ミラーレス一眼へトレンドの流れが変化

カメラは、デジタル一眼による動画撮影からミラーレス一眼へトレンドの流れが変わり、手軽にデジタル一眼のクォリティを手にできるミラーレスに各社ともに力を入れてきた。特にキヤノンの参入により活気づいてきたともいえるが、現行のデジタル一眼ほどレンズを初めとした周辺機器が揃っていないのが現状だ。フィルムカメラの時代から長い時間をかけて揃えてきたレンズのラインナップはミラーレス用にそのまま使えるとは限らず、新たに設計し直さなくてはならないことが多い実情もある。

毎年ミラーレス用の交換レンズは増えているが、比較的使用頻度が高い焦点距離のズームレンズが多く、単焦点のレンズはなかなか手がつけられないようである。というのも先鞭をつけて発売したパナソニックとオリンパスはマイクロフォーサーズでそれ以外のメーカーはセンサーサイズがまちまちだったり、マウントが異なるため互換性に問題があるからだろう。ちなみにCP+直前にマルチコプターのメーカーであるDJIや中国のレンズメーカーJCD Optical、放送機器などを手がけるフローベルと言ったメーカーもマイクロフォーサーズに参入しているので今後に期待が持てそうである。

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初日、二日目と週末に向けて来場者は増えていく

一方カメラ本体は新たなセンサーへの対応や画像エンジンのデバイスが新しくなるなど、毎年のように新製品が発売されている。すでにほとんどのカメラメーカーは35mmフルサイズ対応のレンズとAPS対応のレンズラインナップを揃えているが、今年は更に新製品のレンズが登場している。

一例を上げてみるとソニーは35mmフルサイズ対応のFEレンズDistagon T*35mmF1.4のほか、FE90mmF2.8MacroやFE28mmF2、FE24-240mmF3.5-6.3の4本を、キヤノンは超広角ズームレンズEF11-24mmF4L USMを、ニコンはDXフォーマットのNIKKOR 55-200mmとAF-S NIKKOR 300mmの2本、パナソニックはマイクロフォーサーズ対応の30mmF2マクロレンズを新製品として発表。

レンズ専業メーカーは、シグマが24mm F1.4 DG HSMと150-600mm F5-6.3 DG OS HSMの2本、タムロンはSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD、28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD、14-150mm F/3.5-5.8 Di III、18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC、16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO、SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USDの6本、トキナーはAT-X 24-70mm F2.8 PRO FX、AT-X 11-20 PRO DXの2本が主な新製品だ。

■キヤノン EF11-24mmF4L USM
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非球面レンズやUDレンズをふんだんに採用したキヤノン超広角ズームレンズEF11-24mmF4L USM

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EF11-24mmF4L USMのカットモデル

■ソニー FEレンズシリーズ
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ソニーは35mmフルサイズ対応のFEレンズDistagon T*35mmF1.4のほか、FE90mmF2.8MacroやFE28mmF2、FE24-240mmF3.5-6.3の4本とワイドコンバーター、ウルトラワイドコンバーターを新製品として出品

■タムロン SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
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タムロンのSP 15-30mm F/2.8 Di VC USD

■シグマ 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sports
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最高レベルの光学性能と運動性能を追求したSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Sportsと持ち運びや長時間の手持ち撮影を考慮した小型軽量が売りのSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary

■富士フイルム Xマウントレンズシリーズ
CP2015_02_0265 富士フイルムが出展していた新製品のXマウントレンズXC16-50mm F3.5-5.6 OIS IIとXC50-230mm F4.5-6.7 OIS II
■パナソニック マイクロフォーサーズ対応30mmF2マクロレンズ
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パナソニックのマイクロフォーサーズ対応30mmF2マクロレンズ

■SAMYANG12mmF2.8ED AS Fisheye
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ケンコー/トキナーが扱うSAMYANGの12mmF2.8ED AS Fisheye

■TOKINA CINEMA PLマウントレンズ11-16mmT3
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ケンコー/トキナーが扱うCINEMAのPLマウントレンズ11-16mmT3

CP+今年のトレンドとは?

さて、こうしたことを背景に今年のCP+のトレンドを探ってみると、大判センサーを採用したカメラとレンズの2つと言えるだろう。センサーは半導体製造技術で作られるものなので、量産しなくては品質の良い(歩留まりの良い)ものが望めないばかりかコストダウンすることが不可能だ。一眼カメラだけでなくコンデジなどにも同じセンサーを使うことで解決しようという方向性が見えてくる。画像エンジンも同様でメーカーによってはビデオカメラにも搭載しており、コスト的に少しでも他社より有利にしていこうという企業努力がみられる。

大判センサーを搭載した主なカメラとしては、ニコンD810A、D5500、パナソニックDMC-GF7、DMC-CM1、SIGMA dp0 Quattro、dp3 Quattro、キヤノンEOS 8000D、EOS 5Ds、EOS M3、EOS Kiss X8iなどが新製品として出展されていた。

■キヤノンEOS 5Ds
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■ニコンD5500
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ニコンD5500のカットモデル

■ニコン1
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1インチ相当のセンサーを搭載したコンパクトミラーレス一眼ニコン1

■パナソニックGH4
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有効画素数約1,605万画素のLive MOSセンサーを搭載しているGH4


Vol.01 [CP+2015] Vol.03