PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [IBC2016]Vol.02 トレンドウオッチ@IBC 2016 Part01

News

[IBC2016]Vol.02 トレンドウオッチ@IBC 2016 Part01

2016-09-20 掲載

txt:石川幸宏 構成:編集部

ブラックマジックデザイン

ibc2016_02_bmd

IBC2016では、歴史ある名門企業2社の買収を発表した。まずは同じオーストラリアのデジタルオーディオ製品の老舗メーカーFairlight社。FairlightのLiveシリーズなど、現在はライブオーディオコンソールなどに定評があるが、その昔、1980年に発表したフェアライトCMIは、いわゆる“オーケストラ・ヒット”などの独特の音色を生み出したサンプリング・シンセサイザーの革命的な電子楽器でもあり、その後コンソールミキサーなどデジタルオーディオ分野において長く存在し続ける老舗メーカーでもある。

ibc2016_02_bmd-03

もう1社は過去40年に渡り、放送業界を中心にクロマキー合成のためのキーヤーソフトウェアを提供してきた名門、Ultimatte社だ。これらの買収劇の詳細は、すでに関連ニュース記事で紹介済みだが、今後同社は今年のNABからの流れを見ても明らかなように、ライブ&オンエア系の分野に力を入れて行くと思われる。

2009年以降、ブラックマジックデザインは毎年名門企業と言われる会社を次々と買収、自社製品として最新テクノロジーを注入し、リフォームした自社ブランド製品として現代に蘇らせているのは周知の通りだ。2009年のカラーコレクションシステムのDaVinci Systemsに始まり、2010年にはスイッチャーメーカーのECHOLAB、2011年にはコンバーターメーカーのTeranex Systems。また2012年テレシネやフィルムスキャナーのイギリスの名門企業Cintel Internationalを買収。昨年のNAB2015では同社製品の“Cintel Film Scanner”として、デジタル時代のフィルムスキャンニングマシンを作り出した。その後も2014年にはVFX合成用ソフトのFusionをもつ、eyeon Softwereを買収。今回はそれに続く大きな買収劇となった。

ibc2016_02_bmd-02

IBC2016での主立った新製品としては、ライブ制作用のコンバーターTeranex AVと、DeckLink Mini 4Kシリーズの2つの新たなラインナップ、DeckLink Mini Monitor/Mini Recorderのアップグレード版、その他HyperDeck Studio 12Gの$2,495→$1,495への大幅値下げや、Video Assist 2.2とDavinci Resolve 12.5.2への各々のアップグレードなどを発表している。

ibc2016_02_ultimatte ibc2016_02_firelight 最後の単独出展となった、IBC2016でのUltimatteとFairlightのブース。すでにBlackmagic Designのロゴが見える

ミッドレンジ向けシネマレンズ市場の活況

今回のIBCで注目されたのは、高性能のシネマレンズが数多く発表されたことだろう。特にここ数年のスチルメーカーのムービー参入に加えて、小型のシネマカメラが数多く登場してから数年が経ち、レンタル会社にはシネマレンズがあるものの、カメラの供給に対してその需要も多くことからレンタル台数が間に合わないといった傾向が世界各国で起きた。それに加えて100万円以下の低価格シネマカメラと言われる製品数も増えたことで、レンタルよりも購入可能なミッドレンジ向けのシネマレンズが多く求められて来た。

こうした流れは当然ながらメーカーも周知の事実だが、光学設計から精密なレンズを作り出すには、カメラ以上にそう簡単には製品化することは不可能だ。今回のIBCで発表された製品も、やはり3~5年前から市場調査と設計を始めたものがようやく形になったものが多い。

先述のSIGMAのシネマレンズ市場の参入に加えて、ここ数年シネマレンズに力を入れているトキナー、コンパクトプライム等で圧倒的な支持層を持つカールツァイス、コンパクトさ×高性能が売りのライカ、そしてアンジェニューからは新たな発送のシネマレンズが出て来た。またソニーからもFS5/7に向けた新製品を発表するなど、カメラ製品が多く展示される11、12ホールを中心に新型シネマレンズの品評会会場と化した。

トキナー

ibc2016_02_tokina_02

ここ数年開発を続けて来た、同社が得意とする広角系ズームシネマレンズに加えて、今回新たにプライムレンズ(単焦点)を発表したトキナー。35mm、50mm、85mmの3本で、本年末(12月中)の発売を目指している。また従来の16-28mmも含めて、外観も従来のオレンジ/レッド/ブルーの文字指標の表示から、シンプルな白文字と蛍光グリーンの文字表示にデザインを変更。今後シネマレンズのシリーズ間で統一を目指す。ちなみに16-28mmはVer.IIとして展示されていた。

ibc2016_02_tokina_01

従来のズームレンズからの進化点として、フォーカスリングの回転角を大きく300°へと変更。よりゆっくりとシビアなフォーカス送りもできるようになった。またブリージングについても今回大きく改善したという。フロント口径もφ114mmと標準のシネマレンズと同サイズに揃えられており、標準的なマットボックスが使用できる。価格は35mmと50mmが$4,000(約41万円)、85mmが$4500(約46万円)を予定している。

ibc2016_02_tokina_03

またその他に、PLマウントからPLマウント、PLマウントからソニーEマウントへの1.6×エクスパンダーも発表した。これは、主にRED DRAGONセンサー搭載のREDカメラでフルフレームの6Kや8Kなどで撮影する場合などに用いられる。スーパー35mmサイズ用のPLレンズキヤノンEFマウントからEマウントへのエクスパンダーも検討中だという。

カールツァイス

ibc2016_02_cz_01

新たにライトウェイトズームレンズシリーズとして、21-100mmの「ZEISS Lightweight Zoom LWZ.3 21-100mm/T2.9-3.9 T」を発表。イメージサークルはスーパー35mmサイズ対応のシネマズームレンズながら、約5倍のズーム比と重量2.0kg、長さ226mmと非常に軽量コンパクトに設計されている。前枠口径φ114mm、0.8 Mギアピッチと、シネマレンズの基本設計に加えてCP.2/CZ.2と同様に、IMS交換マウント方式を採用。

ibc2016_02_cz_04

別売りの交換マウンとツールキットを購入すれば、ユーザーでも簡単にマウント変更が出来る設計で、PLマウントを始め、キヤノンEF、ソニーE、マイクロフォーサーズ、ニコンFへのマウント交換が可能。発売は来年1月からで、価格は$9,900を予定している。その他にもスチルレンズのMilvusシリーズから、新たに2.8/15と2/135の2本が新たに展示されていた。

ibc2016_02_cz_03
txt:石川幸宏 構成:編集部
Vol.01 [IBC 2016] Vol.03

[ Category : , ]
[ DATE : 2016-09-20 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[CES2018]Vol.07 大量中華ブースが繰り広げる「もうひとつのCES」〜真の主人公ここにあり

“DESGIN & SOURCE”と銘打たれた新設ブース。しかしその実態は…。大きさはほぼLVCCサウスホールと同じ規模面積。このテントの大きさを見るだけでも価値あり…。 txt... 続きを読む

[CES2018]Vol.06 制作・開発者目線から見たCES2018〜なぜ僕らはCESに足を向けるのか?

txt:清水幹太 編集部 /  構成:編集部 見方によって景色は大きく変わる これを書いている筆者は、普段はテクニカルディレクター及び開発者として様々な制作・開発プロジ... 続きを読む

[CES2018]Vol.05 気になるディスプレイ関連の注目ポイント

txt:江口靖二 / 編集部 構成:編集部 CES2018で気になったディスプレイ製品色々 サムスンのメディア向けカンファレンスで発表された「The Wall」 ... 続きを読む

[CES2018]Vol.04 CES2018で静かに盛り上がる「なんかいい」UX大系

txt:清水幹太  / 構成:編集部 直感的な“なんかいい”もの VRに人工知能、暗号通貨、あるいはAIスピーカー等々、最新技術の動向を色濃く投影するCESではある... 続きを読む

[CES2018]Vol.03 カメラコントロールボックスCCB-WD1で広がる映像の可能性

txt:小寺由子 編集部 / 構成:編集部 米国ラスベガスにおいて、恒例のCES2018が開催された。以前はその年の新製品や今後のコンセプトモデルなどが多数発表され、各社新製... 続きを読む

[CES2018]Vol.02 時代の潮目〜これからはモビリティが最上位概念であることを示したCES2018

txt:江口靖二 編集部 / 構成:編集部 CES2018のキーワードとは CESはご承知の通り、ここ数年テレビやデジタル家電だけの領域ではなく、IoTやAIなども含め... 続きを読む

[CES2018]Vol.01 混沌のCES開催〜“非接触性”の増加、未来のモビリティ提案

txt:西村真里子 編集部 / 構成:編集部 全く予想のつかないCES 今年のCESはいろんな意味で大いに荒れた。それは展示内容もそうだが、会期中珍しくラスベガ... 続きを読む

[BIRTV 2017]Day.03 常に新しいメディアであり続けられる中国のテレビ放送

txt:小寺信良 構成:編集部 北京取材も本日で3日目。最終日は明日だが、この日はもうブースをたたむメーカーも出てくるそうで、フルで取材できるのは本日が最後となる。国外企業が... 続きを読む

[BIRTV 2017]Day.02 ついにAU-EVA1の実働モデルが登場!Panasonic他

「AU-EVA1」を入念にチェックする岡カメラマン。詳しいレポートが期待できそうだtxt:小寺信良 構成:編集部 ついにAU-EVA1の実働モデルが登場! | Panason... 続きを読む

特集記事

CES2018 CES2018
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2018をレポート。
最新カメラ探訪2018 最新カメラ探訪2018
国内3大メーカーが世に問う「映像表現を進化させるプロダクト」とは?最新カメラ事情を紹介。
PRONEWS AWARD 2017 PRONEWS AWARD 2017
2017年は映像業界にとってどのような年だったのか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
Inter BEE 2017 Inter BEE 2017
千葉幕張メッセにて開催されるInterBEE2017をレポート。
InterBEE2017の歩き方 InterBEE2017の歩き方
目的に合わせたブースをピックアップし、最小限の力で最大の効果が得られる最強の「Inter BEE 2017の歩き方」を紹介。
inside DaVinci 14 inside DaVinci 14
4月に行われたNAB2017にて発表となったDaVinci Resolve 14を紹介。
SIGGRAPH2016 How to Media Composer | First
誰でも無料で使えるAvid Media Composer | Firstのセットアップ方法や、使い勝手を解説していく。
QBEE2016 BIRTV 2017
中国・北京で開催されたアジア地区ではInterBEEと並ぶ大規模な放送機器展 BIRTVをレポート。
SIGGRAPH2017 SIGGRAPH2017
世界最大のCGとインタラクティブ技術の学会・展示会SIGGRAPH2017をレポート。
THE ROAD TO VR THE ROAD TO VR
幅広いジャンルで活用されているVRが、いかに普及、どのように進化していくのかを考える。
Digital Cinema Bülow VI~CineGear 2017 Digital Cinema Bülow VI~CineGear 2017
米国ハリウッドで開催された映画撮影機材の専門展示会 Cine Gear Expoをレポート。
QBEE2017 QBEE2017
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
After Beat NAB SHOW 2017 After Beat NAB SHOW 2017
東京秋葉原のUDXにおいて開催されたAfterNABshowで今年のNABの総括を考える。
NAB2017 NAB2017
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会 2017 NAB Showをレポート。
SXSW2017 SXSW2017
米国テキサス州オースティンで開催された、SXSWをレポート。

トップ > 特集 > [IBC2016]Vol.02 トレンドウオッチ@IBC 2016 Part01