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[SIGGRAPH2013]Vol.01 CGの祭典SIGGRAPH2013開催!

2013-08-01 掲載

注目のComputer Animation Festival (SIGGRAPH2013)が開催

SIGGRAPH2013_01_0845.JPG 展示会場入り口のパノラマ写真。朝一番の比較的空いている時間帯

SIGGRAPHは世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会である。今回第40回となる SIGGRAPH 2013が、7月21日から25日の5日間、米国アナハイム、コンベンションセンターで開催された。世界77ヶ国から17,162人、昨年よりも多い 180社の展示を集めた。アナハイムは、1955年に初めて建設された世界で最も利用客の多いディズニーランドの街。会場となったカンファレンス会場は、ディズニーランドの打ち上げ花火がすぐそこに見えるほどに近い場所であった。

SIGGRAPH2013_01_logo.jpg今年のSIGGRAPHのロゴ。左脳と右脳を示している

40周年となる今年のSIGGRAPHのテーマは、”LEFT BRAIN AND RIGHT BRAIN” だ。アートや創造性を司る右脳と、論理的思考や数値計算の左脳とが連携しあい、より素晴らしい研究や作品を生みだそうという想いが込められている。今年は1993年以来20年ぶりのアナハイムでの開催となった。ちなみに今年11月に開催されるSIGGRAPH ASIA 2013は香港、来年のSIGGRAPH 2014はカナダバンクーバー、2015年夏はロスアンジェルスが予定されている。

40周年となる今年は、歴史ある学会だけあり「巨人の肩の上に立つ」とともに、CGのみならず、未来に向けて従来よりもさらに多岐にわたった技術/研究要素の進展が強く感じられた。SIGGRAPH全体の風潮として、何事も広く受け入れる、新しい挑戦を評価するという印象がある。ハイエンドのプロ機材から、手作りの機材までが一同に会する希有な現場となった。

SIGGRAPH2013_01_room.jpg 部屋にあるテレビ画面に加えて部屋全体にプロジェクションマッピングしてしまうMicrosoft IllumiRoom展示

SIGGRAPHは基本はコンピュータグラフィックスの学会であり、CGに関連した製品展示が多い。近年では、CGのみならず、インタラクティブ技術に関する研究も充実している。昨年からは特にハプティック(触覚)やテキスタイル(素材)に関する研究カテゴリも追加され、より広い意味でのCG研究や、映像や画像に関する実用的な研究と展示が盛んになってきた。

SIGGRAPH2013_01_2108.JPG 全身をデータ化できる巨大三次元スキャナ。グルグル周りながら数分でスキャン完了

最近、日本でも話題にあがることが多くなった各種3Dプリンタは、SIGGRAPH展示の常連であり、今年も益々勢いがあった。その上、3Dプリンタの利用はもうあたりまえ、安価なシステムばかりでなく、性能や緻密さ、スピードや扱える素材の豊富さなど実務に向けて役立つポイントがアピールされていた。また、3Dプリンタでフィギュアを作った時の自立バランスや、強度や構造計測のためのツールなど、単に「作る」ことから一歩進み始めている。

また、超暗部も撮影可能なハイダイナミックレンジのデジタルビデオカメラや、CG映像のフレーミングに実写カメラマンの技を活かすバーチャルカメラなど、映像機器の一歩進んだ使い方もSIGGRAPHならではだ。

特にSIGGRAPHの中でも人気の催しはComputer Animation Festival(CAF)だ。数多くの良質の映像作品が会期中に上映され、参加者を魅了する。CAFと省略して呼ばれるSIGGRAPHの中のCGアニメーションに関するカテゴリ、その中でも特に素晴らしい作品が毎夜開催される二時間にも及ぶElectronic Theaterで上映される。依然として評価が高いのはハリウッド映画のVFXシーンであるが、それだけとも限らない。高性能の映像機材やCGツールが一般的かつ安価になってきたこともあり、小規模のチームによる作品、個人作品やインディーズ的な作品も目立つ。旧来商業的すぎて敬遠されていたTVCMの映像や、ミュージックビデオ、数年前まではカテゴリーさえもなかったデモシーンなども正当に評価され、世界中の映像クリエータの活躍の場が広がっている。今年は特にフランス勢の映像作品が多く入選していた。

CAF全体の中では、良質の短編作品のシアター上映「Electronic Theater」、ゲームやWebグラフィックス等のリアルタイム映像デモ作品上映「Real-Time Live!」、テレビCMや映画の特殊効果を含む映像作品の上映「Daytime selects」、映画のメイキングなどを紹介する「Special Sessions」が行われる。CAF (Computer Animation Festival) の今年の受賞者作は以下のとおりだ。Electronic TheaterやCAFの上映会場では、Christie Digital社製のデジタルプロジェクターCP4230、CP2230 Solaria、HD14K-Mで高品質の上映が行われた。

BEST IN SHOW AWARD:最優秀賞

A la française. / 制作: Supinfocom Arles(フランス)
http://www.supinfocom-arles.fr

フランスのルイ14世時代の貴族社会を鶏のキャラクタで描いた風刺コメディ作品背景、キャラクタとも当時の時代考証に従って細かいところまで作り込まれており、会場内で何度も大爆笑を誘っていた作品。

JURY AWARD:審査員特別賞

Lost Senses / 制作:Grupa Smacznego/GS Animation(ポーランド)

画家・彫刻家のジョルジョ・デ・キリコ風のタッチで描いた人のすれ違いを独特なタッチで描いたCG作品

(メイキング)

BEST STUDENT PROJECT PRIZE:最優秀学生奨励賞

Rollin’ Safari / 制作:Filmakademie Baden-Württemberg , Kyra Buschor, Anna Habermehl, Constantin Päplow (ドイツ)

サファリに住む野生の動物が皆、風船の様にまるまると太ったら?という短い映像作品。会場で一番笑いを誘っていた作品。あり得ない現象かつ、リアルな表現というCGが得意とする映像表現。

STUDENT PROJECT PRIZE:学生奨励賞

Sleddin’ / 制作:Texas A&M University , John Pettingill (アメリカ)
http://viz.arch.tamu.edu

雪山でソリで遊ぶ少年を描いた作品。見終わった時には、誰もが自分の子供の頃を思い出すようなハートフルなストーリー

STUDENT PROJECT PRIZE:学生奨励賞

HARALD / 制作:Filmakademie Baden-Württemberg / Moritz Schneider (ドイツ)

花を愛する心優しいプロレスラーを描いたコメディ作品。現在公開されているのは予告編のみです。オチは結構ホラーでした。

日本からのCAF入選作

illogicTree / Eddie Lee 氏 “Artifacts”

デモシーン部門の作品。Tokyo Demo Fest 2013のグランプリ受賞作。OpenGL, OpenCLや、Gamemonkeyなどプログラミング技術を駆使して作られた映像作品。

トランジスタ・スタジオ/森江康太 氏 “Express”

統合CGツールHoudiniを駆使した、水表現に注目のミュージックビデオ作品。

(メイキング)

太陽企画/早井 亨氏 “not over”

モフモフとした質感の巨大生物が雄大な景色を渡り歩く作品、会場からは女性達からの感嘆の声が流れていた余韻の残る作品

MagicPictures Studio, 千葉 真 氏 “Subaru XV: The Battle With Symmetrical AWD”

金属でつくられた四脚の野獣たち疾走する車のTVCM

デジタルフロンティアのアニメ映画 “おおかみこどもの雨と雪”

背景美術で駆使されたアニメ映像と融和したCG技術が評価された。

txt:安藤幸央 構成:編集部
[SIGGRAPH 2013] Vol.02

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[ DATE : 2013-08-01 ]
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