだが右方向には少し(40°)しか動かない(2も同じ)。なので私はパンニングのセンターになる位置に印をつけてそこをセンターと考えることにした。

これはカメラを分離してジョイスティックでカメラを動かす場合、結構大事になって来る気がする。パンニングの幅を左右均等になるよう改善を願いたいところだ。

そんな事前検証を経て、Feiyu Pocket 2Sの現場投入ファーストカットはギターに付けてみた。付属の3M粘着テープでギターに直接つけることも考えたが、事前検証の時点で近距離すぎるとピントが合わないことが判明したので、クリップ式の雲台に取り付けて敢えてギターから距離をおいて設置した。

カメラを付けた状態で実際にギターを弾いて動いて貰い、アプリ「Feiyu cam」を使ってiPadでモニタリングしながら細かく位置を修正。

    
アプリ「Feiyu cam」のキャプチャ画面。まだ設定する前なので全てAUTOになっている
※画像をクリックして拡大

最終的に決まったポジションがこれだ。

先ほど検証したパンニングのセンターが上に来るように修正してある。ハンドル部分はズボンのポケットに入れて貰った。これで撮影した映像がこれだ。

設定は、解像度4K・フレームレート30(29.97ではない)・プロモードのFy-logでISO800。左半分はプロモードのFy-logでローコントラストの撮影したままの映像、右半分は仮でカラコレしてみた。カラコレしてみて割と綺麗に破綻せず撮影出来ていたので驚いた。iPadでカメラを遠隔操作してるのと、練習してる余裕も無かったのでぶっつけ本番ではあったが、カメラ自体が動くことで単なる小型固定カメラの映像とは違った面白い映像が撮れたと思う。ハンドル部分とカメラの間もケーブルレスになれば、アーティスト的にももっと激しい動きが出来そうだ。

そして次に投入したのはセパレートの「ウェアラブルモード」ではなく、ハンドルにつけた状態での「手持ちモード」でのスローモーション撮影(1080P 120fps)だ。撮影現場でのメインカメラは私物のSony α6600だったので、そちらでも120fps撮影は可能なのだが、リグの付け替えなどのセッティングチェンジ時間の省略と、軽量かつジンバルのスタビライザーを活かせるので2Sで撮影した。

この時、ジンバルの設定をAFモードからHFモードに変えたのだが、これが後でトラブルの原因となる。このジンバルの設定、公式の説明でもよくわからないというか間違っている気がするのだが、要はハンドルを前後左右に倒した時、カメラが水平を保つかどうかの違いだと自分は認識した。

  • TFモード(ハンドルを左右に倒した時のみカメラは水平を保ち、前後の傾きには 追従=前に倒したらカメラは下を向き、後ろに傾けたらカメラは上を向く)
  • HFモード(ハンドルを前後左右に傾けてもカメラは常に水平を保つ)
  • AFモード(ハンドルを傾けた方向にカメラが追従=左右に傾けるとカメラは傾き に合わせて斜めに傾く)※先ほどのようにカメラを自由に動かしたい場合、個人的にはAFモードを推奨する

ひとまずスローモーションの動画がこちら。

撮影した時点でスローモーションになるので、すぐに確認が出来る。

とにかく軽量なので片手でハンドリング出来てスタビが効くのがありがたい。素早く動かすことも可能だ。今思えばAFモードのまま傾きも出来た方が良かった気もする。

そして最後はドラムに仕込もうとしたのだが、ここでトラブルが発生。カメラがiPadで制御出来なくなったのだ。

これはマイクスタンドの先に2Sをつけて出来るだけ近い位置に突き出してグリグリ動かそうとしたのだが、「限界値」という表示が出てエラーになってしまった。応援部隊はいたものの、専門の映像スタッフはいなくて監督と撮影をほぼ1人でやっていたため、その時点では疲れ果てていて頭が回らず、時間も押していたので(※最終的に自作香盤の時間内で撮影終了しました)断念してしまったが、後で検証したところ、要はHFモードでカメラが常に水平を保とうとする状態にしていたため、思うようにカメラを動かせなくてエラーになってしまったようだ。AFモードに戻してさえいればかなり面白いカットが撮れたはずなのだが…。とても残念だ。

Feiyu Pocket 2S、こういう新しいツールによって我々のアイデアが刺激され、見たことのない世界が見れるようになるのは非常に面白い。どんどんこういう面白いカメラを開発して不可能だった撮影を可能にして欲しいものである。

※MVは完成次第アップ予定なので乞うご期待!

Higuchinsky|プロフィール

1969年ウクライナ生まれ。映像による世界征服を目論んでいる。音楽関係の映像作品が多いが、映画も撮ったことがある。得意技はライブの撮影と編集。作品を褒めたり美味しいものを食べさせると喜んで頑張る傾向にあり、主に肉を好むが、しゃぶしゃぶの食べ放題が効果的という識者の意見が有力である。