PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [SXSW2019]Vol.04 NHKが牽引する8Kの世界。そして聴覚、VRの可能性を探る展示に注目集まる
News

[SXSW2019]Vol.04 NHKが牽引する8Kの世界。そして聴覚、VRの可能性を探る展示に注目集まる

#Report NOW! #SXSW #SXSW2019

2019-04-01 掲載

txt:岡本侑子(kiCk inc.) 構成:編集部

SXSW2019期間中、NHKエンタープライズはトレードショーで2つの展示を行い、NHKは、昨年に引き続き8Kシアターを展開した。日本企業も多数SXSWに出展を行う中、どのような展示が行われていたのかをレポートする。

(1)THE TIME MACHINE

VRの映像を通して1964年の渋谷にタイムスリップするというもの。VR体験だが体験している人のVR映像に合わせて裏側ではギミックを用意して、新たな体験価値を創造していた。

企画構想は2年前から行われており、発起人であり代表理事の土屋敏男氏(日本テレビ)と齋藤精一氏(ライゾマティクス)、永田大輔氏(DISTANT DRUMS)の3名が理事となり設立した。1964年当時の映像は過去の写真から「記憶の中の街並み」として3DVRで再現した。

正面からの装置装着の様子

ヘッドマウントディスプレイだけではなく、ディスプレイのついた装置も背中側に装着する。これには体験している人が装着しているVR内で見ている映像が映っていて、スタッフはそれに合わせてギミックを発動させている。

ギミックとして何が発動するのか。

発動するギミックは2つ。

1つ目は、渋谷のシンボルである「忠犬ハチ公像」。VR映像の中にも登場するが、なんと映像内でハチ公が登場するタイミングに、模型のハチ公像に触ることができ、映像とリンクして実際に触っている感覚を味わうことができる。

移動方法はスタッフ手動。ブース内はあまり広くないので、体験者が歩き回ることができるように、登場しない時は暗幕の中に隠れている。

2つ目は、風。建物屋上から地上へ降り立つシーンがあるのだが、ちょうど高所から移動している時には、ふわりと風を受ける。これもスタッフが体験者一人一人に付き添い、うちわで風を上下左右から送っている。

1964年当時の渋谷の様子は、3D VRであるだけにあたかもその当時の風景の中に自分自身が入り込んでいるような感覚になった。そこにリアルなギミックが発動することで、感覚により深みが増しているようだった。

(2)Caico-INVISIBLE VR

NHKエンタープライズと資生堂が共同で、映像を用いない「聴覚と嗅覚」中心とした新しいタイプのVRの出展を行なった。

アイマスクをして、リラックスチェアに腰掛ける。そこにヘッドフォンを装着。 ヘッドフォンからは川が流れる音、虫が飛び交う音、都市の車が通る音など、様々な風景音が約6分間流れる。

そこに椅子に取り付けられたアロマシューター2つが音に合わせた香りを出す。

香りは3秒ほどで消えるため、次の香りがアロマシューターから出るまでには香りは残っていないので、風景音に合わせて目まぐるしく香りも変わっていった。VR音響という言葉を聞いいたことがある人はあまり多くはないだろう。VR音響とは立体的な音技術のことで、エンターテインメント業界では注目されている技術だ。

今回の展示では、あたかも自分がヘッドフォンから聞こえる音の風景に入り込んでいるような感覚を覚え、嗅覚を刺激されることで映像が無くてもリアル感が増していた。視覚がないことで人間は想像力を膨らませ、より没入感が得られているのかもしれない。

(3)8K THEATER

SXSW2018に引き続き、8K展示も行われていた。SonyのクリスタルLEDディスプレイシステムを使用した440インチのスクリーンと、22.2chの没入型サラウンドサウンドシステムで、約20分ほどの映像美とサウンド体験を展示していた。

映像コンテンツは、ダンスパフォーマンス映像、サカナクションやSuperflyのライブ映像などの音楽コンテンツ、今回特に目玉となったのは「Sting and Shaggy The 44/876 Tour」であった。

昨年12月1日にBS4K/BS8Kの放送がスタートしたばかりだが、ライブで観客として観覧する視点とは異なり、撮影されたライブでしか味わえないアーティストとのカメラの距離感の近さを存分に活かした映像と、ライブ会場にいるような感覚を味わうことができた。

エンターテインメントにテクノロジーが溶け込む時代へ

これまでは、リアルな場に行かなくては体験できなかったものが、映像×テクノロジー、音×匂い×テクノロジーなど、リアルな場での体験に近づけるために、様々な場所にテクノロジーが溶け込み始めている。それは、リアルな体験とは別の新たな感覚を生み出し、それはそれで心地よいと感じることもある。そうすると、これまで以上にリアルな体験の価値が高まり、深まっていく。

SXSW2019では、その場でしか体験することができない「エンターテインメント×テクノロジー」が展示されていた。ぜひSXSW2020に足を運んで欲しい

txt:岡本侑子(kiCk inc.) 構成:編集部
Vol.03 [SXSW2019] Vol.05

[ Category : , ]
[ DATE : 2019-04-01 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[CES2020]Vol.11 Crystal LEDとAtom Viewで実現するヴァーチャルセット最前線~まさにリアルを超える?!

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部 リアルとバーチャルの境目がなくなる影像制作 CES 2020はそれまでのCESの歴史から大きくシフトを宣言している年であ... 続きを読む

[CES2020]Vol.10 テレビ局が不在でも完全に8Kが主流のCES2020

txt:江口靖二 構成:編集部 CES 2020の主流が「8K」となった理由 CES 2020では完全に8Kが主流である。グローバルで市場を牽引する中国とアメリカでは、... 続きを読む

[CES2020]Vol.09 「次の10年のエンターテインメント・プラットフォーム」とは?〜モバイル向け動画配信サービスQuibiスタート直前

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 モバイル向けストリーミングサービス「Quibi」とは? 生活を変えるテクノロジーのショーケースとして... 続きを読む

[CES2020]Vol.08 日常が“つながる”と意外なものがメディアになる?未来の生活を彩るものたち

txt:平野陽子 (大広) 構成:編集部 2020年1月7日~1月10日、米国ラスベガスにて「CES 2020」が開催された。すでに多くのメディアで語られているが、再度振り返... 続きを読む

[CES2020]Vol.07 人工人間、身体性が問われるテクノロジー「NEONプロジェクト」

txt:西村真里子 構成:編集部 CES 2020で注目のテクノロジー「NEON」とは CES 2020の日本のスタートアップが出展するEureka Parkに... 続きを読む

[CES2020]Vol.06 目の付け所がAIなプロダクトが続々登場〜会場から見えてくるAIプロダクト達

txt:江口靖二 構成:編集部 進化する画像センサーがより良い未来を作る サムスンの「Ballie」は目の付け所がサムスンなプロダクトだ。百聞は一見にしかず、サムス... 続きを読む

[CES2020]Vol.05 航空会社として初基調講演。デルタ航空が考えるイノベーション〜パラレル リアリティ ディスプレイ

txt:江口靖二 構成:編集部 航空会社として初めての基調講演 CESでのキーノートには、例年家電メーカーであったり、インテルやクアルコムのようなチップ系のメーカー、最近では自... 続きを読む

[CES2020]Vol.04 より多くの人を集めるために〜CESにおける「見せ方」と「ブランディング」効果とは?

Audiのブースは上からキラキラしたリボンが無数に装飾されており、否が応でも足を踏み入れたくなる txt:清水幹太 構成:編集部 来場者の気を引く“見せ方”は多種多様 ... 続きを読む

[CES2020]Vol.03 一般化を迎えたカテゴリーに花開く、味わい深いプロダクトたち〜展示会スタート

txt:清水幹太 / 編集部 構成:編集部 いよいよ展示会が始まる MediaDayが終わり、CES展示会場での展示がいよいよ始まった。CESの他の展示会と大きく違う点... 続きを読む

特集記事

Inter BEE 2019 ぼくらのEDIUS X
約3年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「EDIUS X」の魅力を紹介。
InterBEE 2019の歩き方 Broadcast & Cinema EXPO 2020
映像制作者、映像業界関係者向け情報イベント配信番組。
ATEM WORLD ATEM WORLD
ラインナップ充実のATEM Miniシリーズの選び方や使いこなしをご紹介。
SIGGRAPH2020 SIGGRAPH2020
オンライン開催されたVFXの祭典・SIGGRAPH2020をレポート。
映像基礎講座 映像基礎講座
映像の基本や基礎知識を学ぶ。映像制作初心者はもちろん、熟練者ももう一度初心に立ち返ろう。
	
Shoot with Vlog cam Shoot with Vlog cam
個人の動画ブログ「Vlog」が隆盛するいま、Vlog用カメラを通して映像を撮ることを数回にわたり考える。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part II
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
Camera Preview 2020 Camera Preview 2020 Part I
2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。
AfterCOVID-19 映像業界サバイバル AfterCOVID-19 映像業界サバイバル
社会的危機となっている新型コロナウイルス拡大の状況を分析し、今何が起こり、何が必要で、その後に何が訪れるのかを考えてみる。
Film Shooting Rhapsody 上映編 Film Shooting Rhapsody 上映編
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。今回はフィルム現像から紹介する。
再現:NAB2020 再現:NAB2020
米国ラスベガスにて開催予定だった世界最大の放送機器展覧会 2020 NAB Showでお披露目される予定だった内容を再現していく。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。
再現:CP+2020 再現:CP+2020
開催中止となってしまったCP+2020をPRONEWS誌面上で再現して行く。
CES2020 CES2020
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2020をレポート。
PRONEWS AWARD 2019 PRONEWS AWARD 2019
2019年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
  1. トップ
  2.  > 
  3. 特集
  4.  > 
  5. [SXSW2019]Vol.04 NHKが牽引する8Kの世界。そして聴覚、VRの可能性を探る展示に注目集まる