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[CES2017]Vol.06 スマートフォン活用で激変する取材スタイル

#Report NOW! #CES2017

2017-01-13 掲載

txt:小寺信良/編集部 構成:編集部

新しい取材スタイルを実践導入するのが恒例。さて2017では?

今年のCESでも取材として多くの写真を撮り、多くの動画を撮影したことは例年と変わりない。だがCESでは毎年、新しい取材スタイルを実践導入するのが個人的な恒例となっている。一眼やコンデジなど、普通のカメラも一応持ってきたが、それらはすべてホテルに置いてきた。レポートで使う写真や動画は、ほぼすべてiPhone 7 Plusで撮影することにしたのだ。すでに多くの人が日常的に撮影する写真は、もうスマートフォンになっているはずだ。筆者ももちろんそうで、iPhone 7 Plusの写真クオリティは、もはや報道写真としても十分使えるクオリティだという手応えを得たからだ。ヨーロッパではMOJO(Mobile Journalism)という概念も生まれ、MoJoConというコンベンションも開催されている。急速にこれまでの取材方法が変わっているのは確かなのだ。

ただしそこには一工夫ある。現在スマートフォンで写真を撮るときには、両手で構える必要がある。片手でスマートフォンの縁の部分を持ち、反対の手で画面内のシャッターを押す。これを片手でやろうとすれば、かなり困難だ。一方取材時の撮影では、左手では被写体を手に取ったり、あるいはマイクを持っていたりする。したがって写真はどうしても片手で撮影しなければならなくなるのだ。軽量なミラーレスやコンデジであれば、片手で構えて写真を撮ることは難しくないが、その程度のことがスマホでは著しく難しいわけである。

すでにiPhoneをサポートするリグ各種は出揃っていて会場でも多く見られた。筆者は、そこで撮影には、DJIのOsmo Mobileを常時使用した。これはハンドル部分にシャッターボタンや動画RECボタンがある。カメラは確実に水平が取れるし、アングルも片手で自由に変えられる。したがってローアングルやハイアングル撮影も簡単だ。

ces2017_04_p1030002 今回の取材撮影スタイル

ただしiPhone 7 Plusは大型のため、取り付けると重量バランスが悪い。モータートルクとしてはそれでも支えられるのだが、モーター部がかなり発熱するので、負荷が高いようだ。そこでカウンターウェイトとして、クリップ型ワイコンをアームに挟んでバランスを取っている。

ces2017_04_p1030010 カウンターウェイトとしてクリップ型ワイコンを使う

意外に使えるのが、インカメラに切り換える機能である。レポートでは展示してある機材の背面パネルを撮影したいということがたびたびあるが、この時はOsmo Mobileをグッと突き出してインカメラに切り換えるだけで、簡単に撮影できる。逆さまにつり下げにしてもバランスが取れるので、上から背面に差し込むようにして覗き見ることもできる。歯医者さんが歯の裏側を見えるために使う小さいミラーみたいな感じである。

人に話を聞きながら写真を撮ることも多いが、右手はOsmo Mobileで写真撮影、左手はソニーのアクションカムを持って動画でメモを取るというスタイルは、非常に軽量かつ実践的であった。

新しいレポートスタイル

動画レポートの撮影も、iPhone 7 PlusとOsmo Mobileの組み合わせで行なった。ただこれの難点は、外部マイクが付けられないということである。唯一の外部端子である底部のLightningを、Osmo Mobileのアーム部が塞いでしまうからだ。左右逆にiPhoneを付ければいいじゃないかと思われるかもしれないが、そうするとスマートフォンホルダー部がiPhoneの電源ボタンを挟み込んでしまい、iPhoneの電源が切れるという事態に陥る。

そこでマイク代わりとしてアクションカムを使い、絵と音を完全に別撮りすることにした。あとで編集時にリップを合わせれば済む話である。レポートとしては4K解像度までは必要ないが、iPhone 7の特徴として、HDよりも4Kのほうが画角が広いというクセがある。また4Kで撮影しておけば、写真を撮り忘れた場合でも、4Kからの静止画切り出しで対応できるという保険にもなる。

ただ注意が必要なのは、iPhoneで撮影する動画は、29.97fpsではなく30fpsだということだ。アクションカムの30Pは放送規格に合わせてあるので、29.97fpsである。したがって頭で音を合わせても、だんだんリップがズレる。もっとも動画レポートはそれなりに細かく編集するので、リップがズレ始めるほどの長尺を一気に使うことはない。

もう一つ面倒なのは、DJI Goで撮影すると、写真と動画ファイルをアプリ内に抱え込んでしまう事だ。パソコンで利用するためにはiOSの「写真」へ転送しなければならないが、これは移動ではなくコピーとなる。つまりiPhone内にファイルが二重に作られることになる。

さらにMacの場合は、iPhoneからの写真転送も同じく「写真」ライブラリに取り込まれて、ファイル的に直接アクセスができないので、そこから別フォルダに書き出す必要がある。Mac内でもファイルが二重に作られることになるため、ストレージ容量を無駄に圧迫する。バックアップとしては有効だが、ファイルの整理が大変になるのが難点だ。

pp 会場でもiPhoneをベースに取材を行っていたジャーナリストを多数見かけた。使用しているリグは、ShoulderpodのX1

以前からPRONEWSでは、きちんとした記事も掲載する一方、レポーターが現場から写真とともに速報をTweetするという「プロセス・ジャーナリング」も人気がある。ただ個人的にはあまりTweetの回数は増えなかった。なぜならば、これまでは取材写真はきちんとデジカメで撮影しており、Tweetするためにわざわざスマホを取り出してもう一度同じ撮影するのがめんどくさかったからである。

recordingcse2急なインタビューやクリアな音収録のために、編集部ではShure MV88で対応

だが今回のように取材写真もiPhoneで撮影するのがスタンダードになれば、Tweetするのも面倒ではなくなる。これまで、プロの取材者たるものがスマホで写真を撮ることに対して心理的な抵抗が大きかったが、実際にやってみると十分に実用的だった。それにプラスして、現場からのアクティブなジャーナリングも加速するわけだから、スマホによる取材撮影はメリットが大きい。次回大きな取材は4月のNABということになるが、その際にはもう一段アップグレードしたレポートをお届けできそうだ。

txt:小寺信良 構成:編集部
Vol.05 [CES2017] Vol.07

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[ DATE : 2017-01-13 ]
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