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[Film Shooting Rhapsody:はじめての16mm Film編]Vol.03 三脚とカメラの操作。パンとティルトの実践

#Film Shooting Rhapsody

2020-04-14 掲載

txt:荒木泰晴 構成:編集部

フィルム装填の確認

第3回目は3月15日(日曜日)午後1時から。筆者のアラスカロケのために2週間ほど間隔が空いた。

最終確認を兼ねて、1回だけ練習。二人とも、ループにフィルム1コマ程度の差はあるが、トラブルになるような状態ではなく、前回と同じように装填できた。

二人の手際が揃ったので、ジャンケン。

勝った荒木君が本番のフィルム装填を担当する。

負けた石原さんは、今日のカメラ操作練習のために、本番並みの装填をする。この段階で筆者は確認せず、二人に任せる。

装填が終わったら、カメラのフィートカウンターを0に合わせる。

フィートカウンター0位置、下はコマ数カウンターでシビアではない

この操作を忘れると、何フィート回ったか判らなくなり、残りのフィート数が確認できない。

三脚

スムーズなカメラ操作のためには、優秀な動画用三脚が必要だ。今回使用するのはザハトラー3+3ヘッドにカーボン脚の組み合わせ。

ザハトラー3+3ヘッドとカーボン脚

左右パンと上下ティルトの動きを、自分好みのフリクションに調整できる。

パンとティルトの硬さ調整ノブとレベル

100mmボールベースなので、レベルの調整も簡単。

100mmボールヘッド

静止画用三脚はパン、ティルト操作が不自由なため、使わない。カメラプレートをカメラ底部の基準線に合わせて固定し、ワンタッチでヘッドに装着。

斜めに装着されたカメラプレート ボディと平行が定位置

ファインダーの位置をカメラマンの眼の高さに合わせて、三脚の長さを調整する。軽いカメラは三脚に乗せたまま、一挙に3本の脚を上げられるが、重いカメラでは1本ずつ同じ高さに上げて行く。

伸ばす脚の高さを揃えないと、ボールベースが傾いてしまい、ヘッドが不安定になる。

3本の脚の高さが不揃いだと転倒させる恐れがある 高さを揃えると安定

カメラの視度調整

ファインダーの視度調整ノブを固定する細いノブを緩め、ピントグラスの砂目のザラザラがはっきり見える位置で固定する。これが各々の視力に合ったポイントだ。

デジタルカメラでも同じ操作をすることが必要。

レンズの選定

アリフレックスには、回転ターレットに3本のレンズを取り付ける。

通常、16mm、25mm、50mm程度が標準。フルサイズに換算すると、3倍の焦点距離、48mm、75mm、150mmに相当し、望遠側に寄っているのが判る。

通常、16,25,50mmが装着されている

レンズの銘柄や焦点距離はカメラマンの好みで決めればよいが、今回はシュナイダー、シネクセノンの3本を使う。

フォーカスを合わせる

回転ミラー式フィルムカメラは、屋外の明るい環境でも、絞り開放でフォーカスを合わせることができる。ミラーレス動画カメラではできない。

絞り開放でフォーカス合わせ 本番直前に絞る

50mm、25mmはフォーカスが明瞭に確認できる。

16mmは被写界深度が深いため、途端にフォーカスが曖昧になる。デジタルカメラでは必須の、ピーク表示などフォーカスをアシストする機能はない。フィルムカメラの初心者には、ワイドレンズのフォーカス合わせが非常に困難な技術の一つ。

ではどうするか。

マウントの上に記された指標と、距離目盛を合わせ、50mmでフォーカスの合った位置を覚えておく。例えば5フィートなら、ワイドレンズもその位置に合わせる。

50mmの5フィート 16mmの5フィート

整備されたカメラは、フランジバックが52mmに調整されているので、どのレンズでも同じ距離に合わせれば、およそのフォーカスは合う。その付近で、フォーカスを大きく動かして、被写体の明暗の境界を観察する。そのコントラストが最大に見える位置で決めるのが、ワイドレンズでフォーカスを合わせるコツだ。

慣れてくると、目測で被写体までの距離が判るようになる。自分の眼でフォーカスを合わせて、目測距離とかけ離れている場合は、自分の眼を疑え。

パン、ティルト操作をする

初心者が間違うのは、パン、ティルトの出だしの画面に、自分の一番楽な姿勢を取ってしまうこと。パン、ティルトが終わって、決めの画面になった時に、一番楽な姿勢にして、そこから戻って、最初の画面はきつい姿勢でも頑張ることだ。

筆者の師匠、故伊藤三千雄カメラマンから、その基本を叩き込まれたものだ。

フォーカスを送る

ドキュメンタリーでは、ファインダーを覗いているカメラマンがフォーカスを送る。レンズの爪の位置でフォーカスポイントを覚えていて、被写体の移動に合わせてフォーカスを送って行く。

フォーカスレーバーの遠距離位置 近距離位置。このレバー位置を頼りに、カメラマンがフォーカスを送るのが、ドキュメンタリーでは普通

レンズの絞りを絞ることによって、被写界深度を確保して送るのが基本。例えば、獲物を狙う肉食動物は、カメラマンの思うとおりに動いてくれることは絶対にない。おまけに望遠レンズを使わざるを得ないので、助手にはフォーカスが送れない。ここが、フォーカスプラーが送る劇映画とは全く違う。全てはカメラマンの技術次第。

24コマに合わせる

フィルムを装填した後、バッテリーを繋いで、カメラの回転を24コマに合わせる。ここに手間取ると、空回しのフィルム量が多くなり、ムダ。

助手が素早く24コマに合わせ、ミラーを開けて、フレームのヒゲをチェックして、発見すれば、清掃して、再び短く回して、ダブルチェックする。ヒゲが無いと確認できれば、「OKです」と助手がカメラマンに声を掛ける。

露出を測る

24コマ撮影の場合、シャッタースピードは1/48秒。

アリフレックス16STの場合、シャッターを兼ねたミラーが、1回転する間に、2コマ撮影している。180°で1コマ撮影しているわけだ。

1秒間に12回転すると24コマ撮影できる。この場合、シャッターが全開なら、シャッタースピードは24分の1秒である。デジタルカメラにはこのシャッタースピードで撮影できる機種もある。

アリはファインダーに画像を送るためにミラーが回転している。デジタルカメラのグローバルシャッターが最初から付いていると考えたらよい。

ミラーのために、90°分はフィルム面に光が当たっていない。

1/24X180°分の90°(1/2)=1/48で、1/48が24コマのシャッタースピードだ。

ARRIは1/48秒を変えることでできないので、ピーカンの屋外ではNDフィルターを使わざるを得ない。デジタルカメラでも24Pならフィルムカメラと原理は同じで、NDフィルターが必要になる。

露出計は内蔵していないので、単独露出計の感度目盛を、ISO250に合わせ、露出計の指針の位置に、24コマの目盛を合わせて、F値を読む。

絞りを絞る

今回は、入射露出計を使っているので、平均的な光量を測っている。本来は被写体の反射や色に合わせて調整するのだが、初回からは無理なので、露出計の指示通りにレンズの絞りを絞る。ネガフィルムで撮影するので、ラチチュードの範囲には入る。

撮影する

実際は、監督の「ヨーイ」に合わせて、助手がカメラのスイッチを入れる。すかさず「24コマOK」と声を掛ける。例えば左右のパンなら、監督は3秒ほど止めの画面を撮影した後「パン」と声を掛ける。パンが終わって、3秒ほど止めを撮影してから「カット」と声を掛ける。助手はそれを聞いてから一呼吸おいて、シャッターを切る。

フィックスなら、「ヨーイ」から「カット」までが短くなる。

100フィートで、2分45秒撮影できるが、カットの頭とお尻を切れば、使えるのは2分30秒、150秒ほど。1カット平均15秒とすれば、10カット撮影できる。

16mmフィルム撮影はこんな手順なので、助手を最低一人付けるのが普通だった。デジタルカメラの機能が発達した現在、ワンマンオペレーションが可能になったが、それが映像の質に寄与するかは、筆者にとって疑問ではある。

txt:荒木泰晴 構成:編集部
Vol.02 [Film Shooting Rhapsody] Vol.04

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[ DATE : 2020-04-14 ]
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