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[CEATEC2011]Vol.05 CEATECの会場から4Kの動向を探る

2011-10-07 掲載

2009年や2010年のCEATECでは3D対応の液晶テレビが話題になったが、今では大型液晶テレビに3D機能が搭載されていても特に驚くようなことではなくなっている。では、「次のテレビのトレンドは何なのか?」といわれれば、「4K」だろう。

4Kとは、フルHDの解像度1,920×1,080の4倍にあたるQFHDの解像度3,840×2,160を実現したビデオフォーマットのことだ。今年のCEATECの会場ではいくつかのメーカーから民生用の4K対応液晶テレビが登場し、液晶テレビでこの解像度が注目され始めている。そこでCEATECで展示されている4K対応液晶テレビや4Kの編集ソリューションを紹介すると同時に、「なぜ4Kをリリースするのか」といったことや「4Kに対する来場者の雰囲気」、「今後の展開」などを各メーカーに聞いてみた。

フルHDを超える4倍画素を搭載する「レグザ 55X3」

今年のCEATECの注目製品といえば、フルHDの4倍もの解像度を実現する829万画素のQFHDモデルを商品化した「レグザ 55X3」だ。CEATECの会期前日の10月3日に発表されたばかりで、今年のCEATECの会場の中から斬新で革新的なものを選ぶCEATEC AWARD 2011のメディア投票部門でグランプリを受賞するほどの話題の製品だ。

ちなみに、東芝はカタログやWebページなどでは4KのことをすべてQFHDと表記している。東芝ブースでこの件を尋ねてみたところ、特に意味はないという。業界内で「4K」と呼ぶか、「QFHD」と呼ぶか、まだメーカーによってばらつきがあるというのが現状のようだ。本稿では東芝の製品に関してはQFHDと表記をして紹介をしていく。

特徴は、フルHDの4倍もの829万画素という情報量をもっているQFHDパネルの搭載だ。東芝自身はパネルを自社で作っていないので、どこのパネルメーカーかが気なるところ。しかし、その名は明かされなかった。ある会社とアライアンスをして55X3を実現したとのことだ。また、4倍画素QHDFパネルの能力を生かすために「レグザエンジンCEVO Duo」と呼ばれる超解像度技術を搭載している。「再構成型超解像処理」や「自己合同性型超解像技術」、「複数フレームによる超解像技術」、「色超解像度技術」といった従来のCEVO Duoに搭載されている超解像技術に加えて、55X3はさらに色の濃い映像の細部の質感を向上する「カラーテクスチャー復元超解像技術」を追加している。

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写真はレグザ 55X3。発売は12月中旬で価格はオープンプライス。市場実勢価格は90万円前後。

ところで、QHDF対応のような高解像度化は全ての人が歓迎するわけではなく、中には否定する人もいる。例えば、「解像度にマッチしたコンテンツがなければ意味がない」とか、「民生用のテレビで本当にこの解像度が必要なのか?」といった意見だ。55X3の発表会で東芝デジタル プロダクツ&サービス社の大角正明社長も「この解像度が必要なのかという議論や、放送のところで難しいところもある」と語ったが、続けて「技術は常に先を求めてやっていくものだと思っている」と民生機器の高解像度化を牽引していく発言を行っていた。そして、「実際に見てほしい。1K、2Kと大きな違いが間違いなく見られる」とクオリティをアピールをしていた。

確かにデモを見てみると、それらの不安は払拭される感じだ。ブースのデモ機を見て「これすごいね」とか「きれいだね」という人が多い。至近距離で見ても「きれい」というのが感想だ。

例えば、従来の55インチのような大画面テレビでフルHDの映像を至近距離でみると、さすがに1画素あたりのサイズも大きくなるためにぼやけが感じられることがあった。しかし、55X3ではそのようなぼやけが感じにくいのだ。また、肌の質感などがリアルで、シワまで見えてしまう感じだ。ブースのスタッフに「特別な信号を入力しているからきれいなのではないか」と質問をして、「一般のケーブルで入力されている映像ですよ」と答えるやり取りも見られたこともあった。

高解像度化を疑問視していた人も、「高解像度化はいいね」と改心しそうな魅力を秘めた製品と感じた。同時に、放送の解像度は現状のままでも、テレビのパネルの解像度は今後さらに上がっていくのではないかと予感をさせる製品でもあった。

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55X3はCEATEC AWARD 2011のメディア投票部門でグランプリを受賞した。


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ブースのデモ機の様子。来場者の多くは至近距離で画質を評価していた。

ソニー初の4K対応コンシューマー製品はホームシアター

もう1つのCEATECで公開されている注目の新製品は世界初の4Kホームシアター「VPL-VW1000ES」だ。ソニー初の4K対応コンシューマー製品は液晶テレビではなく、ホームシアターであった。というのも、ソニーは業界内で唯一、業務用4Kデジタルシネマプロジェクターから上映用サーバーまでを構成した「デジタルシネマ上映システム」を自社で開発して、全世界の映画館に展開している。その累計出荷台数は1万台に達しているという。そちらの領域で培ってきた4Kに関する様々な技術を結集して、家庭用に展開したのがVPL-VW1000ESとのことだ。

特徴は忠実に4,096×2,160ピクセルの4K映像を映し出すことが可能なことだ。ただし、一般の人が4Kのコンテンツを入手するのは困難な状態だ。現状でコンテンツを楽しむには、別売りの変換ボックスを通してHDMI経由でプロジェクターに入力をすることにより、30フレームの4Kで投影が可能だ。また、「プレイステーション3」経由で4Kの静止画を楽しめるアプリケーションソフトウェアを2012年年初に提供する予定だ。

では、なぜソニーは民生用の4K製品のリリースしたのだろうか。CEATECの前日の10月3日に行われた発表会で、ソニーの業務執行役員 根本章二氏は、「4KはB2Bの中でも重要で成長が著しいジャンル」と紹介し、続けて「4Kホームシアタープロジェクターを通して、私たちは家庭でも映像エンターテイメントを楽しんでいただける環境を創造、整備していきたい。それが現在、4Kに取り組んでいる意義であり、目的でもある」と意気込みを語った。

また、4Kは視聴環境でも優位性があり、フルHDの画像の場合、画面の高さの3倍程度の距離をとって視聴をしなければ画像の粒状感が目立ってしまうが、4Kであればその距離を1.5倍程度まで短縮できる。スクリーンから近い位置で映像を楽しめるので、より臨場感をもってエンターテイメントを楽しめることもアピールしていた。

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世界初の4Kホームシアタープロジェクター「VPL-VW1000ES」。発売は12月下旬。168万円


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撮影から制作、配給、上映までの4Kのワークフローも展示されていた。


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新開発されたARC-Fレンズ。中心部から周辺部まで、また近距離投射時から遠距離投射時まで安定した4Kプロジェクターにふさわしい結像性能を達成している。

アストロデザインは4Kトータルシステムを出展

アストロデザインは今年もCEATECのコンテンツエクスペリエンスゾーンで業務用の4Kソリューションを出展した。今年は、カメラ、レコーダー、モニタといった、撮影から上映まで全て自社製品で揃えたトータル的な4Kのソリューションの提案を行っていた。

アストロデザインというと、常に最新技術をいち早く採り入れた製品開発に定評がある。なので、販売先のほとんどは大手電機メーカーの研究開発部門だという。研究開発段階でカメラを研究しているが、「映すモニタがない」といった場合はモニタを提案する。モニタを開発していて「上映するのに映すものがない」といったらレコーダーを提案するといった具合に、各開発メーカーに沿った形の提案ができる。また、初期から4Kの開発を行ってきているので、コンテンツによってどういう形で流せるのか、といういアドバイスができるのも強みだという。

展示されていた60インチ4K対応モニタは参考出展のもので、来月行われるInter BEEで正式な販売開始になるという。それ以外に28インチ、36インチ、56インチがあり、全部で4Kモニタを4モデルラインナップ中とのこと。

ちなみに、昨年のCEATECでも4Kソリューションを出展した同社だが、今年のCEATECの来場者は4Kに対しての認知度がかなり向上していると紹介してくれた。

「去年までは”4Kって何?”という来場者が多かったですが、今年はいろんなところで4K対応の製品が出展されているためか、”これは4Kなんですか?”という感じで聞かれる場合がありました。4Kもだいぶ浸透してきたようで、嬉しいです」(アストロデザインの営業部、永井智毅氏)

気になるのがアストロデザインの今後の商品展開だ。常に一歩先をいくアストロデザインだが、今後どんな新製品を予定しているのだろうか。

「次はどうするのか? ということを常に考えていかないといけないと思っています。理想は来年のCEATECやInter BEEとかに8Kを展示できたらいいですね。いつになるのかというのは微妙です。8Kの展示に関しては、7月に「プライベートショー2011」という自社の展示会を行い、そこで8Kのシアターを作って上映をしました。いろんなメーカーさんのご協力をいただいてなのですが、そういうところでは環境は整いつつあります」(永井氏)

もしかしたら、来年のCEATECやInter BEEのアストロデザインブースで、8K関連の展示が行われているかもしれない。アストロデザインの動向に注目をしていきたい。

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アストロデザインのブース。4KカメラからSSDレコーダ、液晶モニタまで、4Kの収録から表示までのワークフローを展示していた。


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参考出品で60インチの4K対応液晶モニタ「DM-3412」が展示されていた。

最高品質の4K-3Dモニターを出展

計測技術研究所も「コンテンツエクスペリエンスゾーン」で4Kカメラからディスクレコーダー、4K-3Dモニターを揃えて展示していた。その中でも4K-3Dモニターは、今年のNAB 2011で初公開された非常に高品質な4K対応の3Dモニタだ。3D表示方式はパッシブ方式。ハーフミラー式なので、解像度を落とさず輝度も明るく見られる。非常に高品位の部類に入るモニタだ。フレームレートは60Pにも対応というのも特徴だ。他社が真似できないほどの高品質なモニタで、「とんがりすぎちゃって商売になるの?って感じです」と同社営業部 ビジュアルウェア課 マネージャーの田端宏至氏が控えめに紹介しつつ、「ただ、”世の中まだまだきれいなものがある“ということもアピールできていると思います」とも語った。

田端氏は今年のCEATECの製品動向から、4Kの今や今後についても雑感を語ってくれた。

「今まで”HDだ””4Kだ”と言っていたのですが、垣根がなくなっているような気がします。例えば今回のレグザの裸眼立体のベースは4Kです。そういうのが普通にコンシューマーの中に入ってくるという下地にでてきたと思っています。そういう意味では、4Kは廃れたのではない。差別化になるアドバンテージとして認識されてきたのではないかという気がします。そして今後は4Kだけれども4Kを認識させない製品が理想ではないかと思います。

4Kといった瞬間”放送は4Kではない”と多くのコンシューマーの方は言います。”そんなことは意識しなくてもあなたの自宅には4Kのテクノロジーがすでに入っている“という戦略がくるのではないかと予想しています。たとえばレグザエンジンとかもそうです。それらが4Kを家庭に普及するキーになるのではと思っています」

計測技術研究所の今後の製品動向もうかがってみた。

Inter BEEで目玉の商品を発表する予定です。それなりのものを用意して出展する予定ですので、期待をしていてください」(田端氏)

新製品についてはまだ秘密とのこと。Inter BEEでの計測技術研究所のブースに注目だ。

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4Kカメラからディスクレコーダー「UDR-40S-DV」、ハーフミラー式の4K-3Dモニターを展示。


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従来にはない奥行き感を体験できる27.8型ハーフミラー式4K-3Dモニター。


Vol.04 [CEATEC JAPAN 2011 テーマ別レポート] Vol.06

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[ DATE : 2011-10-07 ]
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