PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [CES2017]Vol.05 テレビが主役ではないCESにおける映像利用の新たなフィールド
News

[CES2017]Vol.05 テレビが主役ではないCESにおける映像利用の新たなフィールド

#Report NOW! #CES2017

2017-01-12 掲載

txt:江口靖二 構成:編集部

メーカーが考える次の映像運用方法は?

CESではすでにテレビ画面だけに閉じた時代ではなくなっているのは明らかで、スマートフォン連携ももちろんだが、もうひとつ注目しておくべきことがある。それはリアルと映像を組み合わせるものだ。現場と映像、風と映像、本物のダンスと映像など、CESで目に止まった効果的な映像利用の事例をご紹介しよう。

パナソニック

ces2017_05_6495_b スタジアムのVIPルームを想定

パナソニックでは、スタジアムでのVIPルームを想定した展示を行った。これはスポーツスタジアムのVIPルームなどにおいて、現場のリアルな試合観戦のアシストとして、テレビ中継のような選手のデータやリプレイなどを提供するもの。

ces2017_05_1512 特殊スクリーンに超短焦点プロジェクターで投影

具体的には、同社の透明なプロジェクター・スクリーンを利用している。課題である透明度と映像の鮮明さは、実用レベルと言ったところ。VIPルームの数から想像するに大きな市場とは思えないが、このようなリアルに映像を重ね合わせて付加価値をつけるというアプローチは、今後も増加していくと思われる。言うまでもなく導入価格次第だ。

ces2017_05_1513

同じくパナソニックブースでは、風にたなびくフラッグにプロジェクションをする事例も。デモは送風機で風を送って、たなびくスクリーンに投射する。ポイントは、フラッグの動きにリアルタイムでフォーカスが追従するというもの。技術的には大変だと思うのだが、普通の人が見てそこに気がついて評価されるのかどうかが問題。動画はこちら。

ces2017_05_6493 風で不規則に動くフラッグにリアルタイムマッピングをする

ソニー

ces2017_05_6473 1ユニットはこのサイズで、メンテナンスもユニット単位

なんといっても超巨大壁面ディスプレイCLEDISに注目したい。まずは、下記の動画を見て欲しい。現場で体感しないと分かりにくい部分はあると思うが、そこは想像力を膨らませてご覧いただきたい。

CLEDISは、ソニーが2012年に発表したCrystal LED Displayの進化版で、昨年のinfoCommに登場したものだ。Crystal LED Displayも、その表現力が非常にリアルで驚いたが遥かに進化した。デモでは写真やCG、動画などの素材で様々なシーンを表示していた。まず写真などの静止画の場合、もちろんリアルで極めて鮮明なのだが、画像を切り替えられる点以外では、従来の印刷とバックライトを用いる場合の差が出にくい。

一方の動画は、その解像度(今回は7680×2160)と9.7mx2.7m、すなわち約400インチの大画面が映し出す映像は迫力がまさにリアルだ。このクラスのサイズと解像度になってくると、ポイントはその場にいるような映像にこそ最大の価値、効果があるように思う。例えば人物のアップの映像や、スローモーションといった映像だと、逆にリアルさに欠けてしまうのが非常に興味深い。ある種の違和感さえ感じる。

ces2017_05_6460 CGのダンス映像に本物のダンサーが登場 ces2017_05_001 最もリアルなのはこういう映像

ここで考えられるのは、この違和感を逆手に取るのか、あるいは素直にリアルなもの、見た目そのもの、その場にいるような映像にするかの2つの方向性があるだろうということだ。400インチの大きさに本物同様の解像度で表示されることの視覚的な混乱を狙うのであれば、インパクト勝負のデジタルサイネージに向いている。一方でその場にいる状態を再現する方向性であれば、ライブビューイングに向いている。この場合はレンズ選びや被写界深度、カメラワークも従来のテレビ的、映画的なものではいけない気がする。できるだけ見た目に近いものが向いている。

デモ映像の中で言えば、前者は黒バックの人物のシーンであり、後者は海岸のシーンだろう。またCGとリアルなダンサーのコラボレーションも、単なる中継ではないライブビューイングでの演出の可能性を大きく感じるものだ。現場で実際に見ると、これらの2つの方向性はどちらもありだと思う。なお1月中旬から、品川のソニー本社でこれより若干小さいサイズではあるようだが、ほぼ同じ物が自由に見られるとのことなので確認されるといいと思う。

サムスン

ces2017_05_6506 猫のしっぽはディスプレイ側の映像にもちゃんと表示する芸の細かさ

サムスンのLCDTVのプロモーションは、本物のTVとプロジェクション映像を組み合わせた演出。動画はこちら。LCDTVの映像をプロジェクターの映像をシンクロナイズさせて効果を狙っている。輝度と自己発光か反射光かの違いで不思議な演出に見える。映像の制作はそれなりに大変だと思う。

同様のディスプレイとプロジェクターの組み合わせは、数年前のIFAでパナソニックも行っていたが、主役であるディスレイとアシスト役であるプロジェクターという組合せの表現はやはり面白い。ただ今回はプロジェクションしている壁面があまりにも大きすぎて(400インチ以上はある)、それに対してディスプレイが4面、さらにデジタルサイネージ用のディスプレイではなくサムスンのQLEDであるのでベゼルが気になってしまう。ブース演出だけを言うのであれば、QLED1面で成立するプロジェクターによる背景を投影するべきだったと思う。肝心のQLEDは、量子ドット素材を用いるものであるが、受ける印象は特筆するものはないというのが正直なところ。有機ELとの差別化戦略だが、今後のレベルアップに期待したい。

txt:江口靖二 構成:編集部
Vol.04 [CES2017] Vol.06

[ Category : , ]
[ DATE : 2017-01-12 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[CES2020]Vol.11 Crystal LEDとAtom Viewで実現するヴァーチャルセット最前線~まさにリアルを超える?!

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部 リアルとバーチャルの境目がなくなる影像制作 CES 2020はそれまでのCESの歴史から大きくシフトを宣言している年であ... 続きを読む

[CES2020]Vol.10 テレビ局が不在でも完全に8Kが主流のCES2020

txt:江口靖二 構成:編集部 CES 2020の主流が「8K」となった理由 CES 2020では完全に8Kが主流である。グローバルで市場を牽引する中国とアメリカでは、... 続きを読む

[CES2020]Vol.09 「次の10年のエンターテインメント・プラットフォーム」とは?〜モバイル向け動画配信サービスQuibiスタート直前

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 モバイル向けストリーミングサービス「Quibi」とは? 生活を変えるテクノロジーのショーケースとして... 続きを読む

[CES2020]Vol.08 日常が“つながる”と意外なものがメディアになる?未来の生活を彩るものたち

txt:平野陽子 (大広) 構成:編集部 2020年1月7日~1月10日、米国ラスベガスにて「CES 2020」が開催された。すでに多くのメディアで語られているが、再度振り返... 続きを読む

[CES2020]Vol.07 人工人間、身体性が問われるテクノロジー「NEONプロジェクト」

txt:西村真里子 構成:編集部 CES 2020で注目のテクノロジー「NEON」とは CES 2020の日本のスタートアップが出展するEureka Parkに... 続きを読む

[CES2020]Vol.06 目の付け所がAIなプロダクトが続々登場〜会場から見えてくるAIプロダクト達

txt:江口靖二 構成:編集部 進化する画像センサーがより良い未来を作る サムスンの「Ballie」は目の付け所がサムスンなプロダクトだ。百聞は一見にしかず、サムス... 続きを読む

[CES2020]Vol.05 航空会社として初基調講演。デルタ航空が考えるイノベーション〜パラレル リアリティ ディスプレイ

txt:江口靖二 構成:編集部 航空会社として初めての基調講演 CESでのキーノートには、例年家電メーカーであったり、インテルやクアルコムのようなチップ系のメーカー、最近では自... 続きを読む

[CES2020]Vol.04 より多くの人を集めるために〜CESにおける「見せ方」と「ブランディング」効果とは?

Audiのブースは上からキラキラしたリボンが無数に装飾されており、否が応でも足を踏み入れたくなる txt:清水幹太 構成:編集部 来場者の気を引く“見せ方”は多種多様 ... 続きを読む

[CES2020]Vol.03 一般化を迎えたカテゴリーに花開く、味わい深いプロダクトたち〜展示会スタート

txt:清水幹太 / 編集部 構成:編集部 いよいよ展示会が始まる MediaDayが終わり、CES展示会場での展示がいよいよ始まった。CESの他の展示会と大きく違う点... 続きを読む

特集記事

Inter BEE 2019 ぼくらのEDIUS X
約3年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「EDIUS X」の魅力を紹介。
InterBEE 2019の歩き方 Broadcast & Cinema EXPO 2020
映像制作者、映像業界関係者向け情報イベント配信番組。
ATEM WORLD ATEM WORLD
ラインナップ充実のATEM Miniシリーズの選び方や使いこなしをご紹介。
SIGGRAPH2020 SIGGRAPH2020
オンライン開催されたVFXの祭典・SIGGRAPH2020をレポート。
映像基礎講座 映像基礎講座
映像の基本や基礎知識を学ぶ。映像制作初心者はもちろん、熟練者ももう一度初心に立ち返ろう。
	
Shoot with Vlog cam Shoot with Vlog cam
個人の動画ブログ「Vlog」が隆盛するいま、Vlog用カメラを通して映像を撮ることを数回にわたり考える。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part II
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part I
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
AfterCOVID-19 映像業界サバイバル AfterCOVID-19 映像業界サバイバル
社会的危機となっている新型コロナウイルス拡大の状況を分析し、今何が起こり、何が必要で、その後に何が訪れるのかを考えてみる。
Film Shooting Rhapsody 上映編 Film Shooting Rhapsody 上映編
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。今回はフィルム現像から紹介する。
再現:NAB2020 再現:NAB2020
米国ラスベガスにて開催予定だった世界最大の放送機器展覧会 2020 NAB Showでお披露目される予定だった内容を再現していく。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。
再現:CP+2020 再現:CP+2020
開催中止となってしまったCP+2020をPRONEWS誌面上で再現して行く。
CES2020 CES2020
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2020をレポート。
PRONEWS AWARD 2019 PRONEWS AWARD 2019
2019年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [CES2017]Vol.05 テレビが主役ではないCESにおける映像利用の新たなフィールド