CP+開催。映像業界関連の人々が多く駆けつける理由とは?

1月31日からパシフィコ横浜でカメラと写真映像のイベント「CP+ 2013」が始まった。CP+は、年に一回行われるカメラメーカーが一堂に会する注目のカメラと関連機器のコンシューマー向け展示会だ。昨年のCP+は2年に一度のphotokinaイヤーと4年に一度のオリンピックイヤーの手前の日程で行われるということで、CP+開催前のタイミングでD800やD4といった大注目の一眼レフカメラが発表され、各社ブースのカメラ体験コーナーには30分、1時間の行列ができるほど大きな盛り上がりをみせた。今年のCP+は主要な一眼レフやミラーレスの新製品は昨年の発表で出尽くしたということもあり、展示製品的にはやや盛り上がりに欠けるような印象の開催となっているのだが…。

しかし近年映像業界の視点からも、注目されている展示会である。クリーンなHDMI出力に対応するD800やα99など一眼レフカメラが次々と登場してきていることや、REDのブース参加やBlackmagic Designなどの映像業界のメーカーが一眼カメラメーカーのマウントを使ったカメラを発売するなど写真業界と映像業界のオーバーラップが進んでいる状況も見逃せないのだ。

さらにCP+の中では「プロ向け動画セミナー」や「日本広告写真家協会動画シアタートーク」といった一眼動画のセミナーや、一眼を主とした動画制作ソリューションをトータルに紹介する「プロ向け動画エリア」など一眼レフの動画をフィーチャーする企画が今年からスタートして、動画をかなり意識した展示会になりつつある。ここに投げかけられる事実は何を物語るのだろうか?PRONEWSでは、いわゆるデジタル一眼カメラを起点とするDSLRやDSMCの潮流を今一度確認すべく、CP+を通して、新しい映像の世界を考えてみたいと思う。まずは、開催1日目のキヤノンやソニーといった主要なメーカーや映像業界も注目するレンズを手がけているコシナやシグマなどのブースの様子から紹介しよう。

Canon | カメラメーカの雄、未来を提案

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キヤノンは会期直前にコンパクトデジタルカメラ「IXY」や「PowerShot」の新製品6機種を発表した。その中でももっとも注目を浴びていたのはニューコンセプトコンパクトデジタルカメラ「PowerShot N」だ。

スリムスタンダードモデルの「PowerShot A2600」(上の中央)と単三電池対応の「PowerShot A1400」(下)

まったく新しいデザインや操作性を採用したカメラで、シャッターボタンやズームボタンがレンズの周りのリングという形で実現しているのが特徴だ。実物を見てみると、サイズは手のひらに収まるほどしかななく、想像していたよりも驚くほど小さい。シャッターやズームがリングなので、確かにカメラをどんなところを持ってもシャッターやズームを操作をすることができるようになっている。非常にユニークな操作性を実現しているのが特徴だ。

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小型&スクエアボディが特徴の「PowerShot N」

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背面には90度の稼動範囲を持つチルト式タッチパネル液晶を搭載している

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一回シャッターを切るだけで、「構図」や「色、光」をカメラが自動で変えて6種類の写真(オリジナル画像を含む)を一度に撮影できるのが特徴だ

今注目のデジタル一眼カメラといえば、EOS 6D
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ブースの中でも人気が高かったEOS 6D

一眼レフのコーナーで特に注目を浴びていたのが2012年11月30日に発売をした約2020万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載した「EOS 6D」だ。ブース内にEOS 6Dの専用の体験コーナーが用意されるなど大注目のカメラとなっていた。実際にボディを手にとってみるとボディの小ささと軽さに驚く。本体の重量はバッテリーパック込みで約755gで、幅は約144.5mmしかない。APS-CモデルのEOS 7Dよりも小型軽量を実現しているとのことだ。

ブース内で体験することはできないが、EOS 6Dの特徴で見逃せないのがEOSに初めて搭載した内蔵無線LAN機能だ。スマートフォンに専用アプリケーション「EOS Remote」をインストールすることで、スマートフォンからカメラを操作したり、カメラ間で画像を送受信したり、スマートフォンをリモートコントローラーとして使うことが可能だ。この機能が非常にユニークで、実際に使ってみると上位機種をもっていてもEOS 6Dを買い足したくなるような魅力を持っている機能だ。

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EOS 6Dの右側面のインターフェイス。EOS 5D Mark IIIに搭載されている「ヘッドフォン端子」がない

もちろん、動画撮影機能のEOSムービーも搭載していて、カタログ上の基本仕様をEOS 5D Mark IIIと比較してもヘッドホン端子が装備されていないことやHDMI出力機能(EOS 5D Mark IIIでは4月公開予定のファームウエアで実現予定)ができないことを除けば同じといっていい。しかし、キヤノンのブーススタッフに改めて、「EOS 6DとEOS 5D Mark IIIでは撮れる映像は同じクオリティなのか?」ということを聞いてみると「細かい話はできないのですが、動画撮影の場合はイメージセンサーの性能の差でEOS 5D Mark IIIのほうがモワレなどがでにくいんですよ」と答えてくれた。フルサイズを使った動画撮影ならばEOS 5D Mark IIIのほうが向いているといえそうだ。

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EOS 6Dに最適な標準ズームレンズ「EF24-70mm F4L IS USM」

12月19日に発売されたばかりの標準ズームレンズ「EF24-70mm F4L IS USM」にも注目をしたい。キヤノンの全ズーム領域F2.8の高級標準ズームレンズといえばEF24-70mm F2.8L USMがあるが市場実勢価格は20万円以上してなかなか気軽に購入できるものではなかった。EF24-70mm F4Lは市場実勢価格は10万円台前半と敷居を下げていたり、望遠端側での切り替え操作で最短撮影距離0.2mの本格的なマクロ撮影が可能、マクロ撮影時特有の手ブレを補正に有効な角度ブレとシフトブレの同時補正を実現したハイブリッドISを搭載していたりと、これ1本ボディにつけっぱなしで日常の撮影を楽しむという新定番レンズの登場という感じがした。

プロフェッショナル映像機器コーナー
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今年はプロフェッショナル映像機器コーナーは控えめ。壁にはCINEMA EOS SYSTEMを使って撮影された『ストロベリーナイト』や『草原の椅子』『くちづけ』といった映画が紹介されていた

プロフェッショナル映像機器コーナーは昨年よりも規模は控えめで、大々的な展示はEOS C500のみとなっていた。EOS C500にはCODEX DIGITAL社のCanon Cinema RAWの収録に対応した「Onboard S Recorder」のレコーダーと組み合わせて展示されていた。他のモデルは2012年技術・工学エミー賞の機種として展示されていた。ただし、毎年恒例のCP+会場から徒歩5分のところにあるブリリア ショートショート シアターで今年もCINEMA EOS SYSTEMの作品上映が行われていて、堤幸彦監督の公開前の作品「くちづけ」などを観ることが可能となっていた。

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展示されていたEOS C500にはCodex Digital社のレコーダー「Onboard S Plus」が搭載されていた

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キヤノンが2012年技術・工学エミー賞を受賞したことが紹介されていた

ブース内にCINEMA EOS 4Kシアターが設置されEOS C500で撮影された映画『MAN&BEAST』やエミ・マイヤーのミュージックビデオ『Galaxy’s Skirt』、EOS-1D Cで撮影された映画『THE TICKET』などが公開されていた
注目の4Kディスプレイ
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シアターの出口の暗室に展示されていた30インチの超高精細4Kディスプレイ

映像の制作・編集プロダクション向けの4Kディスプレイも参考出品されていた。キヤノンのディスプレイというと数年前まで話題だったSEDを使ったテレビの開発は中断の状態で、会社としてカメラやビデオなどの入力機器は豊富にそろえているが、プリンタ以外の出力機器は扱っていないという状態になっている。しかし、やっぱり入力から出力まで一環したワークフローをキヤノンブランドだけで提案したいということで、今回展示しているディスプレイの開発を続けているという。展示されているモニタは30インチだ。ターゲットがポスプロとかで使う映像制作用であり、卓上で使うならば30インチが適正だろういうことでこのサイズになったそうだ。4Kだが、詳しい解像度や対応インタフェースは公表できないとのことだ。発売に関しても未定とのことだ。

Sony | デジタル一眼からビデオカメラまで。気になる4Kも

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商品群の展示でもっとも目立っていたのは昨年10月に発売されたフラグシップモデルの「α99」だ。カメラを手に持ってシャッターを切ってみて驚くのはファインダー内が光学式ではなく電子式ビューファインダーを採用していていることだ。約235万ドットの有機ELビューファインダー「XGA OLED Tru-Finder」と呼ばれているもので、目の前にデジタル水準器やフォーカスの測距点の表示がまるでガンダムのコックピットのスクリーンをみているようでちょっと感動する。となると、一番最初に体験したいのは接眼ファインダー内の拡大表示だ。キヤノンやニコンの一眼レフカメラでライブビューのピントを拡大表示をするならば背面液晶で確認しなければならないが、α99ならば接眼部の電子ビューファインダー内でピントの拡大表示の確認が可能だ。実際に使ってみると、ホワイトバランス設定までファインダー内に設定することが可能になっていた。

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ソニーの一眼カメラの中のフラグシップモデル「α99」

ここの部分はキヤノンやニコンと大きく違う路線を進んでいる部分だ。今使っているカメラからα99への切り替えを検討するならば、このXGA OLED Tru-Finderが大きなポイントだと思う。デザインも先代のα900のペンタプリズムはとんがったようなデザインで、外でこのカメラを持っているとあまりにも「ソニーのα900を持っている」ということが強調されすぎるデザインだった。α99は曲線を帯びたようなキヤノンのカメラのデザインに近いような感じで、α99をもっていても強調されることはないデザインに変更されている。

動画機能としては35mmフルサイズセンサーを使ったボケ味を生かした撮影が可能だ。さらにHDMI出力からメニューなどを非表示にした状態で外部レコーダーでの非圧縮動画の収録も可能だ。ソニーの一眼カメラで外部レコーダー収録ができるのはα99だけだ。フルサイズイメージセンサー搭載モデルとして初めてAVCHD Ver2.0準拠のフルHDで60p、60i、24pの動画に対応していたり、ISOは6400までの高感度撮影が可能なのが特徴だ。

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「35mmフルフレーム」と「APS-Cタイプ」「1.0タイプ」のイメージセンサーの比較。α99は35mmフルフレームを搭載している

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体験コーナーでは、α99にポータブルレコーダーのSOUND DEVICES PIX240を搭載した状態で体験できるようになっていた。レンズはVario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZAが搭載されていた

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ソニーの一眼カメラαシリーズが集合して展示されていたところ。なんとなく、ボディのデザインがキヤノンっぽい感じがする

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参考出品として展示されていたPlanar T* 50mm F1.4 ZA SSM

参考展示の展示もいくつか行われていた。もっとも目を引いたのはAマウント用の35mmフルサイズ対応の大口径標準レンズ「Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM」だ。Planarの50mm F1.4というと、京セラコンタックスが55mm、コシナのZFやZEは58mmのフィルター径だったが、同製品は同じ開放F値でありながら72mmと驚くほど大口径となっている。72mmというとキヤノンの標準単焦点レンズの最上位モデル「EF50mm F1.2L USM」と同じだ。コシナのツァイスレンズと違ってオートフォーカスを実現しているのもポイントだろう。

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フィルター径は72mmと大口径だ

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今年6月発売予定のEマウントのカールツァイス製レンズディスタゴン 12mm F2.8とプラナー32mm F1.8が展示されていた。写真はレンズディスタゴン 12mm F2.8

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こちらがプラナー 32mm F1.8

DSC-RX1
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35ミリフルフレームイメージセンサーを搭載したコンパクトカメラDSC-RX1

2012年11月に発売したばかりの35mmフルサイズセンサーを搭載したコンパクトカメラ「DSC-RX1」も力を入れて展示されていた。カメラボディ上部にあるマルチインターフェースシューを使って光学ビューファインダーや電子ビューファインダーを搭載できるのが魅力的だが、特にこのカメラで絶賛したいのはソニー製のカメアラなのにレンズに絞りリングがついているところや露出補正がダイヤルで搭載されているカメラの古めかしい操作性を再現しているところだ。

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絞りリングが搭載されているところが非常にユニークだ

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DSC-RX1の分解モデル。この小さなボディに35mmイメージセンサーが搭載されていることに驚く

デジタルHDビデオカメラレコーダー群
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空間光学手ブレ補正を搭載した新製品のうちの1機種「HDR-CX630V」

デジタルHDビデオカメラレコーダーのコーナーでは、1月に発売されたばかりの空間光学手ブレ補正を搭載したモデル「HDR-PJ790V」「HDR-PJ630V」「HDR-CX630V」「HDR-CX430V」が展示されていた。空間光学手ブレ補正機能とは、レンズユニット全体を動かすことで広角端から望遠端まで手ブレ補正幅を従来比約13倍と飛躍的に高めるという独自技術のことだ。この機能は外部から搭載していることがわかるような機能ではないが、カメラを揺らしてみるとレンズが緩やかにゆれるのはわかる。ブースでは、空間光学手ブレ補正機能搭載のカメラと非搭載のカメラを同時に揺らしてその効果がはっきりとわかるようになっていた。

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実際にカメラを揺らして、空間光学手ブレ補正の効果をモニタで確認できるようになっていた

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空間光学手ブレ補正ユニットと従来のユニットの比較

4K製品群
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84インチ4K対応の液晶テレビ「ブラビア」とその手前の4Kと書いてある台に展示されているのは民生用では初となる4K対応のカムコーダー

4Kを活用したソニーならではの新しい写真体験の提案というのも行われていた。84インチ4K対応の液晶テレビ「ブラビア」で写真を楽しめるようになっていた。また、International CESで展示した、民生用としては初の4K対応カムコーダーも展示されていた。

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4K対応のカメラの中の1台としてCineAlta 4Kカメラ PMW-F55も展示されていた

COSINA | Carl Zeissブランドの新レンズが人気

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コシナブースで注目はCarl Zeissブランドの新レンズ「Apo Sonnar T* 2/135」だ。Zシリーズの中では初のSonnarタイプだ。開放F値がf/2でフィルター径は77mmだけあり、第一印象はとにかく大きい。ユニークなのが最短撮影距離で、Planar 85mmが1mだったのに対して、Apo Sonnar 135㎜では80㎝と短い距離を実現している。マウントはニコンFマウントのZF2とキヤノンEFマウントのZEを予定している。

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参考出品されていた望遠レンズ「Apo Sonnar T* 2/135」

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フィルター径は77mmだ

もう1つ展示されていた注目の製品がDistagon T* 1.4/55.だ。フィルター径の大きさは82mmとかなり大柄なレンズだ。ボディのデザインも従来のZシリーズとはずいぶん異なる。Carl Zeissブランドの一眼レフの標準レンズといえば、プラナーが一般的だが、このレンズは標準焦点距離にもかかわらず、Distagonタイプで実現している。Carl ZeissのWebサイトでは、「最良の可能な画像性能を目指した結果」とその理由を紹介している。マウントはEFおよびFで利用可能になる予定だ。発売は2013年の秋を予定しており、価格は高額で、3,000ユーロぐらいになる見通しだという。

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こちらも参考出品されていたDistagon T* 1.4/55 。外観のデザインが従来のZシリーズからちょっと変わっている

ちなみに、Carl Zeiss社のブログでソニーのNEXやフジフイルムのX-Proに対応した12mm F2.8、 32mm F1.8、50mm F2.8マクロなどを今後発売することが発表されているが、コシナのブーススタッフに「ソニーのNEXやフジフイルムのX-Proに対応したレンズは御社がやるのですか?」と一応聞いたら、「うちではないです」との答えだった。

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Distagon T* 1.4/55のフィルター径は82mmだ

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Carl ZeissのZシリーズの既存のすべてレンズが展示されていた。カットモデルも展示されているのも注目だった

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Zシリーズのカットモデルで一番見たいと思うのはやはりプラナー85mm F1.4ではないだろうか。このような感じだ

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Distagon 15mm F2.8のカットモデルにも圧倒される感じだ

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Blackmagic Cinema CameraにDistagon 18mm F3.5を搭載した様子も展示されていた

そのほかにもVMマウントの「NOKTON 50mm F1.5 Aspherical Black model」や「NOKTON 50mm F1.5 Aspherical Silver model」、「NOKTON 42.5mm F0.95マイクロフォーサーズ」などが参考出品されていた。

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参考出品されていたVMマウントの「NOKTON 50mm F1.5 Aspherical Black model」

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こちらは「NOKTON 50mm F1.5 Aspherical Silver model」

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NOKTON 35mm F1.2 VM IIにVMマイクロフォーサーズアダプタを使ってBlackmagic Cinema Cameraに搭載した様子も展示されていた

SIGMA | 注目のDPシリーズ

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デジタルカメラ体験コーナーで、2月22日発売予定の35mm換算で75mm相当の50mm F2.8レンズを搭載した「SIGMA DP3 Merrill」が試写できる形で展示されていた。SIGMA DP3 Merrillは、DP1やDP2同様、4,600万画素Foveon X3ダイレクトイメージセンサーを搭載しているのが特徴だ。

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4,600万画素Foveon X3ダイレクトイメージセンサーの50mm F2.8の高性能レンズを搭載した高画質コンパクトデジタルカメラ「SIGMA DP3 Merrill」

今回も新設計のレンズが搭載されているとのことだ。DP3の登場により広角域の撮影は「SIGMA DP1 Merrill」、標準域の撮影は「SIGMA DP2 Merrill」、中望遠域やマクロ撮影には「SIGMA DP3 Merrill」とそろったことになる。DP31台だけで使っていくにはちょっと画角が長すぎるように思える。恐らくDPシリーズは1台買ってとどまるのではなく、DP1を買うとDP2もそのうちほしくなって買ってしまう。そして、恐らくDP3も買ってしまうという、3機種連鎖の魅力をもったカメラではないだろうか。

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ミラーレスカメラ専用中望遠レンズSIGMA 60mm F2.8 DN。概観は新しいコンセプトデザインを実現しているのも特徴だ

マイクロフォーサーズ用とソニーEマウント用の新レンズ中望遠レンズSIGMA 60mm F2.8 DNが展示されていた。明るさよりも写りを重視したレンズで、メーカーの発表したMTF測定値をみると曲線は上に張り付くような特性を描いている。非常に安定した性能を持っていることが特徴のレンズだ。

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OLYMPUS PEN mini E-PM2にSIGMA 60mm F2.8 DNを搭載した状態で試写できるようになっていた

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ミラーレスカメラ専用標準レンズSIGMA 30mm F2.8 DN

同じく、新しく発表されたミラーレスカメラ専用広角レンズ「SIGMA 19mm F2.8 DN」は、4,600万画素の「DP1 Merrill」、ミラーレスカメラ専用標準レンズ「SIGMA 30mm F2.8 DN」は「DP2 Merrill」に搭載されていたレンズだ。4,600万画素のローパスレスカメラに搭載されていたレンズなので、これ以上今の技術で写りをよくするのが難しいというほどの光学技術を実現したレンズとのことだ。どちらのレンズも先代モデルが存在するが、スタートして電源を立ち上げた最に起動時感が遅いという問題があったが、そこの部分は改善されている。目立つデザインを採用しているが、今後ミラーレスに関してはこの路線のデザインを採用していくとのことだ。

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OLYMPUS PEN E-P3にSIGMA 60mm F2.8 DNを搭載した状態で試写できるようになっていた

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こちらはミラーレスカメラ専用広角レンズSIGMA 19mm F2.8 DN

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1月18日に発売したばかりのニコン用SIGMA 35mm F1.4 DG HSMも試写できるようになっていた。価格は118,000円だ

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こちらはAPS-Cサイズデジタル一眼レフカメラ専用大口径標準レンズSIGMA 30mm F1.4 DC HSMだ。APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラで作品撮りを行うためのはじめの一本として最適なレンズとなりそうだ

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価格や発売日はまだ未定の商品だが、 対応マウントはシグマ用、ニコン用、キヤノン用が発売される予定だ。ブースではシグマ用がデモされていた

Kenko Tokina | レンズから三脚まで幅広く扱う

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ケンコー・トキナーといえば、交換レンズから三脚、カメラバックまで取り扱っていてブランドの数は半端ではない。その中から、ここ1年でデジタル一眼レフで映像撮影のためのレンズを大幅にラインナップしているサムヤンのレンズを紹介しよう。サムヤンは映像撮影向けのレンズを「VDSLR」と呼んでいて、口径範囲はT-STOPで表記している。通常の一眼レフ向けのレンズと違うことろは、ピントや絞りリングを正確にコントロールするための配慮が行われているところだ。すべてのレンズは参考出品の扱いだった。

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ケンコートキナーブースの中で展示されていたサムヤンのコーナー

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絞りリングとピントリングは写真向けのレンズと異なっている

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85mm T1.5。写真のレンズマウントはキヤノンモデル

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24mm T1.5。写真のレンズマウントはニコンモデル

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14mm T3.1。写真のレンズマウントはキヤノンモデル

Lexar | 超高速で映像を収録する最高のストレージ

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カメラやレンズも重要だが、大切な映像を記録するストレージ部分もDSLRを含めファイルベース時代には重要な部分でもある。大容量かつ高速で収録用メモリーブランドLexarを扱うマイクロンジャパンのブースも注目だ。同社が取り扱うLexar 1000xCFカードは、SLCチップ搭載で、145MB/sの超高速書き込みが可能というハイスペックなCFカード。キヤノンEOS-1D Cなどでの4K撮影にも対応した定評の製品群を取り扱う。書き込み速度145MB/s、読み込み速度150MB/s。これらが最低保証速度という現在UDMA7規格最速を誇るCFカードとして文字通りの世界最速。縁の下の力持ちとも言うべきストレージ部分である。


[CP+2013:新映像創世記] Vol.02