PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [SXSW2016]Vol.02 エンタメの未来は皆のポケットの中に?!大行列のJ.J. Abramsのセッションなど、SXSW フィルム部門2016レポート

News

[SXSW2016]Vol.02 エンタメの未来は皆のポケットの中に?!大行列のJ.J. Abramsのセッションなど、SXSW フィルム部門2016レポート

2016-04-05 掲載

9日間どっぷりインディーズ映画に浸るSXSW2016
txt:Issei Nishikiori・編集部 構成:編集部

大きな変革はSXSWフィルム部門から始まる

今年で30周年を迎えたSXSW(サウスバイサウスウエスト)。その起源はミュージックからはじまった。フィルム部門は1994年から開始している。2016年は3/11~3/19までテキサス州オースティンのダウンタウン周辺の10の劇場で、日夜スクリーニングとセッションが行われた。インタラクティブが有名なSXSWだが、今年は特にインタラクティブ・ミュージック・フィルムの3つを融合した“コンバージェンスプログラム”が大きくなっており、特にFuture of Entertainment部門のセッションは豪華なゲストがたくさん登場した。どこをとっても注目のSXSWであるが特にフィルム部門については、作品、監督、機材など映画にか関わること全てが注目される。今回はフィルム部門について取り上げてみよう。

sxsw2016_02_002 街中はお祭り騒ぎ!ソーシャルメディア社会の闇を描いた人気ドラマ「Mr.Robot」の観覧車も登場

スター・ウォーズ エピソード7のプロデューサーJ.J. Abramsが予言するエンターテインメントの未来

2016年のSXSWの中でもっとも人を集めたといっても過言ではないのが「スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒」のプロデューサーJ.J. Abramsが行ったセッション。彼は長年の友人である映画監督のAndrew Jareckiとセッションを行った。Andrew JareckiもHBOで「The Jinx」というドキュメンタリーを製作し、話題をさらったばかりである。

003 会場となったオースティンコンベンションセンターには長蛇の列が

セッションの中では、テクノロジーがどのように映画製作を変えてきたのかが議論された。映画で描かれる未来の世界は、より“自然”に見せることが視聴者の共感・興奮を強くするため、特殊効果やCG等のテクノロジーは映画の中でその存在感を隠されることが求められる。その挑戦だけでなく、スター・ウォーズ エピソード7では可能な限りキャラクターの人間性にフォーカスしてきたというその言葉に、異論のあるオーディエンスはいなかったはずだ。加えて議論されたのが「テクノロジーの民主化」についてだ。インスタグラムを使って誰もが写真家になる時代がやってきて数年が経ったが、映画製作についても同様のことが言える。「誰もがポケットの中に映画スタジオを抱えている」とJ.J. Aramsは言葉を重ねた。

大きい撮影機材を抱えていけないような場所やタイミングでも、スマートフォンを持つだけで誰でもすぐにドキュメンタリーが撮影できる時代となったと話すAndrew Jarecki。彼は誰でも簡単に映像制作ができるiPhoneアプリ「KnowMe」を開発している。iMovieで映像編集のハードルは確実に下がっているが、KnowMeでは煩雑な編集作業がほとんど必要ない。Snapchatで動画を撮影し個人間でコミュニケーションをとることは浸透してきたが、このようなアプリケーションの登場で映画/映像製作の未来は劇的に変化していくと考えられる。

このような世界を代表するフィルムメーカー2人の変化を恐れない姿勢は、会場に集まった多くのチャレンジャーの心を動かした。

世界初公開!iPhone 6+で4K撮影された映画「9 Rides」

今回のSXSW2016で、もう一つ映画の未来を占う作品と出会うことができた。世界初公開されたiPhone 6+の4Kカメラで全編撮影された映画「9 Rides」である。元NFL選手から転身したMatthew Cherryが監督をしている。

ライドシェアリングアプリのUberで運転手をする男と、彼が大晦日の夜に出会う9組の客を通して展開される物語で、ドライバーの労働環境が問題として上がるUberという最新のサービスを題材にしていることだけでなく、iPhone 6+の4Kカメラで撮影されたというD.I.Y.な映画製作精神が、インディーズのフェスティバルSXSWらしさを極めて表していると言えよう。

上映された日本人関連作品!国内認知も徐々に広がりを見せるか

まだ日本での認知は低いSXSWフィルム部門だが、徐々にその名前は浸透しつつある。今回の日本関連の映画作品を紹介したい。

■We Are X | 日本の人気バンドX JAPANのドキュメンタリーフィルム

製作は日本ではないが、X JAPANのドキュメンタリーフィルム「We are X」が24 beats per secondという音楽ドキュメンタリー部門で上映。オースティンの街中でもよく見かけたポスターに使われているタイトルデザインが一般投票で選ばれた。また、YOSHIKI本人がSXSW期間中オフィシャルショーケースやJapan Niteでライブしたことが日本でもツイッターなどで大きな話題を呼んだ。

■I AM A HERO | Midnighters部門でAUDIENCE AWARD受賞

深夜に見たくなるユーモア/ホラー/セクシー系の部門Midnightersで上映されたのは大泉洋主演の日本の人気漫画「I AM A HERO」の実写版映画。ZQN(ゾンビ)好きのアメリカ人の心を動かし一般投票で受賞した。佐藤信介監督も現地入りし、舞台挨拶を行った。

■ヒロ ムライ氏|MUSIC VIDEO部門で受賞したLA在住の日本人PV監督

Flying lotusやMassive AttackのPVなども手がける世界的なPV監督ヒロ・ムライ氏が演出をしたChildish GambinoのSoberのPVがMUSIC VIDEO部門で審査員賞に選出。レストランでの女性との出会いを摩訶不思議な世界観で表現したPVだ。

2017年、このSXSWフィルム部門の大きな盛り上がりが日本でも大きくなることに期待したい。SXSWフィムルのサブミッションは夏前から始まるので是非応募してみてはいかがだろうか。

参考リンク:
txt:Issei Nishikiori 構成:編集部
Vol.01 [SXSW2016]

[ Category : , ]
[ DATE : 2016-04-05 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[SXSW2019]Vol.07 データサイエンティストが見たSXSW2019の行方

txt:後藤真理絵(ヤフー株式会社) 構成:編集部 Ethical AIとは何か 2019年3月8日~3月13日まで、米国テキサス州オースティンで開催されたSXSW20... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.06 SXSW2019セッション紹介。コンテンツ体験のデータ化と「想像力」

txt:佐々木淳 構成:編集部 リベラル・オピニオンと「エモーショナル」の喧騒 スタートアップ&イノベーション・ショーケースとしての隆盛も一段落し、2000を超すセッシ... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.05 「Sony Wow Studio」三年目の施策。ソニーらしさ健在、賢者との対話に注目

txt:古賀心太郎(アマナビ airvision)&編集部 構成:編集部 SXSW Sony主催WOW Studioでドローン関連セクション 2019年3月8日から... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.04 NHKが牽引する8Kの世界。そして聴覚、VRの可能性を探る展示に注目集まる

txt:岡本侑子(kiCk inc.) 構成:編集部 SXSW2019期間中、NHKエンタープライズはトレードショーで2つの展示を行い、NHKは、昨年に引き続き8Kシアターを... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.03 SXSW2019で語られた、これからの「情報」「メディア」「コンテンツ」のあり方とは

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 新たな形の情報、メディア、コンテンツ 現在の映像とは、映画館、TV、スマートフォン、デジタルサイネー... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.02 SXSWでAmazon、Netflixら新興勢の巨大プロモ合戦〜VOD勢力図に動きあり

txt:萩原明子 構成:編集部 引き続きSXSW Film部門について見ていこう。「SXSW2019」3月8日から17日まで行われた期間中、会場の内外で目立った動きをみせてい... 続きを読む

[SXSW2019]Vol.01 変化が止まらないSXSWには多様性しかない

txt・構成:編集部 SXSWとは、そもそも何なのか? SXSW2019(The South by Southwest:サウス・バイ・サウスウエスト)が今年も3月8日よ... 続きを読む

[CP+2019]Vol.02 ミラーレスカメラの時代到来にともなうレンズの行方とは

txt:稲田出 構成:編集部 レンズの新製品一斉に登場 昨日ほどではないものの朝から小雨が降るあいにくの天候となってしまったが、会場には昨日にも増して多くの来場者で... 続きを読む

[CP+2019]Vol.01 カメラと写真の祭典「CP+2019」開催~カメラの新製品で注目すべき製品たち

txt:稲田出 構成:編集部 あいにくの雨模様でも会場は熱い! 2月28日から3月3日の4日間、パシフィコ横浜にて「CP+2019」が開催されている。カメラショ... 続きを読む

特集記事

NAB2019 NAB2019
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会「NAB2019」をレポート。
SXSW2019 SXSW2019
テキサス州オースティンで開催されたSXSW2019をレポート。
CP+2019 CP+2019
パシフィコ横浜にて開催されたカメラと写真の総合展示会「CP+2019」をレポート。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
いまだから知っておきたいフィルムの現状や伝統的な技術などを紹介する。
CES2019 CES2019
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2019をレポート。
PRONEWS AWARD 2018 PRONEWS AWARD 2018
2018年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
10万円以下のジンバル選び 10万円以下のジンバル選び
一層注目が増している小型カメラジンバルをDJIやZHIYUN、FEIYU TECH、FILMPOWERの4社5機種に渡って比較紹介。
Inter BEE 2018 Inter BEE 2018
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2018の歩き方 InterBEE 2018の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
新世紀シネマレンズ漂流:最新単焦点レンズ編 新世紀シネマレンズ漂流:もの作りの現場から
「新世紀シネマレンズ漂流:最新単焦点レンズ編」の続編。前回紹介することができなかったシネマレンズメーカーを取材。
Photokina2018 Photokina2018
ドイツ・ケルンメッセで開催されたスチルカメラの祭典 Photokina2018をレポート。
IBC2018 IBC2018
オランダ・アムステルダムで開催された欧州最大の映像・放送の展示会IBC2018をレポート。
映画「万引き家族」〜撮影部と撮影監督の眼差し 映画「万引き家族」〜撮影部と撮影監督の眼差し
「万引き家族」はいかにして生まれたのか?今回の特集ではその制作側を覗いてみる。
SIGGRAPH2018 SIGGRAPH2018
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2017をレポート。
BIRTV2018 BIRTV2018
中国・北京で開催されたアジア地区ではInterBEEと並ぶ大規模な放送機器展 BIRTVをレポート。

トップ > 特集 > [SXSW2016]Vol.02 エンタメの未来は皆のポケットの中に?!大行列のJ.J. Abramsのセッションなど、SXSW フィルム部門2016レポート