[InterBEE 2014]会場出口インタビュー

InterBEE開催50周年ということもあり、出展者数は過去最多となる977社に上った。ということで、今年は会場も1ホール拡張し、幕張メッセ展示ホール1から6までを使用しての開催となっている。初日の幕張メッセ会場は快晴ということもあり、開場前から入場を待つ行列もひときわ長いように思われた。

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さて、すでに4K/8Kによる放送のロードマップも発表され、スカパーなどでは放送が開始されている。20年に開催される東京オリンピックには本放送も始まることから、各社とも対応製品の出展が数多く見られた。4Kカメラのトレンドはいわゆるデジタルシネマ用が主流の時代からアフォーダブルなデジタルシネマ用、更には放送を目的としたUHDへと製品の内容が変わってきており、今年のInterBEEでは性格の異なる4Kカメラが各社から出展された。

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54.12☓25.58mmというシネ65mm(52.5☓23mm)相当のセンサーを搭載したARRI ALEXA65。64mm径のARRI XPLマウントを採用したカメラとなっており、レンズとともにレンタルのみとなる予定だ

デジタルシネマ系ではARRIから65mmシネサイズのセンサーを搭載した6KのALEXA 65の発表がありARRIの国内代理店であるナックのブースでは実際にこのカメラで撮影された映像が上映されていた。ALEXA 65はレンタルのみで販売はしないとのことで、同時に発表された8本の単焦点レンズと1本のズームレンズとともにレンタルされるという。

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ショルダータイプデザインのAJA CION。見かけによらず本体質量は3kg以下と軽量だ。マウントはPLが標準でEFマウント仕様にすることも可能

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CIONにはイーサネットコネクターが装備されており、PCで設定などのコントロールが可能。ハブなどを使用してCCUのように複数のカメラを1台のPCでまとめて設定することができる

一方、AJAから今年のNABで発表となったCIONは、そのスタイリングからも分かる通り、ビデオライクな撮影スタイルに対応したカメラだ。今月から販売受付を開始し、来月から順次出荷される予定となっている。AJAブースには複数のカメラが出展されていたが、メニュー等で一部不都合のあるカメラもあり、完全版のカメラは来月からの出荷に備えているようだ。

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基準ISO感度2000、トータルラチチュード14stopのXDCAMメモリーカムコーダーソニーPXW-FS7。4K Super35mm CMOSセンサー搭載で、2K RAW240fpsでの撮影が可能

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キヤノンEOS C100 Mark II。EOS C100の後継機。画像処理エンジンにDIGIC DV 4を搭載することで、偽色やモアレ、ジャギーの発生を抑え、高感度撮影時のノイズも低減している

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B4マウントのショルダータイプ4Kカメラ 日立SK-UHD4000。2/3型MOSセンサーを4枚採用しており、SN比59dB、感度F8の性能を備えている。HD-SDIの同時出力も可能なほか周辺機器としてCCUが用意されている

国内勢もソニーからハンドヘルドタイプの4KカメラPXW-FS7やPXW-X70が出展されたほか、日立からB4マウントのショルダータイプ4KカメラSK-UHD4000が、パナソニックからもVARICAM HSやハンドヘルドタイプの4Kカメラが出展された。4Kには4096×2160と3840×2160という解像度があるが、4096×2160は映画関係の業界団体Digital Cinema Initiatives(DCI)が3840×2160はInternational Telecommunication Union(国際電気通信連合=ITU)が制定した規格ということもあり、こうした仕様でデジタルシネマか放送用カメラかを区別することも出来そうだが、両方に対応したカメラもあり、簡単に割り切れないのが現状だ。ただ、3840×2160はHD(1920☓1080)の縦横ともちょうど2倍となっており、4096×2160のように微妙にアスペクト比が違ってしまうことはない。

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カメラリモコンが用意されており、現行カメラと同様な運用ができる日立8KカメラSHV-8100。レンズマウントはPLで、HDと同じ光ケーブルでCCUとカメラ間を最大1kmまで延長可能

4Kはこのようにすでに実践段階を迎えており、アストロデザインや池上通信機、日立などは8Kへと向かっている。UHDはカラースペースや記録フォーマット、伝送方式などの規格が決まったということもあってか、ここ1年ほどで一気に製品化が進んだといえよう。