ソニーはBelieve Beyond HDをテーマとして、4k対応カメラを始めとした制作システムやXDCAM HD422、NXCAM、SRMASTERのラインナップ拡充と各種ワークフロー、記録メディなど各種新製品や制作ソリューションを展開した。こうした機材を中心とした展示やデモのほか、映像制作業界のオピニオンリーダーによるCineAlta活用事例セミナーの開催、F65RAW,やHD SStPといったフォーマットによる各社の制作システムの展示、実機を用いたワークショップによる紹介など多角的なアプローチが印象的であった。特に多様化するフォーマットやコーデックのほか、従来ビデオ業界ではほとんど扱うことのなかった4kやRAWデータなど、運用面でのソリューション展開は実際に機材を扱う者にとって有益な情報提供といえる。

なお、今回の展示会での主な新製品は、XDCAM HD42ハンディカムコーダーPMW-200および PMW-160。XDCAM HD422フィールドレコーダーPMW-50、NXCAMカムコーダーNEX-EA50JH、レンズ交換式HDビデオカメラNEX-VG900、マルチフォーマットプロダクションスイッチャーMVS-6500シリーズおよびMVS-3000。ノンリニア編集ソフトウェア Vegas Pro 12、IPライブ伝送システムNXL-IP55、オプティカルディスク・アーカイブドライブユニットODS-D55U、25・17・7.4型 業務用有機ELモニターPVM-741、9型マルチフォーマット液晶モニターLMD-941W、デジタルワイヤレスパッケージDWZシリーズ、3層リライタブルディスクPFD100TLA、オプティカルディスク・アーカイブカートリッジODC1500Rなど。

4Kのラインナップ

また、4K/HD映像の高解像で効率的な圧縮を実現する高画質ビデオフォーマットXAVCに対応したメモリーカードなども発表された。

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CineAltaPremium4kカメラF65。CMOSのローリングシャッター現象を抑えるロータリーシャッターとNDフィルタを内蔵し、SRMASTERポータブルレコーダーSR-R4により、SRMemoryに16bitリニアRAWデータ(F65RAW)の収録が可能。同社のフラッグシップカメラ。

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4k対応のスーパー35mm 単板CMOSイメージセンサー搭載のPMW-F5。RAWレコーダーAXS-R5を接続することで、16bitリニアRAWファイルの収録が可能。4kで60fps、2kで120fpsのスロー&クイックモーション撮影ができる。オプションのPLレンズセットなどと組み合わせることで、リーズナブルな4k収録を行うことが可能。

PMW-F55

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カラーフィルターの特性をF65と合せることにより、より高い色再現性を実現したPMW-F55。同形状のPMW-F5とは感度やスロー&クイックモーション撮影時のコマ数、XAVCフォーマットでの4k収録などが異なる。いずれの機種もモジュラーデザインとなっており、用途に合わせて必要なモジュールを組み合わせて使用することができるようになっている。

30型4K液晶モニターPVM-X300

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30型4K液晶モニターPVM-X300。広視野角の4096×2160パネルを採用しており、フィールドから編集まで使える4kモニター。3G-SDI×4、HDMI×4、DispiayPort×2を標準装備しているほか、4k、HD/2kズーム表示やカラーフォーカス機能などを搭載している。また、来年春にはSxS 4kプレーヤーオプションの発売が予定されている。

XDCAM HD422ハンディカムコーダーPMW-200

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XDCAM HD422ハンディカムコーダーPMW-200。ハンディカムコーダーに1/2型フルHD Exmor 3CMOSセンサーを搭載したモデルで、ビットレート50Mbps、フルHD、4:2:2サンプリングに対応している。MPEG HD422コーデックでSxSメモリーカードへ収録可能。フジノン14倍ズームレンズを搭載したほか、オプションのWi-Fiアダプター CBK-WA01を接続することによりワイヤレスでアイリスやズーム、フォーカス、ホワイトバランス、RECスタート/ストップ、などをコントロールできる。

XDCAM HD422フィールドレコーダーPMW-50

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XDCAM HD422フィールドレコーダーPMW-50。HD-SDI、HDMI、i.LINKなど豊富な入出力端子を装備しているほか、リチウムイオンバッテリー BP-Uシリーズでのバッテリー駆動が可能。なお、SxSメモリーカードスロットを2基備えており、ビットレート50Mbps、フルHD、4:2:2サンプリングでの収録に対応している。

XDCAM HD422スタジオメモリーレコーダー

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XDCAM HD422スタジオメモリーレコーダー(技術展示)。HD422 50Mbps記録に対応したSxSメモリーレコーダーで、フレーム精度のジョグ/シャトルが可能なほか、RS-422リモートによるリニア編集のプレーヤーとしても利用可能。Gigabit Ethernetによるネットワークファイル転送にも対応している。

NEX-EA50JH

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APS-Cサイズ(23.5mm×15.6mm)の大判イメージセンサーを搭載したNEX-EA50JH。動作が静かなEマウントレンズシステムを採用。オプションのマウントアダプターLA-EA2を介すことでオートフォーカス制御が可能な状態でAマウントレンズを装着することができる。また、サードパーティ製のマウントアダプターにより、各種レンズの装着も可能。

小型モニターPVM-741

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スーパートップエミッション有機ELパネルを採用した小型モニターPVM-741。10ビットパネルドライバーを搭載したことで、強い太陽光が沈みながら夕闇にいたる複雑な階調も滑らかに表示可能なほか、BVMシリーズの色再現を追求したソニー独自の画像処理技術ChromaTRUを搭載している。

プロフェッショナル向けメモリーカード&メモリースティック

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InterBEE会期中の14日に発表された読み出し1.6Gbps、書き込み1.5Gbpsの高速データ転送速度を実現したプロフェッショナル向けメモリーカードSxS PRO+を発表。このメモリーカードは4K/HD高画質ビデオフォーマットXAVC記録に対応したもので、SBP64BとSBP128Bの2種類がある。

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ミラーリングメモリースティックMS-PX64。ミラーリングやパスワード設定に対応した業務用メモリースティックPXシリーズ。NXCAMシリーズ(NEX-EA50JH以降)で使用した場合に、2つのエリアへ同時にミラーリング(RAID1)記録が可能なメモリースティック。ミラーリング記録時は表示容量の半分の容量となるが、万が一書き込みエラーが起きた際も正常なデータの読み出しが可能。