PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU
  • imgInstagram
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [NAB2016もうひとつの視点]Vol.03 ディズニー最新作「ジャングル・ブック」で注目のバーチャルプロダクション
Special

[NAB2016もうひとつの視点]Vol.03 ディズニー最新作「ジャングル・ブック」で注目のバーチャルプロダクション

2016-05-19 掲載

txt:山下香欧 構成:編集部

駆使されるバーチャルシネマ撮影とレンダリング技術

2016年4月15日より全米公開となったジョン・ファヴロー監督のディズニー最新作「ジャングル・ブック」の制作では、オンセットによるバーチャルシネマ撮影とレンダリング技術が駆使された。本作は、屋外での撮影は一切行われず、米ロサンジェルスにあるスタジオ内で行われている。主人公のモーグリ少年以外の生命体は、すべてCGで創られているにも関わらず、スクリーンに映し出されるシーンはリアルスティックなものに仕上がっている。

 

NAB2016会期中に開催されたセッションCreative Master Seriesで注目度が高かったプログラムの1つ「The Jungle Book”: New technology meets classic storytelling(ジャングル・ブック:新技術とクラシックなストーリーテリングが出会うとき)」では、本作に携わった、視覚効果監督のロブ・レガート氏、プロデューサーのブリカム・テイラー氏、テクニカラーのカラリストマスターのマイク・ゾーヴァ氏が揃い、現場で展開したバーチャルプロダクション技術に纏わるトークが繰り広げられた(ICGマガジン編集のデビッド・ジェフナー氏がモデレーター)。

NAB2016_EX03_session

左からレガート氏、テイラー氏、ゾーヴァ氏

本作のCG制作は、英国ロンドンベースのMPC(The Moving Picture Company、テクニカラーの傘下スタジオ)が、Weta Digitalと一緒に全体の90%以上のアニメーション制作を担当した。そしてCG・VFXプロダクションのデジタルドメインが、レガート氏と共同でバーチャルカメラシステムを構築し、現場でシステムの指導に当たった。800人以上のCGアーティストたちが携わり、54種類もの動物と284セットになった500種類以上の植物を含め、ジャングルという自然環境にあるものがCGで再現された。このため、MPCがインドに持つVFX施設から、ジャングル地域へ実際に行き、10万枚以上の写真をサンプルデータとして収集したという。MPCでは2億4千レンダーファーム時間が費やされ、1984TBものデータが生成された。

ジャングル・ブックの公式トレーラー

レガート氏は、バーチャルシネマ撮影というバーチャルプロダクションについて、マーティン・スコセッシ監督作のアビエイターや、ジェームス・キャメロン監督作のアバターで構想を積み立てていったという。セッション会場では、シーンカットのデモクリップをスクリーンで見せながら、撮影監督ビル・ポープ氏のプロダクションプロセスやライブアクションの撮影の流れなどを説明した。

レガート氏は、「スケッチをして、それを消して、また描き直して」というのと同様に、“(自分の)のクリエイティビティ(創造)は、アナログ思考と行動に基づいている”という。そういったレガート氏の思考の展開はすべて、制作チームが作業しやすくなる、快適な環境をつくるためのツールと方法論を生み出すことにあると話す。

NAB2016_EX03_pupette

シーンによっては、モーグリと一緒に全部のキャラクター役アクターを揃えて撮影するのではなく、アフレコの声に合わせてパペットを動かすことで(パペットはプレビズを見ながら演技)という、レガート氏の云うアナログ手法を施している

NAB2016_EX03_traditional

デジタルドメインのバーチャルセットスタジオでは、10歳の俳優ニール・セティ(モーグリ役)やスタント俳優達のモーションキャプチャがなされ、ライブアクションを撮る場でのバーチャルカメラ(シュミレーションカム)の参照データにした。シミュレーションカムのライブフィードは、実写を撮影するALEXAカメラを通して、モーションキャプチャとプレビズをリアルタイムに合成することができる。これによりCGキャラクターとの掛け合いが、現場でモニターを通して確認ができるようになる。

NAB2016_EX03_unity

ゲームエンジンのクオリティではあるが、現場のアーティストにも最終的にどのような仕上げになるかを視認してもらえる。CGキャラクターは、最終的にはキーフレームでアニメーション付けをされているが、プレ撮影とポストの垣根がないワークフローを構築した。

NAB2016_EX03_rtgraphic

ブルースクリーンに囲まれた中、バーチャルカメラを利用することで、ライブアクション(実写)の撮影のように演技を撮っていけたという。この撮影方法は、インタラクティブで現場に柔軟に対応ができる環境を作り、新しいプロダクションパイプラインとなった。

NABセッションでのハイライトビデオ

txt:山下香欧 構成:編集部


Vol.02[NAB2016もうひとつの視点] Vol.01

[ Category : , ]
[ DATE : 2016-05-19 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

特集記事

Virtual Production Field Guide Season2 Virtual Production Field Guide Season2
バーチャルプロダクション特集のSeason2。引き続き国内の最新の動向やワークフローを追う。
ARRI, my love ARRI, my love
映画機材界の雄であるARRI。日本での販売拡大に注目されるARRIの歴史から実用例までフィーチャーする。
SXSW2021 SXSW2021
3/16~20日にオンライン開催となった「SXSW2021」をレポートする。
Virtual Production Field Guide Virtual Production Field Guide
国内のバーチャルプロダクションの展開と、映像制作ワークフローへの影響について紹介
CP+2021 CP+2021
オンライン開催のCP+2021で発表された新製品をレポート。
新世紀シネマレンズ漂流:NewTrend 2021編 新世紀シネマレンズ漂流:NewTrend 2021編
2020年末から2021年に発売されたレンズ新製品をピックアップする。
映像基礎講座 映像基礎講座 Episode 2
2020年8月に公開された特集「映像基礎講座」続編。引き続き映像の基本や基礎知識を学ぶ。
CES2021 CES2021
オールデジタルのオンライン開催となったCES2021をレポートする。
年末イッキ読み! 年末イッキ読み!
2020年に話題になった製品の特集やコラム記事をまとめて振り返る。
PRONEWS AWARD 2020 PRONEWS AWARD 2020
激動の1年となった2020年の映像業界を、PRONEWS編集部が総括する。
2020年11月特集:[再現:Inter BEE 2020]-Web Trade Show- 再現:Inter BEE 2020-Web Trade Show-
11月18日(水)からオンライン開催されるInterBEEを解説する。
Inter BEE 2019 ぼくらのEDIUS X
約3年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「EDIUS X」の魅力を紹介。
InterBEE 2019の歩き方 Broadcast & Cinema EXPO 2020
映像制作者、映像業界関係者向け情報イベント配信番組。
ATEM WORLD ATEM WORLD
ラインナップ充実のATEM Miniシリーズの選び方や使いこなしをご紹介。
SIGGRAPH2020 SIGGRAPH2020
オンライン開催されたVFXの祭典・SIGGRAPH2020をレポート。
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [NAB2016もうひとつの視点]Vol.03 ディズニー最新作「ジャングル・ブック」で注目のバーチャルプロダクション