今年のInterBEEは、例年以上にNewTek社によって開発されたNDI対応製品が見どころだ。NDI(ネットワークデバイスインターフェイス)とは、ネットワークを介したライブ中継映像用の新しいオープン標準規格。NDIのパートナーは増えており、展示会場内だけでもかなりの展示がある。その中から注目のNDI対応製品を展示するブースをピックアップしたので、見て回ってはいかがだろうか。

01 ATOMOS[#8301]

左から「AtomX Ethernet/NDI、「AtomX Sync」

Atomosは、4K対応SSDレコーダー「Ninja V」のオプションとして、AtomX イーサネット/NDIモジュールを商品化する。ネットワークケーブルを差し込むだけで、Ninja VのVideoソースはNDIネットワーク(1GigE)上で自動的に検出され、双方向のVideo IP伝送が可能になる。

Ninja V ユーザーは、ビデオソースの入出力をNDIネットワーク経由で、簡単にしかも遅延なく行え、マルチカメラのコントロールやマルチビデオソースのIPネットワークオペレーションを容易に実現できる。

02 アスク[#7206]

movierecoder

NDI関連製品は「QTAKE」「MovieRecorder」「OnTheAir Video」を展示。IN2CORE社のビデオアシストソフトウェアQTAKEは、撮影時にカメラ収録とプレイバックを同時に行い、撮影記録を効率的に整理する。

Softron社のMovieRecorderは、Mac1台でマルチチャンネルの追っかけ編集に対応できるインジェストアプリケーション。NDIにより、HDと4Kの入力ソースをEthernet経由で簡単に選択できる。

24時間365日でプレイアウトの日時を指定できる同社のOnTheAir Videoは、ファイル再生のスケジュール管理をカレンダー型のUIで難なくこなせる。インジェストからプレイアウト、アセット管理、エンコーディング、ストレージまで、アスクブースでは取り扱い製品による統合ソリューションを展示する。

03 ASK/ディストーム[#7204]

左からASK/ディストームブースのイメージ、プロダクションシステムの「TriCaster TC1」

お馴染みのIPシリーズ、TriCasterをはじめ、国内初お披露目のIPシリーズ/TriCaster TC1対応の最新ソフトウェア「version7」と拡張ソフトウェア「Premium Access」、4K UHD対応「Connect Spark Proコンバーター」「NewTek Remote Storageシステム」を展示。さらには、NDIパートナーコーナーでは、様々なNDI関連製品の最新デモに加えて、メインステージではゲストスピーカー様によるNDI活用事例などのプレゼンを行う。

04 ブレーンズ・システム[#7204](アスク/ディストーム内のNDIパートナーで出展)

4K UHD対応のNDIコンバーター「ConnectSpark Pro」

NDI関連製品は「NewTek Connect Spark Pro/SDI/HDMI」「NewTek NDI|HX PTZ1 Camera」「BirdDog Studio」を展示。

新製品のNewTek ConnectSpark Proは、4K UHD対応のNDIコンバーター。業界初の「4K to NDI」コンバータを初め、「SDI to NDI」「HDMI to NDI」のコンバーター、NewTek社のPTZカメラも併せて展示。また、サードパーティ製のNDIコンバーター「BirdDog Studio」は、デコード機能を実装した最新ファームウェアで展示予定。

05 日本デジタル・プロセシング・システムズ[#7003]

左から「Pro Convert HDMI 4K Plus」、「MediaDS」

「MediaDS」は、NewTek社で培われたライブプロダクションテクノロジーと、実績のあるWowza Streaming Engineを統合した、リアルタイム・メディアエンコーディング&ライブストリームビデオ配信プラットフォーム。エンタープライズレベルの配備とスタンドアロンの伝送ワークフローを兼ね備える、ハードウェアとソフトウェアを統合したソリューション。

Magewell社が開発した「Pro Convert HDMI 4K Plus」は、HDMIからNDIベースの制作環境との橋渡しとなるスタンドアロンのプラグアンドプレイ、IPエンコーダハードウェア製品。NewTek社のNDIベースのプロダクション設備へ、HDMIビデオ信号を取り込む際に役に立つ。Pro ConvertHDMI 4K Plusの特長は、低遅延かつ真のプラグアンドプレイ、入力フォーマットの自動検出、DHCPネットワーク設定を備え、HDMI 2.0信号を全帯域幅のNDIストリーム(最大4K60p4:2:2)に変換可能。

06 NIXUS 北海道日興通信[#6309]/[#7204](自社ブースとアスク/ディストーム内のNDIパートナーで出展)

左から「TELOP BOX」、「Nixuscelio」

NDI関連製品は「TELOP BOX(テロップボックス)」と「Nixuscelio(ニクサスセリオ)」を出展。TELOP BOXは、数多くの地上波放送局で使用されているNIXUSのテロップシステムが、NDI連携を実現。高品質CGが迫力あるライブ配信を演出する。放送に必要な、作画、スケジュール、送出のソフトが全て揃ったオールインワンパッケージ。

Nixuscelioは、専用の送出ソフトが必要な従来のテロップシステムとは違い、いつも使っているExcelで、データの入力からオンエア操作まで行うことができる新しいリアルタイムCGシステム。表計算ソフトMicrosoft Excelのシートがそのままオンエア操作画面になる。迫力あるテロップのオンエアが手軽に、リーズナブルに実現できる。

07 コスミックエンジニアリング[#5407]

CoCo3D NDI連携オプション

CoCo3D NDI連携オプションを展示。4レイヤー同時送出制御、多彩なアニメーションライブラリ、送出しながらその場で編集可能な汎用3Dキャラクタージェネレータ。CATV局、スポーツスタジアム・アリーナなどで高い導入シェアを誇るCoCo3Dシリーズに新たにNDI連携オプションが加わった。

TriCasterや3playマシンとCoCo3Dマシンをネットワーク接続しCoCo3Dアプリケーション起動により、接続先のソースにOAデータ、NEXTデータが自動で連携できるようになっている。IPネットワークでダイナミックかつ品質の高いCG送出に貢献するCoCo3Dシリーズに注目。

08 ソリトンシステムズ[#4308]/[#7204](自社ブースとアスク/ディストーム内のNDIパートナーで出展)

左から「Smart-Telecaster HDView」、「HDView Single」

「Smart-Telecaster HDView」と「HDView Single」を展示。複数のモバイル回線を利用して、安定した高画質映像をライブ中継する製品。送信機から受信した映像はベースバンドで出力しつつ、同時にNDIでも出力されTriCasterシリーズとシームレスに連携する。

09 三信電気[#3501]

LiveUシリーズを展示

LiveUシリーズは携帯回線(LTE)の複数同時使用により広い帯域を確保し(ボンディング)、高品質な映像をライブ伝送することができる。4K60P SDIモデルも発表されたフラッグシップモデルの「LU600」シリーズは、最大8本の携帯回線を同時使用可能な設計。LiveUはボンディング技術において、独自のLRTテクノロジーを開発し日本を含む世界各国で特許を取得、主要地上波放送局を始め国内でも多くの導入実績がある。

管理は「LiveU Central」というポータルサイトにより、大量の送信機・受信機を一括管理することができ、MultiPointを使えば複数の受信機で同時に映像を受信することも可能。受信機の映像はSDI出力のほかNDIにも対応、ケーブルの煩雑な引き回しを必要としない。

10 テクノネット[#3301]

スポーツコーダfor TriCasterを展示

「スポーツコーダfor TriCaster」を展示。ブース内の展示コーナータイトルとしては「NDIを用いたOver IP制作環境」で、制作環境を紹介する。

豊富なラインアップであらゆるスポーツ中継にグラフィックスを提供するスポーツコーダを、NDIに対応。Newtek社のプロダクションシステム「TriCaster Mini」とコンパクトなIPエンコーダを用いて、省スペースの制作環境を構成。スポーツコーダ用PCをネットワーク接続するだけで、手軽にスポーツグラフィックスの運用が可能になる。

11 クレッセント[#2710]

リアルタイム360°映像ビューイングシステム「RabbichantEye360」

リアルタイム360°映像ビューイングシステム「RabbichantEye360」を展示。自社開発超小型4Kパノラマカメラからの映像を専用PCでリアルタイムスティッチングし、IP-Overで低遅延伝送、ビューワPCでデコード、HMDでビューイングすることが可能。全体の遅延を最小化しながら、映像のキャプチャからエンコード迄を極力画質劣化させずに処理することで、高画質低遅延を実現。IP対応済なので、5G時代のお手軽なミニ放送ソリューションとして利用することが可能。

12 ラムダシステムズ[#2507]/[#7204](自社ブースとアスク/ディストーム内のNDIパートナーで出展)

Neo・n×NDIを参考出展

「Neo・n×NDI」を参考出展。テロップ作成から管理・送出までトータルサポートする「Neo・n」は、リアルタイムテロップシステムパッケージ。当社フレームバッファ「GRID」をベースにした機器と各種ソフトウェアによって、テロップ作成から管理・送出まで、確実な運用をサポートする。

12 PRONEWS

左からINTER BEE CREATIVE MEET-UP内のPRONEWSブースとPRONEWS RADIO収録の様子

毎年恒例のPRONEWSでは、現地からTriCasterを使用してLive配信を行い、InterBEEの見どころをお届けする。これを見るだけでもInterBEEが手に取るように理解でき、参加できない方にもお役立ちのはず。中継にはTricaster使用する。


Fコース[InterBEE 2018の歩き方] Aコース