JVC初のNDI対応4K出力モデル「KY-PZ400N」とHD出力モデル「KY-PZ200N」登場

JVCケンウッドは2021年7月13日、4K出力対応「KY-PZ400N」とHD出力対応「KY-PZ200N」「KY-PZ200」のPTZリモートカメラの新製品を発表した。特に注目なのが、NDIをサポートしたKY-PZ400NとKY-PZ200Nだ。4KモデルのKY-PZ400Nは2021年9月上旬から国内外ともに発売開始しており、HDモデルのKY-PZ200Nは2021年11月より発売開始予定としている。

そこで今回はJVCケンウッドでPTZカメラの商品企画を担当した山口弘樹氏と、KY-PZ400NとKY-PZ200Nをテストした尾上泰夫氏のオンライン対談が実現したので、その様子を紹介しよう。

JVCケンウッドの山口弘樹氏(左)と、質問をする尾上泰夫氏(右)

ズームとパンがきちんと一緒に動くのは見事

尾上氏:JVCさんのPTZカメラはこれまでの中継業務で使う機会が幾度もあり、動きの反応は非常に現場馴染みがいいと思っていました。そのPTZがNDIに対応するというニュースは大歓迎でした。
さっそくNDI対応の新製品KY-PZ400NとKY-PZ200Nをお借りして、動きに関する比較を行ってみました。プリセットで移動する時の飛び方のクセは旋回は早いがズームが遅れたり、パンしてからチルトするように段階的な動きをするものなど各社いろいろありまして、実はもっともスムーズなのはJVCさんでした。
PTZは文字通り旋回するパン、上下に首を張るチルト、レンズのズームといった3操作を遠隔でできるカメラです。ENGカメラマンにも3本リング(レンズの先端からフォーカスリング、ズームリング、アイリスリング)とパン棒を振る練習がありますが、それをPTZカメラでも上手に再現しているような印象で、これにはJVCさん、さすがだなと思いました。
例えばスムーズなズームの動きとパンチルトが上手に組み合わさり、そしてプリセットの場所までがパンと一緒にズームしてくれるのは見事だなと思いました。

山口氏:

ありがとうございます。KY-PZ400NやKY-PZ200Nは、HD PTZリモートカメラ「KY-PZ100」で培った技術や仕様、動作を引き継ごうという思想で開発を行いました。使い勝手もできるだけ従来と同じになるように開発しています。そのあたりの技術継承が滑らかな動きに繋がっています。

KY-PZ100BとKY-PZ100W

尾上氏:そうなんですね。最初から動き良かったんですよ。
そこでお伺いしたいのは、JVCさんはなぜKY-PZ100の後継機種でNDI対応をされたのでしょうか?

山口氏:

KY-PZ100は2016年より発売させて頂きました。当時NDI|HXは存在しなかったこともあり、NDIに対応はしていませんでしたが、当時よりNDIについて対応するタイミングを検討していました。さらに多くのお客様より新商品にはぜひともNDIに対応して欲しいという要望を多くいただくようになりました。そこで、今回のKY-PZ400NとKY-PZ200NではNDI対応を前提に開発しました。
また、KY-PZ200の方はNDI対応モデルと、NDIを使用されない方にもお求めやすいようNDI非対応の2モデルを展開しました。KY-PZ200Nの発売は2021年11月を見込んでおります。

4K30P出力に対応するKY-PZ400N

ターゲットは小規模スタジオで、国内では議場・ホールが中心

尾上氏:どのようなユーザーの使用シーンを想定されていますか?

山口氏:

弊社の今回のカメラは、今までのKY-PZ100も含めて、主に使われているのが小規模スタジオです。さらにアメリカでは教会のライブ配信、国内では議場やイベントホールの案件があります。そういった現場での後継機として使っていただければと考えております。
光学30倍のKY-PZ100に対してKY-PZ400Nは71°より広角に撮影可能な光学12倍ズーム、KY-PZ200Nは利用しやすい光学20倍ズームと倍率が異なりますので、利用シーンはお客様に応じて合うものを選んでいただければと思います。

HD出力に対応するKY-PZ200N

尾上氏:なるほど。今後の開発の方向性やバージョンアップのプランがあったら教えていただけますか?

山口氏:

今回4KモデルのPTZカメラは、KY-PZ400Nが弊社初となりますが、さらにラインナップを拡大していきたいと考えております。この場合、共通のストリーミングプロトコルや利便性などで、システム構築を容易にしていきたいと思います。また、ファームウェアのアップデートによりWEB UIの操作性や利便性の向上を考えております。

尾上氏:これは私の要望ですが、今回使用させていただいて、プリセット間は迅速に、その設定のままでもジョイスティックやマウスでちょっと動かす時には微調整が効くのが理想的と考えています。
しかし、JVCさんはマニュアル操作、プリセット移動どちらの側でもスピード設定が一緒です。そこを別に変えることは可能ですか?

山口氏:

弊社のカメラはマニュアルでのスピードとプリセットでのスピードで、それぞれが独立して設定することができます。
微調整が効くことについては、操作性の改善に向け今後の課題として検討させていただきます。

尾上氏:ステージ上の演者さんを追いかけるというのは、各社AIでやり始めてますね。どこが一番スムーズに追っかけられるか?とか、複数の人が交錯した場合にその前の人をきちんと維持ができるのかとか、そういうところが課題ですよね。

山口氏:

そうですね、顔認識などと組み合わせることで安定性向上が見込めるのではないかと思っています。

尾上氏:あと被写体がどこに立っていれば同時に再撮影したい画面(または黒板)が一番キレイなのかという「人と画面」のバランスですね。真ん中では決してないわけですよね。板書の面積がどのぐらいほしくて、人はその端にいてほしいみたいな、バランスがあると思います。やはりそういうようなものまで、用途ごとにAIが学習してくれるようになるのが理想です。
しかし、そんなことまでできるようになると、カメラマンがいらなくなるかもしれませんね。

最後に、アピールポイントがあればご紹介をお願いします。

山口氏:

弊社のPTZカメラはリーズナブルな価格にて提供することで、少しでも多くのお客様にライブ配信を実現していただくことを考えています。
このためにカメラ単体ではなく、システムとしての使いやすさやトータルでの費用削減を提案できないかと考えており、複数のパートナー様とシステム連携のお話をさせていだだいております。
これにより、近年需要が高まっているIPリモートプロダクションに対応できるようNDI|HXやSRTと言った伝送プロトコルを搭載したKY-PZ400N、KY-PZ200Nをご活用いただければと思います。

対談を終えて(尾上氏コメント)

筆者は、専用のコントローラーから動かすことに関しては、足元から顔に向けてパンアップのようなスムーズな動きが可能なPTZカメラとして、JVCさんを高く評価をしている。大変素直な動きをしてくれていると日頃から思っていた。

そんなJVCさんと今回対談ができて一番聞きたかったのは、カメラワーク的なところだった。

基本的に筆者の仕事の場合は、スイッチャーのMEで、リモートのところのカメラプリセットを叩いて自動的にその位置をポンポンと振らせることが多い。そういうような使い方で、スイッチャーで切り替えるときに連動してカメラの位置を迅速に動かしたいと思っていたので、できるだけ早く動いてくれるカメラが理想だと思っている。

今回の対談を機会に、カメラの狙いが聞けたり要望を伝えることができて、JVCさんの今後の展開がますます楽しみである。

おのりん(こと 尾上泰夫)|プロフィール
映像に関わり47年。テレビの報道取材がフィルムからビデオに替わった初期のテレビで、報道、スポーツニュースをカメラマンとして過ごす。その後、制作に興味を持ち旅番組の演出を担当。さらにモータースポーツの中継番組からメーカーのプロモーション映像、大型展示映像などを手がける。インターネットでのIP動画配信でカジュアルな映像機器がもたらす動画の可能性を感じて、より小型でシンプルなシステムを啓蒙してコンテンツホルダー向けのコンサルティングや、発信する組織、個人に向けた動画の学校を主宰している。

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