ここではその他の主な注目展示について、フォトダイジェスト形式でお伝えする。

■Blackmagic Design
IBC2014_04_BMD

今回もBlackmagic Designは、カメラ製品では2機種のPLマウントバージョンと、Ultra HD対応マルチビュー、12G-SDIベースのUltra HDモニタリングおよびDeckLinkカード、DaVinci Resolveのアップデート、40×40ルーター、ミニコンバーターの新モデルなど、14の新製品発表に加え、先日買収を発表した、Eyeon Softwareのソフトウェア製品である「Fusion」を早くも展示。Fusionは、ハイエンドのハリウッド作品等でも多く使用されている、完全ノードベースのエフェクトソフトウェア。会場では最新バージョンのFusion7.0がデモされていた。

IBC2014_04_BMDFusion
■Vocus
IBC2014_04VocusFS7

地元オランダのカメラリグメーカー、Vocusは1989年創業、今年25周年を迎えている伝統あるメーカーだ。ウォールナットを削り込んだ木製ハンドルや、しなやかなレザーグリップの独特の仕様で人気を得ている。またこのIBCでは早速ソニーの新製品PXW-FS7用リグの新製品を展示。ソニー純正のアーム部ハンドルよりも操作性が高いと来場者からは高い評価だそうだ。その他、キヤノンXF205用のショルダーリグや、α7Sなどの小型DSLR用に自由にケージ部をフィットさせることができるリグなど、最新のカメラ新製品にいち早く対応している。

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25周年のロゴが踊るVocusブースで、CEOのFred Block氏

■Tokina
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Tokinaのシネマレンズ、CINEMA ATXシリーズの3本目、50-135mm T3を展示したTokinaブース。本来であればこの時期に正式リリースを予定していたそうだが、残念ながら設計の見直し変更により、少し発売時期が伸びてしまったそうだ。

IBC2014_04_Tokina11-16PL

日本では年内、海外では来年2~3月をメドとしている。こちらのレンズマウントは16-28mm T3と同様にPLとEFマウントが用意されている。また11-16mm T3に関しては、従来のEFマウント、MFマウントに続いて、ユーザー待望のPLマウントバージョンを発表。こちらも参考展示されていた。

■ATOMOS
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NABで発表された、パナソニックGH4、ソニーα7Sユーザー待望の4KレコーダーSHOGUN。出荷が1ヶ月超延期してしまったが、相変わらずの期待度の高さでブースでは人気を博していた。ATOMOSは今回、NABに引き続き、会場内のバナー広告にも積極的に力をいれており、Blackmagic Designに迫る規模でバナー展開していたのが印象的だった。

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■AJA
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発売直前の話題の4Kカメラ、AJA CIONの特別コーナーをブース前に設置。撮影素材の映像も公開するなど意欲的な展示を行っていた。今回のIBCでは各周辺機器、サポートリグメーカーが正式にCIONへの対応を発表。

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Alphatron Broadcastの電子ビューファーを始めとするリグ周辺機材、Zacuto / Vocus / Wooden Cameraのカメラアクセサリー群、MTFのレンズマウントなどが正式対応している。またCIONのRAW撮影モードのフォーマットである「AJA RAW」については、Adobeが最新のPremiere Pro CCにて対応を表明、会場ではそのプレビューも行われていた。

■Alphertron Broadcast
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Alphertron Broadcastの新型EVF、EVF-035W-3Gは、従来からのマグネシウムハウジングと、HDMIのin/out、HDMIからHD-SDIへのコンバート機能内蔵、フォーカスアシスト、ウェーブフォーム、ベクタースコープに加えて、新たにアナモフィック用のデスクイーズ機能を搭載した。またこのEVF用にデザインされた、15mmのロッドに装着可能な専用ブランケットもある。

■codex
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codexのブースでは、同社の高性能ミニカメラCodex Action Camを展示。グローバルシャッター付きのコダック社製2/3インチの単板CCDを搭載。14bit相当のダイナミックレンジを有して12bit RAWのデータを1本のCO-AXケーブルでcodexレコーダーに収録可能。最大延長は180mまで可能だという。最大60fps撮影が可能でレンズマウントは基本がCマウント仕様だが、PL、EF、B4マウントのオプションも用意されるという。

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ARRI ALEXA、ソニーF65、F55、F5にシンクロする機能なども持っている。ブースでは、単体の展示のほか、stereotec社のACTION CAM用のボックス型の3D撮影ユニットACTION CAM 3Dも同時に展示。

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■SanDisk
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メモリーカードの世界もいよいよ4K Readyの時代に突入。SanDiskのブースでは従来からのSD、SDHC、CFカードに加えて、新たにExtreme PRO SSDなども4K対応製品を中心に展示。Blackmagic Production Camera 4Kや、4K対応が噂されているARRIのAMIRA等での使用が可能だ。

■Colorfront
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RAI会場の近隣にあるHotel Okuraの一室では、colorfront社のスイートデモが業界関係者のみに公開され、8K60pのリアルタイム再生のデモンストレーションが行われていた。これは同社のオンセットデイリーシステム『On-set Dailis with Transcorder Option』上で、4Kの4倍にあたる8K画像を、リアルタイムでカラーグレーディングして上映配信できるというもの。

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それが、市販品のHPのSuperMicroに、グラフィックカードはnVIDIAのK6000で実現できるという、リアルタイム処理のデモは非常に各所から大きく注目されており、今後は、特に大型映像などでの運用に有効だろうということで導入もすでに検討されている。会期中はプレゼンの申し込みが耐えなかったそうだ。



txt:石川幸宏 構成:編集部


Vol.03 [IBC 2014] Vol.05