PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [CES2019]Vol.11 「ラストワンマイル」市場を取れ!モビリティCES最前線
News

[CES2019]Vol.11 「ラストワンマイル」市場を取れ!モビリティCES最前線

#Report NOW! #CES2019

2019-01-17 掲載

txt:西村真里子 構成:編集部

CES2019の特徴の一つとして、昨年までのビジョンを語るフェーズから実行フェーズに移ったことがあげられるだろう。ポジティブに言うと有言実行、実現を多く見られたのがよかったが、ネガティブにいうと地味であり華が少なかった年かもしれない。ただ、昨年発表したLGのロール型OLEDディスプレイの商用版や、BYTONの巨大コックピットディスプレイ(タブレット7枚分!)も商用版に入れることを発表したり、地味とは言いつつも驚く発表が多かった。

また、昨年までの動きの反省として新たなアプローチをするところも多かった。例えばCES主催のCTA調査チームの話でも、CES2018で発表したFord×ドミノの自動運転ピザ配達車は話題にはなったが、市場でテストしたところ「自動運転車がピザを届けに来ても、結局家から道路に出てピザを受け取りに行くのが面倒くさい」という声が届いたことにより、自動運転時代には自動車だけではなく「ラストワンマイル」をケアすることが大事であると言うのを実際に市場テストしたことにより多くのプレイヤーが気づいたのである。

タイヤメーカーのContinentalは「カスケイド型」のアプローチを発表していた。Continental Urban Mobility Experience(CUbE)は自動運転で目的地の近くまで行き、その後は「ロボットデリバリー犬」が部屋の前まで配達してくれるのである。犬のように四つ足で歩き、そして腕を伸ばしてドアノブにもエレベーターボタンにもアクセスできるのだ。

ホテルでの「ラストワンマイル(ワンメーター)」をデモしていたのはLG CLOiだ。Servebot(給仕ロボット)としてチェックインからバッグの搬送、ホテルルームでの必要なものを届けてくれる。今回のCES期間もホテルのカウンターは行列だった。こちらは長距離飛行で疲れているのでシャワーまでの“ラストワンマイル”のところでチェックインで20分ほど待つことになった。その際に、CLOiのようなロボットがたくさんいてチェックインし、荷物を運んでくれたらどんなに楽だろうかとデモを見てて感じた。

HONDAはP.A.T.H. Botを発表していた。混在する空港などでもスムーズに人混みを掻き分け目的地に連れて行ってくれるのだ。訪日外国人が増えるこれからの時代のナビゲーターとして英語が苦手な日本では空港や観光地などでの活用を見込んで言うのだろう。私が行った時にはデモが終了していたので、動画で確認しただけだがなかなかスムーズな動きだ。ここにLG CLOiのように荷物も運んでくれるのであればCESのような大規模な会場で私の荷物を持ちながら目的地にナビゲートしてもらいたい。なにせCESは東京ドーム50個分、ラスベガスの町中で行われているので。余談になるが最新のテクノロジーを展示しておりつつもCES自体がアナログなところが多いので、積極的に実験の場として新しいモビリティを導入してもらいたいものである。

他にもSEGWAY ROBOTICSなどもパーソナルロボットを出していた。個人的にパーソナルロボットのお気に入りはイスラエルのスタートアップTemiのプロダクトだ。頭を撫でてあげて私を認識すると、可愛らしくついてきてくれるのだ。ロボットなのだがスムーズに反応してくれるのでまるでペットのように感じる。

CES2019では自動運転プラットフォームのオープン化の発表が行われたのも驚きのニュースだった。トヨタはレベル5時代実現に向けての自動運転車の安全運転を支えるプラットフォーム「ショーファー&ガーディアン」をオープン化すると発表した(詳細はまだ見えてこないが)。

また、今年はメイン会場ではなくスマートシティーエリアで出展していた中国BaiduはオープンソースのエッジコンピューティングプラットフォームOpenEdgeとLinuxベースの自動運転車向け記憶装置「Apollo 3.5」も発表。CESで開発者向けの発表をすること自体、製造業とプログラマーの垣根が薄れてきていることを肌で感じて面白い。Baiduは米国の大手スーパーマーケットチェーンのWalmartの配達を自動運転車で行う発表もしていた。自動運転時代の開発者コミュニケーションおよびパートナーシップではBaiduは一歩リードしている印象を受ける。

ロシアの検索大手Yandexも自動運転タクシーのデモを行うと発表していたのだが残念ながらのられなかった。また、CES期間中には今年もLyftが自動運転車を町中に走らせていた。こちらも残念ながら遭遇することができなかったのだが、唯一乗れたのはYAMAHAのPPM(パブリック・パーソナル・モビリティ)だ。

顔認識とジェスチャーでドライブできるヤマハのPPMは、運転のためのアクセルペダルやブレーキペダルは不要だ。顔認識で事前予約あるかどうかを確認した後に、親指を突き上げてオッケーポーズをすると運転をスタートさせ、障害物がある場合には自動ブレーキがかかり、搭乗者がブレーキをかけたい時には手のひらを前に突き出すとストップサインと認識して車が止まる。

顔認識で乗車許可された人だけが乗れ、予め地面に埋め込んだマーカーがあるエリア内をハンドジェスチャーで移動してみたが、シンプルだった。一般道路ではなく、例えば歩行者天国中とかプライベートエリアのみでの利用にはなるが、今後日本の地方都市でも実験を開始するようで、運転免許をすでに返還した高齢者などが利用するコミュニティモビリティとして可能性はありそうである。

さて、トヨタの「e-Palette構想」ではボックス型の自動運転車が町中を走り回るアニメーションが印象的だったが、今年はボックス型自動運転車がBOSCHやDENSO、ZFなどの部品メーカー含む多くの企業からデモンストレーションされており、自動運転時代のデファクトのスタイルとなることを予見させる。

地味かもしないが着実に自動運転時代、パーソナルモビリティが身近になる時代に近づいていることを感じるCES2019のモビリティニュースをお届けした。「かっこいい!」というよりは「安心」に振った地味な展示が多い中で、メルセデスベンツのような美的外観を意識し続ける企業により魅力を感じてしまうのも否めない。

txt:西村真里子 構成:編集部
Vol.10 [CES2019] Vol.12

[ Category : , ]
[ DATE : 2019-01-17 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[CES2020]Vol.11 Crystal LEDとAtom Viewで実現するヴァーチャルセット最前線~まさにリアルを超える?!

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部 リアルとバーチャルの境目がなくなる影像制作 CES 2020はそれまでのCESの歴史から大きくシフトを宣言している年であ... 続きを読む

[CES2020]Vol.10 テレビ局が不在でも完全に8Kが主流のCES2020

txt:江口靖二 構成:編集部 CES 2020の主流が「8K」となった理由 CES 2020では完全に8Kが主流である。グローバルで市場を牽引する中国とアメリカでは、... 続きを読む

[CES2020]Vol.09 「次の10年のエンターテインメント・プラットフォーム」とは?〜モバイル向け動画配信サービスQuibiスタート直前

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 モバイル向けストリーミングサービス「Quibi」とは? 生活を変えるテクノロジーのショーケースとして... 続きを読む

[CES2020]Vol.08 日常が“つながる”と意外なものがメディアになる?未来の生活を彩るものたち

txt:平野陽子 (大広) 構成:編集部 2020年1月7日~1月10日、米国ラスベガスにて「CES 2020」が開催された。すでに多くのメディアで語られているが、再度振り返... 続きを読む

[CES2020]Vol.07 人工人間、身体性が問われるテクノロジー「NEONプロジェクト」

txt:西村真里子 構成:編集部 CES 2020で注目のテクノロジー「NEON」とは CES 2020の日本のスタートアップが出展するEureka Parkに... 続きを読む

[CES2020]Vol.06 目の付け所がAIなプロダクトが続々登場〜会場から見えてくるAIプロダクト達

txt:江口靖二 構成:編集部 進化する画像センサーがより良い未来を作る サムスンの「Ballie」は目の付け所がサムスンなプロダクトだ。百聞は一見にしかず、サムス... 続きを読む

[CES2020]Vol.05 航空会社として初基調講演。デルタ航空が考えるイノベーション〜パラレル リアリティ ディスプレイ

txt:江口靖二 構成:編集部 航空会社として初めての基調講演 CESでのキーノートには、例年家電メーカーであったり、インテルやクアルコムのようなチップ系のメーカー、最近では自... 続きを読む

[CES2020]Vol.04 より多くの人を集めるために〜CESにおける「見せ方」と「ブランディング」効果とは?

Audiのブースは上からキラキラしたリボンが無数に装飾されており、否が応でも足を踏み入れたくなる txt:清水幹太 構成:編集部 来場者の気を引く“見せ方”は多種多様 ... 続きを読む

[CES2020]Vol.03 一般化を迎えたカテゴリーに花開く、味わい深いプロダクトたち〜展示会スタート

txt:清水幹太 / 編集部 構成:編集部 いよいよ展示会が始まる MediaDayが終わり、CES展示会場での展示がいよいよ始まった。CESの他の展示会と大きく違う点... 続きを読む

特集記事

ATEM WORLD ATEM WORLD
ラインナップ充実のATEM Miniシリーズの選び方や使いこなしをご紹介。
SIGGRAPH2020 SIGGRAPH2020
オンライン開催されたVFXの祭典・SIGGRAPH2020をレポート。
映像基礎講座 映像基礎講座
映像の基本や基礎知識を学ぶ。映像制作初心者はもちろん、熟練者ももう一度初心に立ち返ろう。
	
Shoot with Vlog cam Shoot with Vlog cam
個人の動画ブログ「Vlog」が隆盛するいま、Vlog用カメラを通して映像を撮ることを数回にわたり考える。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part II
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part I
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
AfterCOVID-19 映像業界サバイバル AfterCOVID-19 映像業界サバイバル
社会的危機となっている新型コロナウイルス拡大の状況を分析し、今何が起こり、何が必要で、その後に何が訪れるのかを考えてみる。
Film Shooting Rhapsody 上映編 Film Shooting Rhapsody 上映編
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。今回はフィルム現像から紹介する。
再現:NAB2020 再現:NAB2020
米国ラスベガスにて開催予定だった世界最大の放送機器展覧会 2020 NAB Showでお披露目される予定だった内容を再現していく。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。
再現:CP+2020 再現:CP+2020
開催中止となってしまったCP+2020をPRONEWS誌面上で再現して行く。
CES2020 CES2020
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2020をレポート。
PRONEWS AWARD 2019 PRONEWS AWARD 2019
2019年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
Inter BEE 2019 Inter BEE 2019
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2019の歩き方 InterBEE 2019の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [CES2019]Vol.11 「ラストワンマイル」市場を取れ!モビリティCES最前線