快晴の中いよいよ展示会が開催。初日は展示会オープンを前にして早朝からAJAとブラックマジックデザインのプレス発表があったので、まずはこの2つをレポートしよう。

AJA

AJAは今回12G-SDI対応のルーターKUMOやHDMI対応のKONA及びMini Converterのほか、HDR Image Analyzerなどを新製品として発表した。HDR Image AnalyzerはAJAのビデオ・オーディオI/OとColorfrontのHDR分析ツールを組み合わせたもので、波形やヒストグラム、ベクタースコープのほか、NitsレベルHDRモニタリングソリューションで、プロダクション、ポストプロダクション、品質管理(QC)、マスタリング、4K/UltraHD/2K/HD、HDR、WCGコンテンツの監視と分析などに対応しており、PQ(Perceptual Quantizer)、ハイブリッドログガンマ(HLG)、Rec.2020を含むHDRフォーマットの監視と分析を行う柔軟なソリューションとなっており、4K/UHDワークフローに対応。AJAではほかにもDesktop v14.2 softwareやv3.0 Ki Pro Ultra/Plus firmware、FS-HDR v2.5 softwareのアップデートも発表した。詳細はブースレポートで紹介しよう。

12G-SDI対応のルーターKUMO

HDMI対応のKONA。4K60pキャプチャーが可能

HDR Image AnalyzerはAJAのビデオ・オーディオI/OとColorfrontのHDR分析ツールが融合した製品

ブラックマジックデザイン

一方ブラックマジックデザインは、エフェクトツールの強化や3Dエフェクトなどが追加されたDaVinci Resolveの新バージョンDaVinci Resolve 15や、SDIやHDMI、ファイバー、12Gなどに対応したMini Converterシリーズ、ATEM Television Studio Pro 4Kのほか、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kなどが発表された。Pocket Cinema Camera 4Kは新たにデザインされたもので、MFTマウントのレンズに対応しているほか、5インチの大型タッチスクリーンモニターや4つの内蔵マイク、Bluetoothワイヤレスカメラコントロール、ファンタム電源対応のミニXLRオーディオ入力、HDMIオンセットモニタリング出力などを搭載している。10bitのProResおよび12bitのRAW収録が可能で、3D LUT対応となっている。

新たにデザインされたPocket Cinema Camera 4K

ATEM Television Studio Pro 4K

URSA BroadcastのCamera Fiber ConverterとStudio Fiber Converter

ニコン

初日の会場で目を引いたのは、ニコンブース。今年はロボットカメラを大きくアピールしていた。これはmrmoco社のロボットシステムにニコンのデジタル一眼レフカメラを組み込んだもので、ブース内ではスポーツイベントの収録システムの紹介が行われていたほか、NAB会場入口のエントランスホールではロボットカメラが人とダンスをしながら撮影をするというイベントを行っていた。

スポーツイベントの収録システムの紹介コーナー

画面をタッチするだけの簡単操作で各カメラを操作できる

ロボットカメラのカットモデル

mrmoco社のロボットシステムとニコンのデジタル一眼レフカメラによるダンシングロボットカメラ。ボタンを押すと数秒間ロボットが稼働し、自動的に撮影される

昨日セッティングが終了した状態。今日は人垣ができていて撮影できないほどだった

ロボットカメラで撮影した画像

SHARP

シャープは業務用の8Kカメラを発表し昨年話題になったが、NABではカメラ以外にもシャープが得意とするところの大型の液晶ディスプレイのほか、27型の8K対応モニターを参考出展していた。27型8Kモニターの発売に関しては今のところ未定で、パネルや画像エンジンを組み込み用やOEMとして販売していくとのこと。8Kがもう少しポピュラーになり、インターフェースなどの規格が決まればシャープとしての発売を考えているようだ。シャープは台湾資本になったことで、民生機や業務用といったこだわりはあまりなくなり、自社の技術が生かせる分野であればどこであれ積極的に進出していくようになったということのようだ。

デジタルサイネージ用の大型ディスプレイ

業務用の8Kカメラ8C-B60A

27型の8K対応モニターと画面の部分写真

SIGMA

シグマはここ数年でデジタルシネマ用のレンズラインナップを一気にそろえ、業界でも注目されており、今回のNABでも8K対応のレンズラインナップを披露していた。8K対応をうたうレンズは現状あまり数が出ていない。特にズームレンズはキヤノンなどが試験的に出しているがまだまだの状況だ。今後はカメラ以外にもレンズなど8K対応の製品がでてくることになるだろう。いずれにしても4K8Kの時代になり、従来からの業務用ビデオメーカーだけでなく写真レンズのメーカーやシャープのように民生機のメーカーなどの参入もあり、業界の様子も変わりつつあるようだ。

8K対応のレンズラインナップを披露


Day00 [NAB2018デイリーレポート] Day02