PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > 特集 > [CES2020]Vol.02 TOYOTA、メルセデス・ベンツ、Sony~それぞれの「その次」の示し方~ MediaDay02

News

[CES2020]Vol.02 TOYOTA、メルセデス・ベンツ、Sony~それぞれの「その次」の示し方~ MediaDay02

2020-01-08 掲載

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部

各社が次に問うモビリティとは?

CESには世界160カ国から6,000人以上のメディア関係者が集まる。そのメディア関係者が取材をする際に、取材相手の企業に問いかける言葉として「What’s Next?~この発表の次は何を目指しているの?」というものがある。

CESで大きな発表をしたその直後に「この次は?」と聞かれる企業の立場に立つと、なかなか酷な話なのかもしれない。偶然にも会期前に「この次」を考える回答が数社から出された。今年CES 10年目を迎えたダイムラーAG/メルセデス・ベンツ(以下:メルセデス)の代表のオラ・ケレニウスは「What’s Next?」の答え導き出すパートナーをハリウッドに求めた。

ハリウッドに次を求めたメルセデス

地球環境に優しいモノづくりが企業の姿勢に求められる昨今、メルセデスとしても3R(リユース、リサイクル、リデュース(削減))の取組や、カーボン・フリーの車を2039年までに徹底する計画はじめ様々なサステナビリティを意識した計画がある(工場の改善、リサイクル可能なバッテリーの開発など)。

ただ、それを数字上の達成率だけで示すのではなく、「車」そのもので表現することを計画し、映画「アバター」のジェームズ・キャメロン監督率いるライトストーム・エンターテインメントと組んでインパクトのある車をCES 2020でお披露目をしてくれた。それが「AVTR(エー・ブイ・ティー・アール)」だ。ステージ上にはAVTRとジェームズ・キャメロンも登壇した。

バイオメトリック・コネクション(人間と車、自然がつながる)を意識し、ハンドルやクラッチは無い。手のひらをかざすと操作が可能で、車のリアにはエラ呼吸をしているかのようなウロコも存在している。

メルセデスのオラ・ケレニウス代表は映画「アバター」を見て、これこそ自分たちが目指したいサステナビリティのあり方であるとジェームズ・キャメロンに相談にいったようだ。ジェームズ・キャメロンも、メルセデス・ベンツのような社会にインパクトがある会社と組み、映画ではなく「車」として世界観を発表することはとても喜ばしいことだと捉え、彼の率いるライトストーム・エンターテインメントのデザイナーやアーティストと組んで「AVTR」を作り上げた。

出来上がった車はまさに呼吸をするようで、いままでの「車」のメカメカしいイメージとは一味違ったものとなっている。実際に発表後ラスベガスの街を走行するAVTRを目撃した人も多い。

TOYOTAが始めるまちづくり

TOYOTAも新たな「What’s Next?」をCES 2020で発表した。豊田章男氏が二年ぶりに登壇し紹介したのは「Woven City」。人と車と自然、建物などがシームレスに共存できる自動運転&ロボットが人間とともに共存する時代にふさわしい街自体を作ろうという大胆なコンセプトだ。プロトタイプシティーは富士山の麓を予定しているらしい。

また、この構想を実現させるために世界で注目されている若手建築家の一人であるビャルケ・インゲルス(火星移住住居なども手掛けているデンマークの建築家)とパートナーシップを組んで進めているところは、新たなスマートシティ、コンセプトシティーというテクノロジー観点での注目だけではなく、建築業界、アート業界からも注目される取組になりそうだ。

この「Woven City」の“Wovenとは“紡ぐ”という意味だ。TOYOTAの創業時のビジネスである自動織機製作所の布を紡ぐ思いを現代に活かし、人・動物・建物・自然・車&ロボットという街に存在する構成要素をAI活用してつないで行く構想だ。2021年から徐々にお披露目を目指すようで、トヨタ社員、関係者、そしてこの取組に協力したい企業やプロジェクトを誰でもウェルカムする、と豊田章男氏は語る。

▶︎Woven City

メルセデスもTOYOTAも社長自ら登壇し「What’s Next」を切り開いている。しかも車メーカーと映画監督、車メーカーと建築家、という新しいパートナーを得て切り開いている。「What’s Next」を探るためにはいままで組んだことないパートナーと組むというのも一つの近道なのかもしれない。

まさかのSonyが送り出したVISION-Sとは?

例年、ソニーのプレスカンファレンスでは、新製品のアナウンスと新領域の取り組みが紹介される。今回もその次を探りつつPS5の発表がありこれが今回の目玉かと思いきや、最後に驚きのモビリティーに関する発表が行われた。社内でも知る人は少なく青天の霹靂だっという。当然プレスカンファレンスの参加者は、戸惑いを隠せない様子だった。

ソニー独自のセンシング技術「Safety Cocoon(セーフティコクーン)」で自動運行などをTOYOTA、レクサスと協業すると発表したまでは既定路線と思われたが次に発表されたのが、EV車そのものであった。モビリティにおける安心・安全から、快適さやエンタテインメントなども追求する取り組みを、新たに「VISION-S」としてコンセプトカーを紹介した。

ソニーは最先端テクノロジーを組み合わせることで、安心・安全かつ、新たな感動をもたらす車内エンタテインメントの実現を目指して行くという。驚きはあったが、違和感はなく、次の回答として非常に興味深い発表だったと思わされた。

もう何があっても怖くない

自動車メーカーが街を作り、ハリウッドにその答えを問い、家電メーカーが車を作る。数年前までは考えられなかった事業ドメインのピポッドが今目の前で同時多発で起きている。

ダイバシティー(多様性)という言葉をここまで見せつけられた瞬間はないだろう。明日からの展示会開催に一抹の不安を感じつつも、その次の向こうへ何があるのか?知りたくなったプレスデイだった。

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部
Vol.01 [CES2020] Vol.03

[ Category : , ]
[ DATE : 2020-01-08 ]
[ TAG : ]

この記事に関連する記事一覧

[CES2020]Vol.11 Crystal LEDとAtom Viewで実現するヴァーチャルセット最前線~まさにリアルを超える?!

txt:西村真里子・猪蔵・編集部 構成:編集部 リアルとバーチャルの境目がなくなる影像制作 CES 2020はそれまでのCESの歴史から大きくシフトを宣言している年であ... 続きを読む

[CES2020]Vol.10 テレビ局が不在でも完全に8Kが主流のCES2020

txt:江口靖二 構成:編集部 CES 2020の主流が「8K」となった理由 CES 2020では完全に8Kが主流である。グローバルで市場を牽引する中国とアメリカでは、... 続きを読む

[CES2020]Vol.09 「次の10年のエンターテインメント・プラットフォーム」とは?〜モバイル向け動画配信サービスQuibiスタート直前

txt:加藤薫(博報堂DYメディアパートナーズ) 構成:編集部 モバイル向けストリーミングサービス「Quibi」とは? 生活を変えるテクノロジーのショーケースとして... 続きを読む

[CES2020]Vol.08 日常が“つながる”と意外なものがメディアになる?未来の生活を彩るものたち

txt:平野陽子 (大広) 構成:編集部 2020年1月7日~1月10日、米国ラスベガスにて「CES 2020」が開催された。すでに多くのメディアで語られているが、再度振り返... 続きを読む

[CES2020]Vol.07 人工人間、身体性が問われるテクノロジー「NEONプロジェクト」

txt:西村真里子 構成:編集部 CES 2020で注目のテクノロジー「NEON」とは CES 2020の日本のスタートアップが出展するEureka Parkに... 続きを読む

[CES2020]Vol.06 目の付け所がAIなプロダクトが続々登場〜会場から見えてくるAIプロダクト達

txt:江口靖二 構成:編集部 進化する画像センサーがより良い未来を作る サムスンの「Ballie」は目の付け所がサムスンなプロダクトだ。百聞は一見にしかず、サムス... 続きを読む

[CES2020]Vol.05 航空会社として初基調講演。デルタ航空が考えるイノベーション〜パラレル リアリティ ディスプレイ

txt:江口靖二 構成:編集部 航空会社として初めての基調講演 CESでのキーノートには、例年家電メーカーであったり、インテルやクアルコムのようなチップ系のメーカー、最近では自... 続きを読む

[CES2020]Vol.04 より多くの人を集めるために〜CESにおける「見せ方」と「ブランディング」効果とは?

Audiのブースは上からキラキラしたリボンが無数に装飾されており、否が応でも足を踏み入れたくなる txt:清水幹太 構成:編集部 来場者の気を引く“見せ方”は多種多様 ... 続きを読む

[CES2020]Vol.03 一般化を迎えたカテゴリーに花開く、味わい深いプロダクトたち〜展示会スタート

txt:清水幹太 / 編集部 構成:編集部 いよいよ展示会が始まる MediaDayが終わり、CES展示会場での展示がいよいよ始まった。CESの他の展示会と大きく違う点... 続きを読む

特集記事

CES2020 CES2020
米国ラスベガスで開催された世界最大の国際家電見本市 CES2020をレポート。
PRONEWS AWARD 2019 PRONEWS AWARD 2019
2019年は映像業界にとってどんな年だったのだろうか。PRONEWS AWARDで部門ごとに振り返る。
Inter BEE 2019 Inter BEE 2019
千葉幕張メッセにて開催される国際放送機器展“Inter BEE“をレポート。
InterBEE 2019の歩き方 InterBEE 2019の歩き方
今年もInterBEEの歩き方をジャンル別にピックアップし、6種類のコースを紹介。
Film Shooting Rhapsody Film Shooting Rhapsody
フィルム撮影の経験をしたい人に向けてフィルム撮影で必要な各種の工程について解説していく。
IBC2019 IBC2019
欧州最大の業務用映像・音響の専門展示会「IBC2019」をレポート。
新世紀シネマレンズ漂流 新世紀シネマレンズ漂流
シネマレンズを中心に一眼やミラーレスデジタルカメラの動画撮影機能と組み合わせて使われる交換レンズの最新動向を紹介する。
BIRTV2019 BIRTV2019
中国・北京の中国国際展覧中心で開催された展示会「BIRTV 2019」をレポート。
SIGGRAPH2019 SIGGRAPH2019
世界最大のコンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する学会・展示会SIGGRAPH2019をレポート。
QBEE2019 QBEE2019
九州放送機器展(QBEE)をいつもの会場練り歩き方式でレポート。
4K・8K映像技術展Report 4K・8K映像技術展Report
東京ビッグサイト青海展示棟にて開催された4K・8K映像技術などの最新技術が一堂に出展する「通信・放送Week2019」をレポート。
DSJ2019 DSJ2019
幕張メッセで開催された国内最大のデジタルサイネージの展示会「DSJ2019」をレポート。
Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019 Digital Cinema Bülow VIII~Cine Gear 2019
米国ハリウッドのパラマウントスタジオ内で開催された映画撮影機材の専門展示会「Cine Gear Expo」をレポート。
After Beat NAB SHOW 2019 After Beat NAB SHOW 2019
東京・秋葉原のUDXにて開催されたAfter NAB Show 2019をレポート。
NAB2019 NAB2019
米国ネバダ州ラスベガスにて開催される世界最大の放送機器展覧会「NAB2019」をレポート。

トップ > 特集 > [CES2020]Vol.02 TOYOTA、メルセデス・ベンツ、Sony~それぞれの「その次」の示し方~ MediaDay02