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[Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019]Vol.02 アンジェニュー、好みの描画に合わせて鏡胴内のレンズや絞り羽根を交換できるプライムレンズ「Optimo Prime」を開発発表

2019-06-10 掲載

txt・構成:編集部

「なぜプライムを発売しないのか?」お客様の要望から発売へ

業界標準のズームレンズとして親しまれているAngénieuxは、Cine Gear Expo開催直前に18mmから200mmまで12本のプライムレンズシリーズ「Optimo Prime」を開発発表。ズームレンズの革新をリードしたとも言われるメーカーから、まさかのプライムレンズ発表だった。Optimo Primeは同社ズームレンズのテイストを継承するとあって、業界からさっそく大きな注目を集めている。Angénieuxの三上泰彦氏に、Optimo Primeシリーズの魅力を聞いてみた。

Angénieuxの三上泰彦氏

――Angénieuxはズームレンズのみをラインナップしていますが、プライムシリーズ開発に至ったきっかっけは何だったのでしょうか?

「なぜプライムレンズを出さないんだ?」というお客様からの要望が一番大きなきっかけとなりました。

Angénieuxではプライムレンズを50年、60年前に商品化していまして、以来はハイエンドズームレンズのみを製造してきました。お客様からはずっとプライムレンズのご要望は頂いていたのですが、ズームレンズ開発に集中していて、なかなか手が回りませんでした。

しかし、業界のフォーマットが、スーパー35からフルサイズにちょうど移行している今、プライムシリーズのリリースには最適なタイミングでした。

各社からいろんなプライムシリーズが発売されていますけれども、当社のプライムシリーズはちょっとひと味ちがうものが出せる糸口が見えてきたところで、開発をスタートしました。

鏡胴内のレンズを交換して、味付けの変更が可能

――他社のプライムレンズとどのあたりが違いますか?

Optimo Primeシリーズのルックは、当社のズームレンズとぴったりと合うように設計されます。ボケ味や周辺光量落ちの感覚は、ズームレンズに合わせています。しかし、それだけでは面白くないので、今回いろいろレンズの中に仕掛けを実現しようとしています。

基本的にこういったシネレンズは、撮影機材のレンタル屋さん経由で貸し出され、それぞれの専門店には修理やメンテナンスをされる技術の方がいます。そういった方がレンズを分解して、内部の部品を取り替えられる仕様になっています。

まず、絞り羽根の前にあるレンズ1枚が抜き差しできるようにしてありまして、交換することによりレンズの味付けを変えることができます。

先行試作機の40mmのプライムレンズを展示。ほかの焦点距離はIBC以降で見られるかもしれないとのことだ

――鏡胴の中のレンズが交換できるなんてびっくりです。このような仕組みは、聞いたことがありません。

聞いたことないでしょ?きちんとレンズの中で味付けを追い込みましょうというのが、基本コンセプトです。ディテールを変えたり、今後もっと詳しいお話ができると思います。さらにそれだけではありません。そのガラスの後ろにある絞り羽根のユニットを何種類か用意する予定です。一般的に、円形絞りが必要だというのはわかっています。しかし、羽の枚数が多くなると点光源を映すときに光芒が派手に出て、シーンによってはかなり目障りになります。

――絞り羽根は多ければ多いほど理想的というわけではないのでしょうか?

絞り羽根は数が多ければ多いほどいいというわけではないと思います。例えば、当社のズームレンズは小型軽量化するために6枚羽根を採用している機種があります。6枚羽根だと光芒の本数も少ないですし、かなりスッキリした画になります。

――絞り羽根に奇数枚数を採用するメーカーは聞いたことがあります。

奇数にすると光芒はその倍発生します。9枚羽根にすると、18本の光芒が出ることになります。そうなると画が賑やかになって、意外と目障りになります。絞り羽根を18枚や20枚を特徴としているのはできるだけ円形に近い絞り形状を実現するためであり、意外とその副作用があまり語られていないのが現状です。形も含めて何種類かの絞り羽を用意して、いろいろ仕掛けていきたいと予定しています。

さらにもう一つの特徴は、レンズの最後部にフィルターの挿入口があり、そこにさまざまな色味のフィルターやディフュージョン系のフィルダーをつけることができる予定です。

――基本的な仕様の話になりますが、イメージサークルはいくつですか?

業界はフルサイズがデフォルトになりつつありますので、イメージサークルは46.5mmをカバーしています。Optimo Primeには、EZ-1やEZ-2にあったスーパー35のバージョンはありません。フルサイズに固定しています。

――T値はいくつの予定ですか?

T値は1.8です。開放の1.8できちんと性能が出て、なおかつ常識的な大きさの実現を目指して開発中です。ただし、両端の18mmと200mmのT値はまだ最終的に決まっていません。1.8ではなく、もう少し暗くなるかもしれません。しかし、一絞り落ちるようなことはないと思います。

――前面直径はいくつでしょうか?

ワイド端とテレ端は未定ですが、それ意外は全部95mmで揃えてあります。ギアの位置も一緒です。

テレ端とワイド端以外の前面直径は、95mmで統一されている

――最後に、発売時期を教えてください。

21、28、40、50、75、135mmを2020年半ばから発売を開始し、2021年の春までに合計12本のレンズが発売される予定です。

いままで当社で発売してきたズームレンズの開発には、プライムレンズ5本や6本分の手間暇や工数がかかります。つまり、今回のシリーズはプライムレンズ12本で、ズームレンズを2本つくることと同じぐらいの負荷と考えております。但し、シネマ用のプライムレンズに関しては最後発メーカーになりますので、従来のレンズにはない特長を持たせることに腐心しました。

Optimo Primeは、レンズの味付けを変えて、いろいろ面白いことができるようにしたいと思っています。撮影される方々が望まれる様々なルックをどう実現するか、これから試行錯誤を繰り返しながら細かい仕様を詰めていくことになります。このレンズを一セットもっていれば、いろんな仕事に柔軟に対応できるような製品にしたいと思います。

txt・構成:編集部


Vol.01 [Digital Cinema Bülow VIII] Vol.03

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[ DATE : 2019-06-10 ]
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