改めて感じる「音」の大切さ

企業における「テレワーク」導入が進んだことで、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、本来働く場所ではないところから、ビデオ会議システムを通じて参加可能(=それが許される)になり、社内外の人たちとのミーティングは「オンライン」実施が増えました。

ミーティングのために社内移動や、客先を訪問する移動時間が減り、便利で楽になったという声も聞きます(移動時間が減った分、一日のミーティング件数やミーティング時間が増えた、という声もありますが…)。

しかし、便利で楽になったはずのオンラインミーティングは、対面でのミーティングと比べて「終わった後の疲労が(聞いているだけでも)大きい」と感じる人もいるのではないでしょうか。それはなぜでしょうか?

おそらく、ビデオ会議システムから聞こえてくる発言者それぞれの音量の違いや、音質のばらつきが大きいことが理由(のひとつ)だと考えています。1対1だとあまり気がつきませんが、オンラインミーティングで発言する人が多くなれば多いほど、その疲労感はさらに増します。

ネットワーク環境やパソコン(もしくはスマートフォン)の性能、マイクの特性などが参加者それぞれで異なるため、発言者が変わるたびに自分の脳が音量や音質を適性化(=脳内補正)しているために「終わった後の疲労が大きい」のかもしれません。

「良い音」はイベント成功へのキーポイント

Zoomなどのビデオ会議システムを活用したウェビナーや、YouTube Liveなどのライブ配信でも先程と同じことがいえます。最近では社内の空きスペースをライブ配信やウェビナーのスタジオに変え、機材を揃え、自社スタッフたちでオンラインの講習会やセミナーを運営する、「内製化」の動きも多いと感じます。

できるだけ「良い音」で聞いて(見て)もらうことは、結果的に参加してくれた人たちの離脱(=視聴をやめてしまうこと)を防ぐために、オンラインイベント開催時にもっとも気をつけるべきポイントです。

例えば、オンラインの講習会やセミナーなら、発表者の声をマイクで的確に捉え、会場の反響音や環境音、ノイズをできるだけ排除して、音量や音質が一定に保たれた音が「良い音」と定義してもよいでしょう。

その価値観は人それぞれ異なりますが、いずれにせよ「聞いていて心地よい(少なくとも不快になることがない)」ように音を整えることは、日頃ライブ配信やウェビナー業務を請け負う企業やフリーランスのエキスパートたちがもっとも気を使う大切なことです。

また、オンラインの講習会やセミナーの現場では発表者が一人とは限らず、複数の発表者が登壇し、発言するパネルディスカッションの場合、ひとりひとりの音量や音質を一定に保ちつつ、かつ全員のバランスを一緒に揃える必要があり、「良い音」をつくりだす難易度はさらに高くなります。

そのためには、ひとりひとりの声を的確に捉えるために発表者の前に置くマイクスタンドや衣服に装着するピンマイク(ラべリアマイク)設置の工夫はもちろん、それらのマイクで捉えた音をオーディオミキサーを用いて音量や音質を適切に調整することが必要です。

音のトラブルを防ぐための工夫

日頃ライブ配信やウェビナーの業務を請け負う企業やフリーランスのエキスパートたちは「良い音」を実現するためにどのような対応をしているのでしょうか?それは、ライブ配信やウェビナーを視聴者(参加者)と同じ環境(パソコンなど)を別途用意し、映像と音声が適切かどうかを常にリアルタイムで「モニタリング(チェック)」しています。

そして、被写体を捉えるカメラや映像などを切り替えるビデオ・スイッチャー、マイクなどの音量音質調整を行うオーディオミキサーを担当するスタッフとは別に、モニタリングする専門のスタッフを立てるのが基本です。

※現場にもよりますが、オーディオミキサーを操作するスタッフか、ライブ配信やウェビナーの開始・停止など操作を担当するスタッフが兼務することもあります

Zoomのウェビナー機能を利用したオンライン講習会やセミナーの現場では、ホストやパネリストではなく、参加者の権限で入室するZoomアカウント(マシン)をひとつ用意し、参加者と同じ環境下において、いま配信されている声の音量や音質が適切かどうか(そして、目にしている映像に異常はないかなど)をチェックします。

このモニタリングはウェビナーが入室可能となってからイベントのプログラムが始まるまでの間、そしてプログラムが終わりウェビナーが完全に停止されるまでの間も、意図しない映像や音声が流れていないかを確認する役割もあります。こうした「モニタリング」はとても地味ですが、欠かせないことのひとつなのです。

初心者でも「良い音」で!VR-1HDのオーディオ機能

「モニタリング」することはぜひ取り入れてほしい作業ですが、「良い音」を作ることはビギナーにとってハードルが高く感じられるかもしれません。

そんな時に揃える機材の選択肢のひとつとしてRolandのAVストリーミング・ミキサー「VR-1HD」をご紹介します。

VR-1HDは3つの映像入力端子を備えており、例えば司会者と発表者それぞれを撮る2つのカメラをVIDEO INPUT 1/2端子へ、講習会やセミナーでスライドを投影(表示)するパソコンやタブレットをVIDEO INPUT 3端子につなぐ、つまり2カメ+1つのプレゼンテーションマシンの構成となっています。肝となる音声面は司会者、発表者の声を捉える高音質なコンデンサー・マイク(XLR)を2本つなぐことができます。

またオンラインイベントが視聴(入室)可能となってからプログラムが始まるまでの間、プログラムが終わりライブ配信(ウェビナー)が完全に停止されるまでの間、オーディオ・プレーヤーやスマートフォンなどからBGMを再生することも可能です。

そしてこのVR-1HDにはこれらの音声バランスを整えるための設定と機能が充実しています。中でも「オート・ミキシング機能」は「良い音」に整えるため、VR-1HDが自動で音声調整を行うため、操作に不慣れなビギナーにとっては心強い機能といえるでしょう。

さらに「ビデオ・フォロー・オーディオ・モード」を使うことで、マイクから入力される音声を検出し、任意の映像に自動で切り替えます。例えば、発表者が話しているときは発表者のクローズアップ映像を、司会者が話しているときは司会者のクローズアップ映像に切り替えるといった演出を自動で行ってくれます。

司会者1人、発表者1人、発表者がスライドを投影するマシンが1つ、といった講習会やセミナーでありがちなオンラインイベントには、複数のカメラを接続可能なビデオスイッチャーとしての機能と、複数のマイクを接続可能なオーディオミキサー機能がオールインワンとなったVR-1HDは講習会やセミナーなどのオンラインイベントを成功に導くための助けとなってくれるでしょう。


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