txt・構成:編集部

DZOFILMがシネマズームレンズの新製品LingLung 20-70mm T2.9と10-24mm T2.9を初公開

中国・深センのレンズメーカーDZOFILMは、BIRTVでマイクロフォーサーズマウントでシネマスタイルのズームレンズ「LingLung 20-70mm T2.9」や「10-24mm T2.9」を展示。LingLungは、BMPCC 4KやZ CAM E2、Panasonic GH5、GH5Sなどと組み合わせて使える本格的なシネマズームレンズだ。DZOFILMは、NABやCineGEARにも出展はしていたが、製品化の展示は今回のBIRTVが初めてとなり、注目を浴びていた。

新製品のLingLungについてマーケティングマネージャーのkay Hong氏に話を聞くことができたので紹介しよう。

DZOFILMのマーケティングマネージャー、kay Hong氏

――DZOFILMとはどのようなブランドでしょうか?

前身は、産業用レンズの研究開発と生産を行うDongzheng Opticsという会社です。その頭文字をとってドンの「D」、ゾンの「Z」、オプティクスの「O」をとって、シネレンズのブランドを立ち上げたときに、DZOFILMという名前をつけました。

「LingLung 20-70mm T2.9」と「10-24mm T2.9」の展示が行われたDZOFILMブース

――なぜシネレンズを立ち上げたのでしょうか?

元となるDongzheng Opticsは、シネマレンズとは全く異なる8Kや16Kなどの高解像度ラインスキャンの産業用レンズを手掛ける会社です。しかし、会社の使っている技術は、撮影用レンズを作るのにも応用ができます。そこで中国はカメラ愛好家が多いことから、シネマレンズの製品化が実現することになりました。

Blackmagic Pocket Cinema CameraとLingLung 20-70mm T2.9の組み合わせ

――LingLungシリーズを実現するうえで、こだわった点を教えてください。

このブランドの名前であるLingLung(リンラン)は、中国語でコンパクトという意味です。小さくて、2本のレンズとも1,100gと軽くてコンパクトなところに一番こだわりました。Blackmagic DesignのBlackmagic Pocket Cinema CameraやパナソニックのLUMIXにしても、カメラ自体が小型です。なので、全体のシステムができるだけコンパクトになるように開発をしまいた。

また、マイクロフォーサーズのシネレンズは少ないです。そして、価格は20-70mmは9,980元(日本円で約15万円)、10-24mmは11,980元(日本円で約18万円)です。お手頃な価格でも注目されるのではないかと思っています。

パナソニックLUMIX GH5シリーズとLingLung 20-70mm T2.9の組み合わせ

――機能的な特徴を教えてください。

機能部分でのこだわりは、完全に映画とかのプロユースとかの現場に応えられる仕様を実現しています。メモリの刻みやギアの質感の部分にこだわっています。

レンズの両側に目盛りを簡単に識別できるよう、両面に目盛りが装備されています。270°のフォーカスリングストロークや+−0.3mmのバックフォーカス調整機構を備えています。レンズを固定するためにフロントサポートロッドを搭載しており、レンズとカメラ間を安定させることができます。

レンズ前面から、ギア付きのフォーカスリング、ギア付きのズームリング、ギア付きの絞りリング、フランジバック調整リング

――今後Eマウントなどの発売の可能性はありますか?

市場のニーズとかがあれば考えます。というのも、会社自体は、まだ立ち上げてから半年です。この製品もまだ発売前でやっとBIRTVで発表されて、これから発売という段階です。いまは、マイクロフォーサーズで販売していこうというところです。

E2やBlackmagic Pocket Cinema CameraやパナソニックのLUMIXにレンズをつけた状態で体験できるようになっていた

――日本で購入できますか?また、日本から注文はできますか?

日本にはまだ代理店はありません。注文に関しても、DZOFILMから個人に販売することは考えていません。それぞれの国や地域に販売店や代理店を設けて、そこから購入していただく形になる予定です。

人の肌の色や点光源の描写も特徴とのこと

txt・構成:編集部


Vol.01 [BIRTV2019] Vol.03