江夏由洋
@yosh_enatsu

今年のキーワードはやはり4Kになると思います。SONYが国際会議場に特設された4Kシアターで、朝10時にPMW-F55という4Kのカメラを発表しました。新しいコーデックXAVCも注目の一つです。Adobe Premiere ProやEDIUSなどすでに多くのNLEがネイティブ対応をすることになるということで、いよいよ4K時代が幕開けとなったといえるでしょう。もちろん4KパイオニアであるREDもその発表に合わせてEPICやSCARLETの価格改定を行い、ますます面白いことになってきました。

またCanonのブースもCinemaEOS一色で、C500を使った作品の上映などを4Kシアターで展開。数多くのセミナーに加えて、C100やC300といった機種におけるワークフローのデモも行っております。またAJAからKiPro Quadの実機が展示されていました。まだファームウエアが完全ではないものの、4Kの外部収録がいよいよ稼働する予感です。Adobeブースでは4Kワークフローと題した、Premiere ProやAfter Effectsを使った4K編集のセミナーを行っております。デジタルシネマの時代が多くの人の手に届くことになった2012年。そんな年を締めくくるにふさわしい内容でInter BEE2012が開幕となりました!

小寺信良
@nob_kodera

さて今年もまたInterBEEの季節がやってきた。映像業界の最先端のトレンドを追いかけるならば4Kが注目ポイントなのだろうが、そこは小さいオジサンにお任せするとして、僕の得意分野からみると、このInterBEEはどうやらスイッチャーの当たり年のような気がする。

ローランドのHDMI対応ライブスイッチャー「V-40HD」

ローランドのV-40HDは、HDMIがスイッチングできるコンパクトスイッチャー。昨年はVR-3で、最後のアナログスイッチャーだろうと言われていたが、今年またHDMIのスイッチャーを出してきたというのは、ネットライブの進化からすれば順当な進化である。

今年最後の爆弾、「TriCaster 8000」

NewtekのTriCaster 8000は、久々に同社の底力を見た思いだ。4Uのボディの中に、8MEものスイッチャーを凝縮。バーチャルスタジオマシンとしては、すでに完成の域に達していたが、「それ×8」をやってのけたと考えていい。MEの使い方を考えさせられる、スイッチャー職人に対しての挑戦状とも思える構成だ。コンパネも良くできており、ガチなスイッチャーを扱ってきた人間にもすんなり入れる、オーソドックスな作りになった。というか大規模な機能を合理的に折り畳んでいくと、だいたい同じようなところに収斂していくのかもしれない。

猪蔵
@inozo

いろんな偶然が重なり、PRONEWS Loungeは、ついに人の目の触れる場所へ。Hall6の2F部分のデッキ部分にスタジオを設置する事となりました。感慨も一入、改善したはずのワークフローに抜かり有り!という事で今年もまた会場を回れない予感w。しかし今回は、視界良好な眺望にご満悦。練り歩きのライブ配信を観るだけでなく、業務の間に各ブースを見下ろしながら、各プロダクトに思いを馳せるというロマンチックな3日間になりそうです。しかし抜けのよいロケーションに移動しPRONEWS Loungeができる事に皆様に感謝!

石川幸宏
@seabirdsYI

4K対決的な図式となったソニーとキヤノン。この大手二社に牽引される形で始まった今年のInterBEE。開場とともに人々の波はまずは注目の4K新製品が並ぶソニーへと向かった。午前中からあふれかえる人だかりの渦。PMW-F55/F5がもたらしたのは、新コーデックXAVCで実現される、まさに4Kコンテンツ制作の常識の壁を乗り越える「Active 4K」時代の到来を告げるものだった。HD撮影のカルチャーそのままに4K収録を可能とするそのソリューション構築は、多いに本気を感じさせる。それに対して昨年より些か静かなスタートとなったキヤノン。しかしその実力は想像以上のもの。EOS C500が織りなす4Kコンテンツは、まさにフィルム画質を踏襲する「写真高画質の動画版」を実現したハイクオリティ映像の世界。それを一目見ようと午後は多くの来場者が訪れた。両社の画が目指すところは少しずつ違うようだが、ユーザーにとっては4K本格制作に向けて一気に選択肢が増えたことになる。4K+高感度カメラの登場は、明らかにこれまでのビデオ制作カルチャーが変わる。この機運に今後どんな新しい映像制作スタイルが育ってくるか楽しみな初日となった。

山下ミカ
@lim_rosee

普段は比較的安価でミニマムな機材で配信や、発信、表現などをやっているので、今回のInterBEEのような展示会は真逆の世界になるわけです。そんなわたしの目に写ったInterBEEという場所はどんなものだったか。立ち寄れたブースは数カ所なのですが、見た限りで感じたことは、「今までよりも安価で」「機能性が上がり」「コンパクトになってきた」と思います。iPhoneでリモートしたり、管理することができる…など、手のひらの小さなものからコントロールできることが増えているんですね。ということは、今まで手の届かなかった技術や内容が可能になってくるかもしれないということです。そして、映像の世界は個人からでもどんどん発信でき、もっと世界にコンタクトをとることができるようになるということ。映像の見せ方も機材の組み合わせ方でもっと内容の濃い、新しいものが増えてくることによって、ワクワクできる世界が広がってくるような気がしました。

ふるいちやすし
@looralart

何分、放送機器展だ。主流は最先端、4K、8K。高精細なんだが、僕はいつものように個人クリエーターの目線で見てた。でもさすがだな、麓の技術もしっかり充実してきてる。なかでも貫禄なのはSONYのビデオカメラ群。それも民生機のVGからNXCAMまでの個人所有可能なカメラに最先端技術を惜し気もなく投入している。それも各々のユーザーのシチュエーションと欲求に細やかに応えるべく豊富な機種を揃えてくれた。自分のやりたい事、能力、趣向をしっかり見極めれば、きっと理想のカメラが見つかると思う。

さて、王道の話はこれくらいにして、僕らしく長屋巡り。今回は編集関係を捨て、現場の機材に集中して見る事にした。その中でも僕の心を引き付けたのはフィールドモニターだ。僕のように小さなチームで作品を作る人間にとって、外部モニターはついつい面倒になり、後で後悔する。だが、小さいモニターならカメラに付いている物とあまり変わらない。と、思ってた。ところがいい物が沢山出ている。

12w7_furuiichi_day1_2.jpg

まずはCINEROID EVF4RVW。これは一見カメラに付いている物と変わらないようにも見えるが、うわさのレティーナディスプレイを採用。拡大してもかっちりフォーカス取れます。次にADTECHNO CL76SDI CL5585H。特にADTECHNO CL5585Hは解像度も十分なのでポケットにいつも入れておくというのもいいかも。そして、最後に最高なのはBONというメーカーのRM-071SC。

これが今日見たモニターの中では一番気に入った。まるでCRTモニターを思わせる滑らかな写り方で、しかもこのモデルにはH.264でメモリーカードに録画できる機能も備わっている。もしもの時のバックアップには心強いし、カットのチェックにも役立つだろう。録音機能を省略したモデルもあった。明日は音響機材もチェックします。

岡英史
@VIDEO_NETWORK

今年も映像業界の遊園地InterBEEが始まった。これが終れば1年が終わると言っても良い。第一印象は大手メーカーが元気を出してきた感がもりもりと感じる事が出来る。しかしその元気にも多少の違和感も…。それは何故か?SONYが元気在るのはまぁ当然のことかも知れない。2Qまでの元気のなさを取り戻す以上に3Qからの怒濤の新製品発表にはむしろ驚きを通り過ぎてため息が出るほど。その最終章として登場したのがシネマカメラであるF5&F55。特に数種類の高解像度モニター(VF)類が目を引く。

しかしそれ以上に元気が良いのは、CanonとJVCケンウッドである。Canonはブースに来れば一目瞭然。ここでは割愛する。JVCは勿論新型カメラであるHM600・650の2機種で間違いない。特に600に関しては某BLOGでだめ出しが出た部分をキッチリとファームアップをする事で改善してきた。その間わずか数日と言うあり得ない超スピードだ。ブース自体も小さいながらメインストリートに面した部分に効率よく立て込み&展示をしているので是非見て欲しい。

さて今年のInterBEEでもう一つ個人的に目が付いたのはリモートカメラ。いわゆるラジオコントロール(RC)でありカメラのコントロールと言うよりそのカメラを動かすガジェットに尽きる。RCヘリコプターやRCカーの展示と言うことだ。特にヘリコプターはその種類が多い。そのどれもが本格的な多ローター式のスパイダーヘリで、REDONEやEPIC等の本格的なシネマカメラを搭載できる物だ。4月に開催されるNABSHOWでは多く見るが、InterBEEでココまで目に付くのは初めてだ。またこのメーカー展示の他にも機材レンタルで有名なTec’sもヘリコプターと電動RCカーの展示をしていたのが印象的だった。

SONY PMW-F5&F55、CanonC500、JVC GY-HM600&650等色々在るが今回は各メーカーでのセミナーも多種多様でも所感が満載である。手前ミソで申し訳ないが15日はグラスバレーブース内でのセミナーで10:50~11:20の30分間、EDIUSでの3D編集に関してチョットだけ喋る事になった(もちろんPRONEWSは、本家w)。4K方向が強く出てきている昨今で今更3Dと言われる方も多いと思うが、EDIUSの3D編集の簡単さは類を見ないと言っても良い。中間コーデックやレンダリングをせずともさくさくとTLが動くのは最大の特徴!しかも難しいコンバージェンス破綻を簡単に直してくれるエフェクト等、興味が在れば見ていただければ幸いだ。

手塚一佳
@tezukakaz

InterBEE2012の話題は、4Kとそのワークフローの樹立に尽きるだろう。まず、4Kについては様々なシネマカメラの登場が華々しい。特にSONYのF55/F5は、本体の価格もさることながら、そのRAW収録ユニットが50万円を切る破格で登場したことが衝撃を与えた。F55単体では290万円弱と高額な印象だが、RAWユニット込みでの金額は340万円とハイエンドRAWシネカメラとしては破格となった。RED EPICがそれなりに使えるキット編成で米本国価格で240万円程度、日本代理店価格で320万円程度である事を考えると、新しいカメラとしては充分に競争力のある価格と言えるだろう。また、ワークフローの構築も急速に進む。SONYは各シネコンへの4K映写機導入に成功し、日本全国での4K映画の流通を可能にした。映像作りの過程においても、カラーグレーディングソフトなども充実し、中でもColorfront Express DailiesはMacBookPro Retina15inch上での4KRAWファイルのリアルタイムHD出力を可能にした。また、コンシューマ向けにも、30インチ程度の現実的なサイズの4Kモニタの試験機や家庭用の4KプロジェクタがCanonやSONYから参考展示されており、近い将来の普及を予感させた。例年に無く活気に溢れるInterBEE会場は、そうした新しい動きへの期待感が満ちている。

Colorfront Express Dailiesの実演はSONYのスイート展示で行われた。ノートPCに過ぎないMBPでリアルタイム再生する様は、必見だ