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[NAB2011:基調講演]Rango: The Next Step in CG Animation

#NAB SHOW #NAB2011

2011-04-15 掲載

左から:デビッド・コーエン氏、ハル・ヒッケル氏、ジョン・ノール氏、ジェームス・バイラキット氏、クラッシュ・マックリーリー氏

人気作『RANGO:ランゴ』を大解剖!

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米国で大ヒットとなった、ゴア・ヴァービンスキー監督『RANGO:ランゴ』のビジュアル制作について語られる基調講演、「Rango: The Next Step in CG Animation」が4月12日に開催された。モデレーターは、米業界誌Varietyで編集をしているデビッド・コーエン氏。アニメーション監督のハル・ヒッケル氏と特殊効果監督のジョン・ノール氏、脚本およびクリエイチャー・デザイナーのジェームス・バイラキット氏、そしてRangoに登場するキャラクターや砂漠をデザインしたプロダクションデザイナーのマーク”クラッシュ”マックリーリー氏の座談会式で行われた。

ヒッケル氏はアニメーション監督として「A.I.」、「スターウォーズ:エピソードII」などを手掛けた。2007年の「パイレーツ・オブ・カリビアン」では、アカデミー賞とBAFTAの特殊効果部門で最高業績賞を受賞している。ノール氏は特殊効果監督として、「スターウォーズ」シリーズ、「スタートレック」、「ミッション・ポッシブル」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「アバター」など、20作品を超えるハリウッド映画を手掛け、多くのアカデミー賞を受賞している。

クラッシュ氏は、最初に手掛けた「プレデターII」から始まり、ジェームスキャメロン監督の「ターミネーター2」、スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」「A.I.」、ティムバートン監督の「バッドマン・リターンズ」のほかハリウッド映画有数の制作スタジオと組み、様々なヒット映画作品のデザインコンセプトを手掛けてきた。バイラキット氏は、ゴア監督とは「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで長年タイアップしている。

ILM始まって以来のアニメーション映画制作の舞台裏

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実際はサイズが決められたが、スクリーンのスケール感によってサイズは関係なくなったという

Industrial Light & Magic (ILM)初のアニメーション映画ゆえ、チーム全員がアニメーション作品に携わるのが初めて。誰もがゴア監督から聞かされて戸惑ったという。ノール氏は、30年以上のキャリアの中、アニメーション作品の制作に関しては全く知識がないところ、監督から魅力的なアートワークを見せられ、今までに観たことないアニメーション作品を生み出すことに意欲がわいたという。

クラッシュ氏は「『アイス・エイジ』のイメージとは違う世界観」を当初から考えていた。ヒッケル氏は「今までの映画制作のしきたりを取り払った」作品づくりと考えた時点で、今回のワークフローが生まれたという。現場スタッフはゴア監督の離れ拠点(スタジオ)に移動し、半年以上、エグゼクティブクラスのメンバーのプレッシャーを受けることのない孤立した場所で作業を進めた。

今までにあるアニメーションでは、ウケの良い可愛らしさをもった、目のまるいキャラクター達が登場するが、Rangoでは、クラッシュ氏が自ら「得意」と応えた、グロテスクな、そしてどこか心に傷を持った(フィジカル的にも)キャラクター達が登場する。数も半端なく60体近い数のキャラクターだ。西部劇風で超フォトリアルスティックな世界は、マカロニ・ウェスタンブームを巻き起こしたイタリアのセルジオ・レオーネ監督の作品を参考にしたという。

DSC06010-s.jpg

会場では当作品の様々なシーンを投影しながら話題を変え、Rangoの眼のデザインから主要キャラクター達、西部劇風のテイストの背景まで続いた。米アニメーション作品では通常、俳優達が一人一人別に狭いスタジオで台本をみながらアテレコを先にする。Rangoでは、アテレコをするのではなく、ライブアクションと同じように俳優達に演技をしてもらいながら収録を行った。

そのため俳優達の演技から出てくる声のトーンが「自然でファジー」にキャラクターに馴染み、作業もスムーズに進んだという。モーションキャプチャーは一切行わず、この俳優達の演技を収録した「プロトタイプ」がアニメーション化された。Rangoのほかにも制作現場で至難の対象になった大蛇「Rattlesnake Jake」にも話題が移された。

Rattlesnake Jakeが怖い存在であることを強調するために、常にクローズアップして身体の一部しかフレーム内に現れないようにしたという。Jake役・ベテラン俳優のビル・ナイにも絶賛の声が上がった。彼がアメリカン・アクセントで演じたのは今回が初めてだったという。

斬新なワークフローから生まれたRango。登場キャラクターから制作ワークフローまで、当作品から学んだ、欠陥がどこかに見られるような「ファジー・クオリティ」。制作に携わったスタッフ全員が、またアニメーション作品を作りたいと願っているという。


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[ DATE : 2011-04-15 ]
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