新たな製品は新たなデバイスだけでなくそれを利用し設計製造しなくてはならない。そうした工程の中で必要なのが測定機器だ。測定器は設計や開発に必要な機能や性能を有しており、測定器のトレンドは今後世に出てくるであろう製品の方向性を知る上で大きなヒントになってくる。

測定器のメーカーは沢山あり、測定器を中心とした展示会もあるが、今年のCEATECでは一般化したMHMIやDisplayPortといった映像信号系や携帯、Wi-Fiなど無線通信系の測定器、オプトデバイス関係の新製品が目についた。

測定器の展示会ではないのでメーカーの数は限られるが、製品化の主流はこの辺りに有りそうだ。

ローデ・シュワルツシグナルスペクトラムアナライザーR&S FSW

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~8GHz、~13.6GHz、~26.5GHzの3機種がラインナップされており、位相雑音、DANL、ダイナミック・レンジなどスペクトラムアナライザーの基本性能を決めるすべてのRF特性において、従来のハイエンド機を大きく上回る性能を実現している。

12.1インチのWXGAワイドタッチスクリーンにより、スプリアス、ACLR、コンスタレーションなど異なる測定結果を同一画面に表示できるマルチビュー表示機能や信号処理のフローに合わせたブロック表示などが行える。

アジレントテクノロジーFieldFox RFアナライザーN9912A 4GHz/6GHZ 、FieldFox RFベクトルネットワークアナライザN9923A

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FieldFox RFアナライザーN9912A 4GHz/6GHZは、無線ネットワークの敷設/保守用のハンドヘルド測定器で、ケーブルおよびアンテナテスト、ベクトルネットワークアナライザー、スペクトラムアナライザー、干渉アナライザーなどの機能を搭載したハンドヘルドタイプのアナライザー。

FieldFox RFベクトルネットワークアナライザーN9923A は、RFベクトルネットワークアナライザーで、フル2ポートネットワークアナライザー、ケーブル/およびアンテナテスター、障害位置検出テスター、パワーメーター、1/2チャネルベクトル電圧計などの機能を備えており、内蔵のQuickCalテクノロジーにより、校正キットなしに校正を実行可能なほか、時間や温度の変化に対して優れた測定の安定度を保持している。

N9912A、N9923Aともにバッテリ駆動のポータブルでGPSの緯度/経度データによって、測定値にタイムスタンプを付けることが可能。

テクトロニクスミックスドドメインオシロスコープMDO4104-6

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周波数レンジ~3GHzと~6GHzの2機種があり、アナログ、デジタル、シリアル、RF信号を、時間相関をとって同時に観測できるオシロスコープ。時間ドメインと周波数ドメインが一つの画面で見られるだけでなく、任意の時間のRFスペクトラムを切出して、その変化を確認できる。

アンリツシグナリングテスタMD8475A。

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LTE FDD、W-CDMA/HSPA、GSM/(E)GPRS、CDMA2000R 1X/1xEV-DO Rev.Aに対応し、スマートフォンをはじめとする LTE対応マルチシステム携帯端末のサービス・通信機能試験を1台で実現するコストパフォーマンスに優れた基地局シミュレーター。

アストロデザインDisplayPort/eDP対応プログラマブルビデオ信号発生器VG-873

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Display Port、V-by-One HS、HDMI Ver.14a (3D・ARC)、3G-SDI、HD-SDI(Single-Link/Dual-Link)のほか、オプションで4K×2KデジタルシネマフォーマットやフルHD4倍速240Hz、非圧縮10bit動画再生に対応可能。各種3D方式に対応したパターン出力やYCbCr4:4:4、RGB8bit/10bit/12bit、xvYCC(xvYCC709)にも対応している。

浜松ホトニクスミニ分光器

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回析格子や光学系、センサーなどをコンパクトにまとめた小型分光器(ポリクロメータ)。200~2550nmまで各波長に対応したモデルがある。分光測定の結果はUSB接続でパソコンに取り込むことも可能。


Vol.05 [CEATEC JAPAN 2011 テーマ別レポート] Vol.07