オーダーメイドよりも、セレクションできるカメラが欲しい

数多存在するカメラ。そのカメラをそのまま使用する。足りない部分は、創意工夫で補完して行く。これがカメラと我々のつきあい方だ。もしこうして欲しいという事が受け入れられれば…と思う方も多いのではないだろうか?自分好みにフルスクラッチで組み上げるオーダーメイドのカメラは残念ながら存在しない。 全ての人が満足するためには、莫大なコストが必要になるだろう。成立は考えられない。では、各パーツをセレクトして、ユーザーが欲しい物を選択する事はできないのかと思うのだ。これは、我々からメーカーへに対してのわがままであり、最大のリクエストでもある。もちろんユーザーの目的によってもその使用方法は変わってくるのは当然である。

機能はもちろんの事「信頼性」に他ならない

同じカメラ選択においても、立場が違えば大きく異なる。例えば、筆者の様なミドルレンジなカメラマンとディレクターたちで比べてみよう。ほとんどのカメラマンは、当然の事ながら状況に応じて、設定できる様々な機能が欲しい。しかしディレクターたちは、何もしないでも奇麗に撮影できるカメラが欲しい。更に小型軽量なカメラが最も重要な選択肢になる事は言うまでもない。カメラマンにとって、一番大事な事は何かと言えば、「信頼できる機材」と言う事になるだろう。厳密ではないが、民生機、業務用という境目も近年では曖昧になっている。しかし我々が、業務機を選択する理由は、この「信用」に他ならない。安心を買っているとも言えるだろう。例えば電源スイッチが壊れやすい材質の場合、現場で故障。そして撮影自体が出来なくなると言う自体も考えられるはず。トグルスイッチが金属製が多いのもこのような信頼性重視だと考えられるし、また樹脂製でも壊れにくい位置、そして用意にワンアクションでは動かないようなストッパーが装備されている事も、この様な信頼に結びつく重要な部分である。

集約される操作性

最近リリースされたNEX-FS100JK。メーカ側もある程度ユーザーが拡張して使う事を想定している感が大きい

カメラ自体の「信頼性」に合わせて「共通の操作感」も押さえておきたい。つまりユーザーインターフェースだ。同じメーカー間ならハンドヘルドとENG、民生機、業務機問わず、操作感がメニューも含めてほぼ同じ仕様になっている。最近ではメーカー間を超えて、類似している機種もある。将来的には、インターフェースさえも同じ仕様に集約されるのではないかと思われる。メーカーを問わず操作性も同じ規格にしてほしいのが本心ではある。

ではハード面ではどうだろうか?REDの様に後ろに色々継ぎ足していくな仕様。はじめからカスタマイズありきの考え方だ。実は、新しい気もするが、この業界に長くいる方は、異論を唱える事になるだろう。数年前のENGカメラ全てに当てはまる事でもあるのだ。カメラヘッドと記録分はその現場や制作によりバジェットの大きさに合わせて、インテグレーションされてきたのだ。自らの知見と予算のコストパフォーマンスを鑑みて様々なカスタマイズが普通に行われていたさのだ。

一番多く使われてきたβカムでさえ、そのレコーダーには価格違いで2種類存在する。その上、SONY、Panasonicは元よりカメラヘッドだけのメーカーとして高画質を謳うIkegamiやJVC。記録部分もβカムを筆頭にMⅡやVHS、Hi8と言う選択肢もあり、セレクトして収録を行ってきた。利便性を考えるとβカムSPになり一体型で小型軽量を考えるのが自然なセレクトだった。そして現在HD化の波はフォーマットからコーデックと言う収録の心臓部まで変化をすることになるのだが、何故かそれらをカメラヘッドと組み合わせることが出来ない。

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2011NABshowで発表されたSR MASTERのレコーダーとメモリーは各方面に衝撃を与えたはず!

カメラマンの方を話をしているとIkegamiのカメラを使用する方々はV10のヘッドにGF以外のフォーマットを載せたいと意見も多く聞かれる。残念ながら一体型のカメラでそれは出来ないのだが、NAB2011においてSONYから新たな解答が出た。それが、SDI入力を持つHDCAM-SRレコーダーだ。これをセレクトすることでHD-SDI出力を持っているカメラならどれでもSRカメラになる。

「頭は何でも良いけどお尻はべーカム付けて収録ね」とかつて現場で交わされていた言葉が再現され浮ことになるのだ。SRだけではなく、P2、HDVなど他のフォーマットでも同じ様な物が出来れば、選択の幅は広がり最適な組み合わせが出来るはず。

しかしこの潮流が収録部分だけではなく、いっそ全てを分解し組み合わせる事が出来たら更に面白い事ができるのではないかと思う。レンズ・ヘッド・レコーダー・マイク・ビューファーと各パーツで「欲しい物を的確にアッセンブルして、条件に応じた自分だけのカメラが誕生することになる。カズタマイズできることがやはりこれからのキーワーかもしれない。もちろ車の様に自分の好みのパーツでくみ上げる事は、メーカーの思惑から考えればそれは、難しい事かもしれないが、ユーザーが欲しい物を選択する時代である事は間違いないのだ。

理想のカメラを求めて!〜ビューファー編〜

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イメージ的な形はスターウォーズの小型戦闘機のデザイン。HD-SDI入力は必須項目で、HDMI入出力も欲しい。電源は基本的にカメラからのDC出力アウト(12V/mini4P又はカムタップ)からの供給をメインとしながら、他の小型ハンドヘルドでも使えるように充電式バッテリー(汎用品可)を内蔵し、その充電はUSB端子からもできればベスト。形状的には円形をリファイン、中身は液晶なら超高精細カラー若しくは小型CRTの2種類から選択可能。更に2ストリーム同時を2眼並列で使用してネイティブ3D映像も出来ると面白いかも!しかしてんこもり!

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Vol.01 [Master Mind Camera 2011] Vol.03