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[4shooters +1King NAB2019]Day03 平成から令和へ〜平成最後のNABで感じた新時代への兆し

2019-04-11 掲載

8K/120PをH.265にリアルタイムエンコード。NHKが見せた知恵と意地

小寺信良

会期3日目の今日は、NHKが8K/120PのH.265リアルタイムエンコードを実現したというので、現物を見に行った。この装置は8Kの専用エンコーダを開発したわけではなく、富士通製の4K/60Pのエンコーダを使って、分散エンコードさせ、最終的に8Kに戻すシステムだった。

具体的には、8K/120Pの映像をRGBの3グループに分ける。それぞれは120Pなので、さらにそれを60Pの2ストリームに分けて、12Gまで落としてやるわけだ。デモでは、アストロデザインの非圧縮8Kレコーダからの出力を12G-SDI 12本に分割。朋栄の12G-SDI対応フレームシンクロナイザーでタイミングを揃える。この信号をいったん4Kにダウンコンバートし、4K/60Pで仮エンコードしてデータを取得。いわゆる2パスエンコードの1パス目を、解像度を落としてやるわけだ。

エンコードのプリプロセス部分

そのあとは12G-SDI 12本に分割された映像を、12台のエンコーダでH.265にエンコード。これが2パス目だ。画面分割は田の字ではなく、横方向に4分割したものになる。田の字に分割すると、ちょうど人間が注視しやすい映像の中心部分が4つに分散エンコードした境目になってしまうので、分割エンコードしたつなぎ目が見えやすいからだという。確かに横方向に4分割した方が、境目が目立たない。

その後、12台の4K/60Pエンコーダを使って分割エンコードする

最終的にこの12本のストリームをもう一度8K/120Pに組み上げて伝送するわけだ。現時点では、入力から出力まで遅延は7.5秒ほど。

8K/120Pの専用エンコーダはあまり需要がなく、専用エンコーダがどこかのメーカーから登場する可能性は低いと考え、4K/60Pのエンコーダを使ったシステムを開発したとのこと。遅延はあるが、既存の装置だけで8K/120Pのリアルタイムエンコードを実現した意義は大きい。

独特な製品BLUESHAPE製バッテリーがおもしろい

岡英史

会期三日目終了。只今午前3時過ぎ。会場を後にした我々の毎日の日課はその日の動画処理とこのデイリーレポートがある。さすがに三日目ともなると寝不足プラス疲労で「寝ちゃえ!」としたい所だが待ってる編集部もいるので本場のレッドブルを飲みつつ今日のポイントを。

NABの特徴として色々なカメラメーカーと同じくらいにバッテリーメーカーも出展している。日本でよく聞く中華系バッテリーもあるがそれ以上に何だこれ?的なモノが多い。しかしその何だこれ?が面白い方向にシフトした中でこのBLUESHAPE製のバッテリーは筆者的には抜群に良かった。

まずはこのMVQUICKシリーズ。これだけ見るとVマウントを多層化できるものに見え、それなら日本製でもIDXが販売しているが、これは多層化と言うよりも一時的なバックアップ電源に近い。筆者の手と比べればその小ささがわかると思うが実際に小さくそれをカメラの一番内側に付けることで、外側の消費したバッテリーを外すときの電源として使うものなので軽く薄い。イメージ的にはカメラ内蔵バックアップ電源的なものと考えた方が良い。カメラメーカーによくバックアップ電源内臓を進言して来たがこの製品ならそれに代わることが出来るはずだ。

もう一つはBUBBLEPAKシステム。もはやVマウントですらなく、ただのバッテリーの塊。特徴は4つのDタップ電源から色々な電圧を出せること。バッテリーの上下面には1/4inchネジが切ってあり、上面にはワンタッチプレートが付いている。何方かと言えばRIGに組み込み、各種アクセサリーの電源供給的に使うものだが、カメラと三脚の間に挟んで駆動時間を上げ、さらに重量増加からENGの精度の高い三脚も使えるようになる。ベルトクリップも付属しているために腰に付けそこからカメラ、アクセサリー、照明等々に電源を出すこともできる。今までありそうでなかったタイプだけにこれは新鮮だ!

総評


今年のNABはレンズが色々とクローズアップされている感が強かったが、筆者的にはプレスカンファレンスに出てなかったSonyの新製品が非常に良かった。それは自分の様な業務レンジにはちょうど刺さる感じのガジェットになるから。新型の小型B帯ワイヤレスやFS7-ENGキット等、早く日本でもお披露目して貰いたいガジェットだ。

おまけ
AZDEN製の2.4gHz製は安価で簡単な操作でワイヤレスマイクとして知られているが、若干その帯域の製で信号が切れやすい。なのでAZDEN PRO-XRは筐体こそ同じだが中身を一新し、信号の出し方を変え、今までより倍切れにくくなっている。夏ごろ発売で3万円前後の予定だ。その詳細は、次に宏哉氏が詳しく解説してくれる。

個人的興味の赴くままに

宏哉

今日は取材の合間に個人的興味の赴くところへ、ぶらぶらと。

日頃からお世話になっている、マイクメーカーのAZDEN。私はAZDENのマイク数本を愛用していますが、多様なラインナップで安価ながら音質もよく重宝しています。

その中で今年は新製品が。ワイヤレスマイクのPROーXRです。従来品でPROーXDというワイヤレスマイクがあり、その後継機になります。2.4GHz帯を使ったワイヤレスマイクシステムなのですが、-XDは電波の飛びが悪く、実用するには制限の多い製品でしたが、今回はそれを改善。SACDにも採用されている1bitサンプリング技術でデータ量を抑えながら、伝送の安定性を確保。送信機・受信機共にダイバシティーアンテナを積んでおり、安定した送受信が行えるということでした。また、バッテリー駆動時間も延長。受信機で21時間、送信機で16時間と丸一日電源を入れっぱなしで使えるスタミナです。

つぎに、FeelWorldへ。こちらは中国のモニターメーカー。私も既に4~5台所有しており、現場で使っています。FW279Sは、2200nitsという高輝度液晶を採用した7インチモニター。SDIもHDMIも入出力可能です。

さらに新製品としてF6 Plusが登場。こちらは 5.5インチ液晶で、タッチパネルを採用したモデルになります。特徴的なのは、SDカード経由で3D LUTを読み込めること。Log撮影などでのリファレンスとして使えるモニターになります。ただ、未確認なのはLUTを当てた映像がHDMIアウトにも出せるのか?という点で、この点はブースのスタッフでは未把握とのことでした。

明日はいよいよ最終日。さらにぶらぶらしながら、自分の現場で使えそうなガジェットを見つけ出したいと思います!

一眼ムービーもRAW撮影の時代

栁下隆之

実は昨年も出展していたNikonブースは、聞けば今年で3年連続の出展だという。一昨年、昨年はロボットアームのカメラ雲台が主たる展示だったそうだが、今年は大々的にNikon初のフルサイズミラーレス一眼を展示していた。

その中でも注目なのが、HDMI端子からRAW信号を出力してATOMOS社のモニターレコーダーNINJA VでProResRawでキャプチャ出来るという展示。世界初の一眼カメラでRAW記録出来るシステムで、これにより撮影から仕上げまでのワークフローにおいて、ハイエンドのノウハウを個人レベルで導入できる様になったのは、フリーランスのビデオグラファーとしては自ずと期待が高まってくる。

で、なぜこの話題を取り上げたかというと、RAW信号というのは、カメラ内部で電子補正をかけないという事が前提になる=レンズの収差補正をしないままRAW記録する事になってしまうわけで、レンズの良し悪しがそのまま映像として記録されてしまう。となれば、自ずとレンズの解像感や描写の味という物に、十分な知識とこだわりを持って選定する必要があるわけで、レンズが作品のルックを決めると言っても過言ではないだろう。一眼動画新時代を乗り切れる、そんなレンズとの出会いを求めて、次はCine Gear Expo 2019を視察してみたいと思う。

ブース内では割とこじんまりと展示していたRAWキャプチャシステム。カメラ+小型のモニターレコーダーだけで撮影出来てしまうのは、個人的にわくわくドキドキな展示だった RAW信号を出力するという事は、レンズの電子補正をカメラ内部で行わない事が前提。当然レンズへの要求性能が高くなるが、Nikonの最新レンズはそれに応える設計を心がけているという

世界各国から素晴らしい製品があつまるNAB

猿田守一

NAB取材は本日で3日目となった。PRONEWSで行う取材は本日で最終日となる。

セントラルホールの奥側では中華系大判センサーのシネカメラの展示がありグローバルシャッターまでも搭載するという元気の良さだ。中華系のこの開発力はなかなか凄いものがある。またレンズ展示も今年は豊作だったようだ。年々精度を上げてきているようで「中華製だから」とは言えない日が近いのではないかと感じた。

毎年コンベンションセンターのウォールに看板を掲示している常連さんはBlackmagic DesignとATOMOSである。今日の取材ではATOMOS社の社長であるジェロミー・ヤング氏に直接マイクを取ってもらい新製品のShogun 7の説明を行ってもらった。とても活力のある方で、自社製品について全てわかっているという姿勢が本当に素晴らしいと思った。Blackmagic Designにも同じことが言えるのかもしれない。

海外だけではなくPROTECHブランドの日本ビデオシステムの橋口社長も新製品を作り出すために、今でもカメラマンの仕事を行っており、実際カメラを使ってみなければ分らない部分を洗い出し、新製品開発に生かしているという話を聞くと、盛大に応援したくなる。これらの日本企業もいつかはNAB会場のウォールをデカデカと広告を飾る日ができればと思った。


Day02 [4shooters +1King NAB2019] Day00

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[ DATE : 2019-04-11 ]
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