4K8Kでは常に業界に先駆けてカメラやレコーダー、測定機器などを開発しているが、今回の展示会でも8KのカメラAH-4800や8K4K対応SSDレコーダーHR-7512/7510、有機EL採用の電子ビューファインダーDF-3512などを出展した。ブース正面には大きく8Kと書かれたパネルと8K4Kビデオウォールプロセッサーによるマルチディスプレーがあり、8Kによるスケール感のある映像を上映し人目を引いていた。

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小型8KカメラAH-4800。カメラ出力は12chパラレル光出力(SNAP12)となっており、12本のケーブルで接続しなくてはならなかったがカメラにビルトインでき、カメラとの一体感のあるカメラアダプター(AC-4802)やレコーダー(HR-7516)が開発され、運用性が向上

AH-4800はNHKとの共同開発により生まれたカメラだが、当初はカメラヘッドとプロセッサーがセパレートタイプになっていた。今回の展示会では、カメラにビルトインされる形でプロセッサーやレコーダーが出展されていた。また、今までの同社のカメラは制作用をあまり意識した作りではなかったが、CCUを初めとしたカメラ周辺の機材を見ると、放送用の作りをかなり意識しているようだ。特に8Kに関してはNHK技研が主導となっているものの総務省が8Kの実用化試験放送を2016年に前倒しすることを表明したことから、研究開発に拍車がかかり、実践投入可能な機材開発の時期に差し掛かっているようだ。

とはいえ、現状のHD機材も周辺機器を含め隙間を埋める機材が求められるようになり、有機ELを採用したビューファインダーや中継素材伝送用TSマルチプレクサCX-5528A-Fやビデオウォール、ラウドネスモニターなど様々な角度から製品開発が行われている。

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カメラアダプターAC-4803がビルトインされたAH-4800。カメラからのSNAP12光出力をモニター用にHD-SDI出力できるほか、8Kの映像信号と音声をFA-Fiber1本で伝送できるようにするためのアダプター。FA-FiberはCCUアダプターAR-4804に接続され8Kの出力になる

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8KレコーダーHR-7516がビルトインされたAH-4800。2TBのSSDに約1時間の8K映像が収録できる(1/6圧縮時)。HD-SDIのモニター出力のほか、SNAP12、PC接続用にSAS出力が装備されている

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キヤノンCINEMA EOS C500対応カメラコントロールユニットHB-7513の本体とコントロールパネル。EOS C500を4Kライブ中継カメラとして使用するためのデベイヤーやコントロール機能などを装備している。1月に行われたスカパーJSAT衛星を使用した4K映像のライブ伝送実験に使用された

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有機ELフルHD高解像度電子ビューファインダーDF-3512。1920×1080表示が可能なビューファインダーで、フォーカスアシスト、上下・左右反転表示のほか、モノクロ表示やゼブラ表示、センター&フレームマーカー表示が可能