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[InterBEE 2017の歩き方]Bコース:シネマレンズ・トレンド考 〜シネマカメラ用交換レンズコース

2017-11-06 掲載

Bコース:シネマレンズ・トレンド考

レンズといえば放送用は2/3インチ、映画系はスーパー35mmかフルサイズというのが定番だった。実際の運用も放送と映画では大きく異なり、おのずと明確なすみわけができていた。しかし、2007年にRED Digital Cinemaの「RED ONE」の発売を機会にデジタルシネマの世界が一変した。そのうちの1つが、高価なPLマウントを避けてスチル用レンズを使うスタイルだ。他にもキヤノンのデジタル一眼レフカメラによる動画撮影の流行があり、各社がこの分野へのカメラを投入する過程で様々なレンズマウントのカメラが市場に出ることになった。また、放送もHDから4K/8Kへの動きがあり、対応するレンズが求められてきた。

こうした状況の中で、映画系ではZEISSやCooke、Angénieuxといった老舗メーカーに続きフジノンやキヤノンが種類の少なかったズームレンズで参入。その後、カメラメーカー各社はローコストなカメラを発売する中でソニーやTokina、Leica、シグマなども続いて、PLマウントやEFマウントやEマウントなど様々なレンズの発売に至っている。

ここ数年の動きとしては、こうしたデジタルシネマ用のレンズはコストダウンの方向に向かっていることが挙げられる。フジノンは新たにMKシリーズを、Tokinaやシグマはデジタル一眼レフカメラのレンズ光学系を流用することでシネマレンズをリリースし、ラインナップを充実させている。

一方、富士フイルムやZEISS、Angénieuxは、ENGカメラスタイルに対応した電動ユニットへの対応やメタデータへの対応という撮影スタイルの多様化に対応した製品を出してきている。また、Angénieuxでは光学系の一部を交換可能にすることで、スーパー35mmとフルフレーム(フル35mm)に対応できるレンズをOptimoシリーズでも実現した。

放送用のレンズは2/3光学系の4K対応カメラが出現したことで、対応レンズのラインナップを増やしてきている。特に2020年東京オリンピックを控えていることから、中継などに使われる高倍率ズームをハンディカメラ用のレンズやスタジオ用でラインナップする傾向にある。今年はENG対応の高倍率ズームやショートズームなどの発表が相次いでおり、HDと同等のレンズラインナップを完成させている。

レンズの設計はコンピュータによるレンズ設計用のプログラムの普及により、手軽に行うことができるようになったが、実際に製品のレンズにするにはレンズを構成する1枚1枚のレンズユニットをガラス硝材から削るというローテクかつ職人芸的な要素が求められる。

アイリスやズームなどの機構との組み合わせもあり、一朝一夕にできるものではない。さらに、それぞれのレンズにどのような個性(性能や使い勝手など)を盛り込むのかはそれぞれのレンズメーカーがもつ文化的な要素や設計思想が大きく出てくる部分でもあり、カタログなどではなかなか推し量ることが難しいところでもある。

01 三友[#8502]

ライカといえばパナソニックが民生用から業務用までの各種ビデオカメラで採用しているブランドだが、レンズ単体でのラインナップも存在する。今年3月28日、CW Sonderoptic社はLeica Cine Lensesの新ラインナップ「Leica THALIA」を発表。Leica Thaliaには24/30/35/45/55/70/100/120/180mmの9本をラインナップしており、いずれもスーパー35mmからビスタビジョンまでカバーするイメージサークルを持っている。このクラスのシネ用レンズはALEXA 65やRED WEAPON 8K VV用といってもいいだろう。絞りに15枚羽を作用しており、最大口径から最小口径まできれいな円形を実現している。また、Cookeの「/i Technology」によりメタデータに対応している。マウントはPLマウントのみ。なお、フルフレーム(フル35mm)対応の21mm f/1.4、24mm f/1.4、28mm f/1.4、35mm f/1.4、50mm f/0.95の「Leica M o.8」シリーズもラインナップしている。

レンズ以外では、8Kコンテンツプレイヤー「Hyper CUBE」や、4K対応光伝送装置「THUNDERS 4K」、ネットワークストレージサーバー「Media Bucket」、DaVinci Resolveでの4K編集システムなどを展示予定。

02 富士フイルム[#7202]

フジノンレンズのブランドですでに数多くのデジタルシネマ用のレンズを発売しているが、新しいレンズラインナップの製品として標準ズーム「MK18-55mm T2.9」や望遠ズーム「MK50-135mmT2.9」がブースの目玉になりそうだ。従来のデジタルシネマ用のレンズより、価格的メリットがあるラインナップだ。同社のミラーレスデジタルカメラ「Xシリーズ」向け動画専用ズームレンズの展示も期待したいところだ。

また、新製品の4K対応の小型・軽量ポータブルズームレンズ「UA24×7.8BE」も国内初出展となる。広角7.8mmから187mmまでカバーする24倍高倍率ズームで、4K高画質でありながら質量約1.98kgの軽量化を特徴とする。

03 カールツァイス[#6406]

今年のNABで発表したCompact Prime CP.3やCompact Prime CP.3 XDを出品する。基本的な光学系はCP.2と同じだが、レンズコーティングが新しくなったほか、鏡筒外形が一回り小さくなりよりコンパクトになっている。フルフレーム(フル35mm)に対応し、ユーザが簡単にマウント交換やシム調整ができるIMS交換マウントシステムの採用により各社のカメラマウントに対応可能。

CP.3 XDシリーズはレンズメタデータに対応したモデルでCooke /iと互換性のあるZEISS eXtended Dataを搭載。Master Primeなど一部のシリーズでのみ可能だったレンズメタデータに対応することで、撮影時のレンズデータをポストプロダクション作業へ引き継げる。レンズメタデータに対応したカメラが多くなってきたということもあるが、フィルム以上に後処理が緻密にできるデジタル処理が普及したことの証といえるだろう。

ZEISS CZ.2シネズームレンズやZEISS LWZ.3シネズームレンズ、ZEISS Otus、ZEISS Milvus、ZEISS Loxiaなども出品予定。

04 ナックイメージテクノロジー[#6403]

ズームレンズ「angenieux Type EZ Series」やアナモフィックレンズ「angenieux Optimo Anamorphic」、ズームレンズ「ARRI Alura Zooms」を出品する。タイプEZシリーズは、光学系を交換することによりスーパー35mmとフルフレーム(フル35mm)のどちらにも対応。レンズマウントについてもPL、EF、Eマウントに任意で交換でき、スーパー35mmやフルフレーム(フルサイズ)センサーのシネマカメラやDSLRに使用できる。Type EZ-1 30-90mmT2/45-135mm T3とType EZ-2 15-40mmT2/22-60mm T3の2本のズームレンズをラインナップしている。

ARRI Alura Zoomsは、ARRIと富士フイルムが共同開発したPLマウント、スーパー35mmフォーマットのズームレンズ。45-250mm、18-80mm、30-80mm、15.5-45mmの4本のレンズと、エクステンダー2種類(2.0×と1.4×)をラインナップしている。

05 ケンコープロフェショナルイメージング[#5409]

スーパー35mmをカバーするシネマ用レンズ「CINEMA ATX」シリーズを出品するだろう。11-16/16-28/50-135mmなどをラインナップし、T値なども統一が図られている。レンズの直径や全長、フォーカスや絞りリングの位置などが極力統一しており、フォローフォーカスやマットボックスなどを使用し、撮影時にレンズ交換を行っても最小限の調節で済むようにしている。基本的にスチルカメラ用の光学系を流用しデジタルシネマ用のレンズとして設計している。デジタルシネマ用のレンズに参入してから、ラインナップを迅速に増やしている印象だ。

06 興和光学[#5103]

同社のメインの展示はパネル型ツイストペアケーブル延長器「KE201PT」やスロット型マトリックススイッチャー「KE1208SL」だが、シネマ向けマイクロフォーサーズマウント専用単焦点レンズのPROMINAR 8.5mm/12mm/25mmも出品する。外装のカラーバリエーションには、ブラックとゴールドの2色。

コンパクトなデザインが特徴で、ミラーレスデジタル一眼カメラなどと一緒に手持ちで撮影する場合に取り回しがよく、デザイン的にもしっくりくるようになっている。なお、今回は展示はされないが、計測用、工業用のCマウントレンズがあり、ちょっと特殊な撮影を行う場合欠かせないレンズといえよう。

07 シグマ[#4207]

フルフレームのイメージサークル対応の「FF Zoom Line」やスーパー35mm対応の「High Speed Zoom Line」、フルフレーム対応の「FF High Speed Prime Line」を出品するだろう。

一眼レフカメラ用の交換レンズメーカーとして老舗といえるシグマは、数年前からデジタル一眼カメラのラインナップを一新し、ハイエンドでも定評のあるブランドとなっている。デジタルシネマ用のレンズもラインナップをそろえ、フルフレーム(フル35mm)対応やスーパー35mm対応のレンズを一気にそろえている。

デジタルシネマ用のレンズメーカーとしては後発ということもあるが、サイズの統一やT値の統一などのほか、レンズの重量を支えるサポートを装備するなどの配慮がなされている。特にスチールカメラ系のマウントを採用したカメラでは重量の重いレンズを装着した場合の不安要素があり、リグなどを組んでレンズをサポートすることを可能としている。

08 キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン[#3509]

デジタルシネマ用のレンズといえばPLマウントだったが、リーズナブルな価格のカメラではスチル用のレンズマウントを採用することが多くなり、こうしたカメラ用のレンズが増えてきている。キヤノンでは自社でデジタルシネマ用カメラを開発しており、当然同社のEFマウントのレンズラインナップを揃えている。EFマウントはブラックマジックデザインやパナソニックのカメラなどにも採用されている。

今回はNABで発表されたEFシネマレンズ「CN-E70-200mm T4.4 L IS KAS S」がInterBEEでも出品されるだろう。このレンズはCOMPACT-SERVOレンズシリーズで先に発売された「CN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S」の姉妹機種となる。他にもUHD対応のスタジオ用箱型レンズ「DIGISUPER 27」や、昨年発表された高倍率HDズームレンズ「HJ40e×10B IASE-V H/HJ40e×14B IASE-V H」なども出展されるだろう。

※掲載しているブース写真は過去に開催されたイベントのものです。
Aコース [Inter BEE 2017の歩き方] Cコース

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[ DATE : 2017-11-06 ]
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