[BIRTV2019]Vol.02 中華レンズメーカーDZOFILM、約15万円相当のマイクロフォーサーズシネマズームレンズ「LingLung 20-70mm T2.9」「LingLung 10-24mm T2.9」を展示
2019-08-27 掲載

txt・構成:編集部
DZOFILMがシネマズームレンズの新製品LingLung 20-70mm T2.9と10-24mm T2.9を初公開
中国・深センのレンズメーカーDZOFILMは、BIRTVでマイクロフォーサーズマウントでシネマスタイルのズームレンズ「LingLung 20-70mm T2.9」や「10-24mm T2.9」を展示。LingLungは、BMPCC 4KやZ CAM E2、Panasonic GH5、GH5Sなどと組み合わせて使える本格的なシネマズームレンズだ。DZOFILMは、NABやCineGEARにも出展はしていたが、製品化の展示は今回のBIRTVが初めてとなり、注目を浴びていた。
新製品のLingLungについてマーケティングマネージャーのkay Hong氏に話を聞くことができたので紹介しよう。

DZOFILMのマーケティングマネージャー、kay Hong氏
――DZOFILMとはどのようなブランドでしょうか?
前身は、産業用レンズの研究開発と生産を行うDongzheng Opticsという会社です。その頭文字をとってドンの「D」、ゾンの「Z」、オプティクスの「O」をとって、シネレンズのブランドを立ち上げたときに、DZOFILMという名前をつけました。
![]()
「LingLung 20-70mm T2.9」と「10-24mm T2.9」の展示が行われたDZOFILMブース
――なぜシネレンズを立ち上げたのでしょうか?
元となるDongzheng Opticsは、シネマレンズとは全く異なる8Kや16Kなどの高解像度ラインスキャンの産業用レンズを手掛ける会社です。しかし、会社の使っている技術は、撮影用レンズを作るのにも応用ができます。そこで中国はカメラ愛好家が多いことから、シネマレンズの製品化が実現することになりました。
![]()
Blackmagic Pocket Cinema CameraとLingLung 20-70mm T2.9の組み合わせ
――LingLungシリーズを実現するうえで、こだわった点を教えてください。
このブランドの名前であるLingLung(リンラン)は、中国語でコンパクトという意味です。小さくて、2本のレンズとも1,100gと軽くてコンパクトなところに一番こだわりました。Blackmagic DesignのBlackmagic Pocket Cinema CameraやパナソニックのLUMIXにしても、カメラ自体が小型です。なので、全体のシステムができるだけコンパクトになるように開発をしまいた。
また、マイクロフォーサーズのシネレンズは少ないです。そして、価格は20-70mmは9,980元(日本円で約15万円)、10-24mmは11,980元(日本円で約18万円)です。お手頃な価格でも注目されるのではないかと思っています。
![]()
パナソニックLUMIX GH5シリーズとLingLung 20-70mm T2.9の組み合わせ
――機能的な特徴を教えてください。
機能部分でのこだわりは、完全に映画とかのプロユースとかの現場に応えられる仕様を実現しています。メモリの刻みやギアの質感の部分にこだわっています。
レンズの両側に目盛りを簡単に識別できるよう、両面に目盛りが装備されています。270°のフォーカスリングストロークや+−0.3mmのバックフォーカス調整機構を備えています。レンズを固定するためにフロントサポートロッドを搭載しており、レンズとカメラ間を安定させることができます。
![]()
レンズ前面から、ギア付きのフォーカスリング、ギア付きのズームリング、ギア付きの絞りリング、フランジバック調整リング
――今後Eマウントなどの発売の可能性はありますか?
市場のニーズとかがあれば考えます。というのも、会社自体は、まだ立ち上げてから半年です。この製品もまだ発売前でやっとBIRTVで発表されて、これから発売という段階です。いまは、マイクロフォーサーズで販売していこうというところです。
![]()
E2やBlackmagic Pocket Cinema CameraやパナソニックのLUMIXにレンズをつけた状態で体験できるようになっていた
――日本で購入できますか?また、日本から注文はできますか?
日本にはまだ代理店はありません。注文に関しても、DZOFILMから個人に販売することは考えていません。それぞれの国や地域に販売店や代理店を設けて、そこから購入していただく形になる予定です。
![]()
人の肌の色や点光源の描写も特徴とのこと
txt・構成:編集部
[ Category : SPECIAL ]
[ DATE : 2019-08-27 ]
[ TAG : Report NOW! BIRTV DZOFILM]
この記事に関連する記事一覧
![]() |
[CES2021]Vol.06 ALL DIGITALのCES2021で感じたこれからのビジネスコンベンションの行方txt:江口靖二 構成:編集部 「CES2021 IS ALL DIGITAL」ということで、CES2021は紆余曲折を経て最終的に完全オンライン開催となった。こうした環境下... 続きを読む |
![]() |
[CES2021]Vol.05 インフラとしての責任を表明したTechGiantsとテクノロジーの未来とはtxt:平野陽子(大広) 構成:編集部 CES2021は全てオンラインで開催したことは周知の通りだ。そのテクノロジーパートナーとしてて支えたのがMicrosoftだ。そう今回... 続きを読む |
![]() |
[CES2021]Vol.04 元気になる「LG Future Talk」がオススメ!txt:江口靖二 構成:編集部 LGがイメージするニューノーマルの世界観とは CES2020において、LGはプレスカンファレンスに加えてCES Spotlight Se... 続きを読む |
![]() |
[CES2021]Vol.03 5Gが映像業界を後押し、最高のエンターテインメントを生むtxt:平野陽子(大広) 構成:編集部 オール・デジタルで始まったCES2021 その年の重要なテクノロジートレンドを体現する企業が務めるKeynoteトップバッタ... 続きを読む |
![]() |
[CES2021]Vol.02 今年のテックトレンドとは?〜CTA’s 2021 Tech Trends to Watch解剖txt:西村真里子 構成:編集部 手探りのCES2021はどうなるのか? オール・デジタルのCESが開幕した。CESツイッターアカウントもこのデジタル化の波を楽しむかの... 続きを読む |
![]() |
[CES2021]Vol.01 見本市の恐竜CESは絶滅を免れることができるのか?〜開催直前事前案内txt:西村真里子・猪蔵 構成:編集部 「現実」を見つめるチカラが試される2021年 CES2020基調講演の会場から 毎年年始、新年の浮かれ気分にプラス... 続きを読む |
![]() |
[CES2020]Vol.11 Crystal LEDとAtom Viewで実現するヴァーチャルセット最前線~まさにリアルを超える?!txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部 リアルとバーチャルの境目がなくなる影像制作 CES 2020はそれまでのCESの歴史から大きくシフトを宣言している年であ... 続きを読む |
![]() |
[CES2020]Vol.10 テレビ局が不在でも完全に8Kが主流のCES2020txt:江口靖二 構成:編集部 CES 2020の主流が「8K」となった理由 CES 2020では完全に8Kが主流である。グローバルで市場を牽引する中国とアメリカでは、... 続きを読む |
![]() |
[CES2020]Vol.09 「次の10年のエンターテインメント・プラットフォーム」とは?〜モバイル向け動画配信サービスQuibiスタート直前txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 モバイル向けストリーミングサービス「Quibi」とは? 生活を変えるテクノロジーのショーケースとして... 続きを読む |
- [CES2020]Vol.08 日常が“つながる”と意外なものがメディアになる?未来の生活を彩るものたち (2020-01-17)
- [CES2020]Vol.07 人工人間、身体性が問われるテクノロジー「NEONプロジェクト」 (2020-01-16)
- [CES2020]Vol.06 目の付け所がAIなプロダクトが続々登場〜会場から見えてくるAIプロダクト達 (2020-01-14)
- [CES2020]Vol.05 航空会社として初基調講演。デルタ航空が考えるイノベーション〜パラレル リアリティ ディスプレイ (2020-01-12)
- [CES2020]Vol.04 より多くの人を集めるために〜CESにおける「見せ方」と「ブランディング」効果とは? (2020-01-10)
- [CES2020]Vol.03 一般化を迎えたカテゴリーに花開く、味わい深いプロダクトたち〜展示会スタート (2020-01-09)
特集記事
![]() |
映像基礎講座 Episode 2 2020年8月に公開された特集「映像基礎講座」続編。引き続き映像の基本や基礎知識を学ぶ。 |
![]() |
CES2021 オールデジタルのオンライン開催となったCES2021をレポートする。 |
![]() |
年末イッキ読み! 2020年に話題になった製品の特集やコラム記事をまとめて振り返る。 |
![]() |
PRONEWS AWARD 2020 激動の1年となった2020年の映像業界を、PRONEWS編集部が総括する。 |
![]() |
再現:Inter BEE 2020-Web Trade Show- 11月18日(水)からオンライン開催されるInterBEEを解説する。 |
![]() |
ぼくらのEDIUS X 約3年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「EDIUS X」の魅力を紹介。 |
![]() |
Broadcast & Cinema EXPO 2020 映像制作者、映像業界関係者向け情報イベント配信番組。 |
![]() |
ATEM WORLD ラインナップ充実のATEM Miniシリーズの選び方や使いこなしをご紹介。 |
![]() |
SIGGRAPH2020 オンライン開催されたVFXの祭典・SIGGRAPH2020をレポート。 |
![]() |
映像基礎講座 映像の基本や基礎知識を学ぶ。映像制作初心者はもちろん、熟練者ももう一度初心に立ち返ろう。 |
![]() |
Shoot with Vlog cam 個人の動画ブログ「Vlog」が隆盛するいま、Vlog用カメラを通して映像を撮ることを数回にわたり考える。 |
![]() |
Camera Preview 2020 Part II 2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。 |
![]() |
Camera Preview 2020 Part I 2019年から2020年春にかけて発表された話題の新製品やカメラシステムを紹介。 |
![]() |
AfterCOVID-19 映像業界サバイバル 社会的危機となっている新型コロナウイルス拡大の状況を分析し、今何が起こり、何が必要で、その後に何が訪れるのかを考えてみる。 |
![]() |
Film Shooting Rhapsody 上映編 16mmフィルムトライアルルームの荒木泰晴氏によるフィルム特集第2弾。今回はフィルム現像から紹介する。 |