PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [CES2015]Vol.07 スマートテレビは第二世代に向う〜2015最新事情
News

[CES2015]Vol.07 スマートテレビは第二世代に向う〜2015最新事情

#Report NOW! #CES2015

2015-01-09 掲載

txt:江口 靖二 構成:編集部

2015年のテレビはどうなるのか?

CES2015でのテレビ関連でのポイントは2つある。1つはQuantum Dot TVやHDRなどの色表現に関しての話題。もう一つがスマートテレビだ。スマートテレビには明確な定義があるわけではない。3年ほど前からテレビをネットに接続して、YouTubeのような放送以外のコンテンツを視聴するためにさまざまな試みが行われてきた。当初はTwitterのタイムラインをテレビに画面分割表示する機能も多く登場したが、やはりテレビといった家庭内でのパブリックなディスプレイに対して、プライベートなSNSを表示するというのはあり得なく、すっかり無くなってしまった。ちょうどこの頃に、GoogleTVが鳴り物入りで登場したが見事に失敗した。この辺りが第一世代といえるだろう。

CES2015_07_GoogleTV GoogleTVの時のソニーブース

少なくとも第一世代のスマートテレビは、全くスマートではなかった。ひたすら多機能になり、操作が複雑で、そのためリモコンには無数のボタンが並び、そこ結果新たに得られるものは、NetflixとhuluとYouTubeがテレビで見られることだけだった、と言ってもいいだろう。

CES2015_07_VieraConnect 第一世代スマートテレビのヴィエラコネクト。整然と並んだボタンをリモコンの上下左右キーで動かす

第一世代で浮き彫りになった課題は、結局はコンテンツとしてはYouTube、Netflix、huluでほとんど事足りる、というのは言いすぎだが相当それに近いということだ。極端にロングテールなコンテンツが無数にニーズがあるわけではない。そしてこれらと放送を切り替えて視聴しようとすると、結構もたつくのも気になった。これはテレビ視聴系とネット系の回路や信号処理が独立しているためだ。テレビチャンネルを切り替えるように、テレビとネットの間をサクサク行き来することが難しかった。

こうした課題解決のために、メーカーが同時に向かったのが軽いOSの導入である。これらは自社で一から開発するよりははるかに手軽で、安価で、スピーディーに導入ができるからである。スマートフォンとの親和性も高い。パナソニックは「Firefox OS」、サムスンは「Tizen」、LGは「WebOS」、そしてソニーとシャープは「Android TV」だ。

各社の選択を並べてみると見事にバラバラになっているが、これには事情がある。VHSとベータ、ブルーレイとHDDVDのような場合では、コンテンツ流通のためには完全な標準規格化が必要になる。一方ネット上でコンテンツを配信する場合には、TCP/IPやHTMLのレイヤーでデファクトとして標準化できてさえいれば、あとはコーデックがH.264、HEVC、あるいはYouTubeのVP9なのかという問題だけだ。

「だけ」というのは乱暴であるが、ここを標準化するために時間と労力を費やしても、進化のスピードを考えるとデファクト主義で行かざるをえないのがインターネット側の事情である。いいか悪いかはともかく、スマートテレビの規格を標準化しようと考えているのは日本のハイブリッドキャストくらいである。

では各社の第二世代スマートテレビを見てみよう。まずはAndroid TVである。実はソニーとシャープでかなりデザインや動作が異なっている部分がある。

ソニー | Android OS

CES2015_07_DSC09970 ソニーのAndroid TV。すべての操作項目を表示させた場合。ホタン類は上下にスクロールする。ただし通常はこの状態にして操作させる前提にはなっていない CES2015_07_DSC09977 リモコンは非常にシンプル。上半分はタッチパッド

ソニーのAndroid TVにはホーム画面という考え方がない。「ワンフリックエンターテインメント」をキーワードに、非常にシンプルなタッチパッド付きのリモコンを指先でフリックすることからスタートする。どちらかというと、今見ているコンテンツを中断させること無く、次の選択を行えるといった、思考や操作を中断しにくいUIUXだといえる。

CES2015_07_DSC09974 人差し指などでタッチパッド部分を上にフリックすると、画面下部に操作メニューが現れる

シャープ | Android OS

CES2015_07_DSC09788 シャープのAndroid TV。ソニーと比較するとかなりUIや構造が異なっている。それほどAndroid TVは柔軟な対応が可能とのこと

シャープは自社のスマートテレビ機能であるSmartCentralの中のAndroid TVは1プラットフォームという位置づけである。放送とネットの切り替えも相当ズムーズだ。

また両者ともに、Android TV そのものを全面に出して訴求するということを行っていない。むしろブース内ではほとんど気が付かないくらいの訴求である。これはAndroid TVというプラットフォームを全面に出してしまうと、他のAndroid TV採用メーカーとの差別化が出来なくなってしまうジレンマがあるからだ。

CES2015_07_DSC09971ソニーのAndroid TVの説明のためのプレート。ここにしかAndroid TVの文字はソニーのブース内にはない CES2015_07_DSC00012 シャープブースでもAndroid TVとしての訴求はたったこれだけ。現場ではロゴはほぼ読めないほどだ

パナソニック | Firefox OS

CES2015_07_DSC00020 Firefox OSを採用したマイホームスクリーンの画面

パナソニックはFirefox OSを採用する。しかしまだまともに動いている感じとはいえず、リモコンもオリジナルではないということで撮影は許されなかった。デザインも動きもあまり洗練されている感じがしなかったので、今後に期待をしておきたい。

CES2015_07_DSC00021 極端にシンプル

サムスン | Tizen OS

CES2015_07_DSC09991サムスンのTizen OS

サムスンはTizen OSである。全体としてUIデザインが良くない。写真にあるようなAPPs選択画面のこの配列デザインはどうかと思われる。操作していても楽しさを感じなかったのが残念。

CES2015_07_DSC09996 サムスンのリモコンは特徴なし

LG | WebOS

CES2015_07_DSC00097 WebOSを搭載したTV

LGはWebOSを昨年から採用、展開している。LGは赤外線によるリモートマウスで操作を行うのだが、これがやはり使いにくい。手に持ったリモコンはどうしても手が動いてしまうので、画面上でも細かく振動して見えてしまう。GUIデザインも比較的選択エリアというかボタンエリアが狭いので、操作を慎重に行わなければならない感じがする。この点を除けは、切り替えなどのスピード感は最も速い印象を受ける。

CES2015_07_DSC00098 LGの赤外線マウス搭載のリモコン

こうして各社の製品を操作してみると、サクサク感や操作性については、かなり向上したと思う。UI/UXについてはまだ改善の余地があるのは事実だ。また肝心のコンテンツ、あるいはこれで、どういう新しさや利便性を視聴者に提供してくれるのかについては、まだ未知数のままだ。


txt:江口 靖二 構成:編集部
Vol.06 [CES2015] Vol.08

[ Category : , ]
[ DATE : 2015-01-09 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[CES2020]Vol.11 Crystal LEDとAtom Viewで実現するヴァーチャルセット最前線~まさにリアルを超える?!

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部 リアルとバーチャルの境目がなくなる影像制作 CES 2020はそれまでのCESの歴史から大きくシフトを宣言している年であ... 続きを読む

[CES2020]Vol.10 テレビ局が不在でも完全に8Kが主流のCES2020

txt:江口靖二 構成:編集部 CES 2020の主流が「8K」となった理由 CES 2020では完全に8Kが主流である。グローバルで市場を牽引する中国とアメリカでは、... 続きを読む

[CES2020]Vol.09 「次の10年のエンターテインメント・プラットフォーム」とは?〜モバイル向け動画配信サービスQuibiスタート直前

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 モバイル向けストリーミングサービス「Quibi」とは? 生活を変えるテクノロジーのショーケースとして... 続きを読む

[CES2020]Vol.08 日常が“つながる”と意外なものがメディアになる?未来の生活を彩るものたち

txt:平野陽子 (大広) 構成:編集部 2020年1月7日~1月10日、米国ラスベガスにて「CES 2020」が開催された。すでに多くのメディアで語られているが、再度振り返... 続きを読む

[CES2020]Vol.07 人工人間、身体性が問われるテクノロジー「NEONプロジェクト」

txt:西村真里子 構成:編集部 CES 2020で注目のテクノロジー「NEON」とは CES 2020の日本のスタートアップが出展するEureka Parkに... 続きを読む

[CES2020]Vol.06 目の付け所がAIなプロダクトが続々登場〜会場から見えてくるAIプロダクト達

txt:江口靖二 構成:編集部 進化する画像センサーがより良い未来を作る サムスンの「Ballie」は目の付け所がサムスンなプロダクトだ。百聞は一見にしかず、サムス... 続きを読む

[CES2020]Vol.05 航空会社として初基調講演。デルタ航空が考えるイノベーション〜パラレル リアリティ ディスプレイ

txt:江口靖二 構成:編集部 航空会社として初めての基調講演 CESでのキーノートには、例年家電メーカーであったり、インテルやクアルコムのようなチップ系のメーカー、最近では自... 続きを読む

[CES2020]Vol.04 より多くの人を集めるために〜CESにおける「見せ方」と「ブランディング」効果とは?

Audiのブースは上からキラキラしたリボンが無数に装飾されており、否が応でも足を踏み入れたくなる txt:清水幹太 構成:編集部 来場者の気を引く“見せ方”は多種多様 ... 続きを読む

[CES2020]Vol.03 一般化を迎えたカテゴリーに花開く、味わい深いプロダクトたち〜展示会スタート

txt:清水幹太 / 編集部 構成:編集部 いよいよ展示会が始まる MediaDayが終わり、CES展示会場での展示がいよいよ始まった。CESの他の展示会と大きく違う点... 続きを読む

特集記事

	
Shoot with Vlog cam Shoot with Vlog cam
個人の動画ブログ「Vlog」が隆盛するいま、Vlog用カメラを通して映像を撮ることを数回にわたり考える。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part II
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part I
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
AfterCOVID-19 映像業界サバイバル AfterCOVID-19 映像業界サバイバル
社会的危機となっている新型コロナウイルス拡大の状況を分析し、今何が起こり、何が必要で、その後に何が訪れるのかを考えてみる。
Film Shooting Rhapsody 上映編 Film Shooting Rhapsody 上映編
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。今回はフィルム現像から紹介する。
再現:NAB2020 再現:NAB2020
米国ラスベガスにて開催予定だった世界最大の放送機器展覧会 2020 NAB Showでお披露目される予定だった内容を再現していく。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。
再現:CP+2020 再現:CP+2020
開催中止となってしまったCP+2020をPRONEWS誌面上で再現して行く。
CES2020 CES2020
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2020をレポート。
PRONEWS AWARD 2019 PRONEWS AWARD 2019
2019年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
Inter BEE 2019 Inter BEE 2019
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2019の歩き方 InterBEE 2019の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
フィルム撮影の経験をしたい人に向けてフィルム撮影で必要な各種の工程について解説していく。
IBC2019 IBC2019
欧州最大の業務用映像・音響の専門展示会「IBC2019」をレポート。
新世紀シネマレンズ漂流 新世紀シネマレンズ漂流
シネマレンズを中心に一眼やミラーレスデジタルカメラの動画撮影機能と組み合わせて使われる交換レンズの最新動向を紹介する。
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [CES2015]Vol.07 スマートテレビは第二世代に向う〜2015最新事情