NAB2013 プレスデー始まる

石川幸宏

スティーブ・ウォズニアック氏も登壇

いつもパナソニック辺りから始まるこのプレスデーも、今年はそのパナソニックがカンファレンスを開催しないなど、いつもの様相とは違った感じの第一印象。今年一発目のカンファレンスは、ストレージテクノロジーの最先端として注目を浴びているFUSiON-iO(フュージョン・アイオー)だ。4KなどのOVER HDコンテンツの制作フローの中で最も問題となるのはストレージのスピード。これを解決できる新たな技術としてフラッシュメモリーストレージの技術がある。

このFUSiON-iOはPCI-EXPRESS接続タイプの超高速フラッシュメモリーストレージとして、出国前から今回のNABの一つの目玉として注目していたが、やはり予想通りの新テクノロジーとして、1.6TBの容量で1.4GBの読込み、1.1GBの書き出しのIOパフォーマンスを実現する新型「iOFX」を発表。また同社のチーフエンジニアとして就任している、あの、故スティーブ・ジョブズ氏ととともにアップルの創設メンバーとして名高いスティーブ・ウォズニアック氏もスピーカーとして登壇した。

Sonyが放つ2つのコンセプトモデル
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午後からの目玉SONYでは、F65/4Kで撮影された近日公開の映画「OBLIVION」の撮影監督、Claudio Miranda,ASCが、DITのAlex Carr氏と共に登壇。その他は4Kテレビなど民生機器の発表が多く、いつもと毛色の変わった印象だ。最後に次世代のソニーカメラのコンセプトとして、RED ONEを少し小型化したような新型カメラと、DSLRタイプの2つのコンセプトモデル(あくまで参考出品)を公開した。

映像業界の祭典が始まった!何が起こるのだ?

岡英史

今年もNABSHOWに来ることが出来た。今年は「スイッチャー侍」こと小寺氏が不参加なのは、残念だが、無事キャラを補充することなく、いつもより少なめのメンバー(三銃士!)でのラスベガス入り。

今年は例年より約1週間早い開催と相まって日本からの参加が少ない?!と噂されていたが蓋を開けるとそんな事は全く無く、いつもの顔ぶれをFacebookやTwitter以外でも町中で見かけることが多かった。今回はジャーナリストの御大である石川氏と同行したためにLAから車でのラスベガス入り、道中でも色々な出来事が在ったがそれはまた別の機会に。

本年一発目のプレスカンファレンスは?
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今回はPanasonicのプレスカンファレンスが無い!その為に初日恒例のPanaからSONYへの連荘が崩れたので、石川氏に同行し、Fusion-ioと言うストレージ系の会社のカンファレンス。ノンリニア編集に於いて一番のボトルネックはHDD。もちろんCPU等は最新のものが良いに決まっているが、そこの部分は既に予算の中での選択肢でどうにでもなる。HDDの様なストレージの速度問題を解決するべく、SSDをHDDの代わりに使うことも今や一般的なNLEパーツという事で認識されている。さて今回のFusion-ioはeSATA等のケーブルでは繋ぐことはせずユニットをそのままPS内部の拡張スロットに取り付けるというもの。確かに理論的にはこれは爆速に間違いない。今から新しくNLE-PCを組む方はこのストレージも考えに入れてほしい。

今年のSONYは?

何が驚いたって白物…、一般家電製品(とは言え高性能・高機能)が発表された。勿論4K対応の為に発表されたと言うべきだろう。さてカメラはどうなったかというとミドルレンジ的に注目すべき点はPMW-400だ。これは型番から見て解るとおりPMW-350の正常進化バージョンと言う認識でOKだ。丁度機能的にもPMW-500とPMW-350の正に中間的な位置付けになる。50Mbpsの対応は勿論、その他XAVCにも今後対応予定と言うことだ。外見的にも特に奇をてらった様な物ではなく今までPMW-350を使っていた方なら何も問題なく運用できるはず。またLCD系のVFも高解像度版に変わった。これによりピンが出にくい取材現場では大きなファクターになるはず。

コンセプトモデル
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今回はコンセプトモデルとして2台のカメラが紹介された。一つはF55をダウンサイジングしたような小型の大判センサー系のカメラと言うことが想像できる。ボディ自体にはハンドルもついて居ないと言うシンプルさで、その代わりに1/4や3/8inchネジが無数に開いており各自で色々なガジェットを簡単に取り付ける事が可能だ。もう一つはαをベースにしたようなDSLRタイプのカメラ。詳細は不明だが敢えてこのDSLRスタイルで発表したと言うことは明らかにEOS 5DmkIIや1D Cを意識している様にも見えるが、逆に言えば5DmkIIユーザーなら特にRIGの買い足しをしなくてもOKと言う便利さも見えた。

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総評
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毎年の事だがこの原稿を書いているのはAM4:00。NAB会期中は毎日面白い事が在るのだが逆に眠れない日々も続く。最もそれらを全て総括しても非常に魅力あるイベントには違いない。

番外編

今回、日本からもメディア(マスコミ)の方が取材に来ていたのだが、そのマナーの悪さには驚いた。筆者の撮影中、なんと軸線を塞ぐように横切って移動している局カメラマンが居たのだ。デジを抱えて忙しそうに走り回って居るD系ならまだ「しょうがないなぁ」と思うことも出来るが今回はENGを担いだカメラマンだ。

世界中のジャーナリストやカメラマンが集まるSONYプレスカンファレンスの会場でこの様な事をするのは非常に残念だ。日本はあれがOK!と他国の業界人に思われると言うことを考えもしないのだろう。それとも自分の映像の為には他のカメラの映像は汚しても良いと言う社風なのだろうか?見てるとは思わないがその辺を是非説明頂きたい、TBSさんに。

デジタルシネマという新時代

江夏由洋

会期を前日に静寂のLVCC

例年より少し早めにはじまるNAB Show。今年の大きなキーワードは「デジタルシネマ」です。大判センサーによるファイルベースの映像撮影には多くの可能性が秘められています。デジタルシネマは2つの柱によって成り立っていると思います。それが「4K」と「色」です。HDの解像度を超えたハイレゾリュ―ションのイメージと、フィルムを超えた色の表現を可能にするLOGやRAWという世界こそが新しい映像表現を可能にするのでしょう。個人が所有できるパソコンで4Kの映像を編集できる時代はもうやってきています。SONYも4K再生機や新たな4Kモニターの発売を発表し、撮影から編集、そして視聴までのフローも現実的になりました。

カメラでいうと、今年の注目はセンサー技術になります。従来のセンサーに比べ、高い基準感度を実現したり、4K映像のハイフレームレート撮影が行えるものがたくさんでてきました。REDが2008年に始めたファイルベースによる4Kという世界観ですが、いよいよ各社揃い踏みで4Kカメラがラインナップされます。SONYもCanonも満を持して4K技術を披露することになるでしょう。

デジタルシネマの編集ワークフローもかなり安定感を増すことになります。データ量の高い撮影素材をいかに効率的に編集するかはこれからも課題でもありますが、高速なGPUやディスクの登場でその様子はかなり変わってきました。クラウドやシェアエディットといったコンセプトも交差し、次世代のワークフローがNABでは見られると思います。AdobeやAvidなどのNLEのトレンドも非常に気になるところです。

ということでいよいよ始まりますNAB。明日の朝一は「すげー!!」な発表がたくさんあることでしょう!是非是非PRONEWSを楽しみにしててください。

祝!初海外!初NABshow!

岡田裕介

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皆さん、こんにちは。システムファイブ、営業の岡田裕介でございます。

遂にこの時がやって来ました!そうです、世界最大の映像音響機器見本市「NAB2013」でございます。日本の幕張メッセで行われている「InterBEE」には毎年参加しておりますが、NABを経験されている方からは規模も品揃えも全然違うよ!場所もラスベガスだから雰囲気も違うよ!ん~めちゃ気になるぅ~よっし、ここは浪速の春団治!気になることは気が済むまで諦めません!

片道約14時間、日本から寒いバンクーバーを飛行機で乗り継いで単身この砂漠の街 ラスベガスへ降り立ちました。ちなみに…はやくも空港から滞在先のホテルまでタクシーで向かったのですが、さすがアメリカ広い!と思ったら、めちゃ遠回りされボったくられました。

実録・遠回り…

それはさて置き、NAB2013の会場の規模やその独特な雰囲気、また映像音響機器のトップランナーであるアメリカ発の新製品、また聞いたこともないメーカーのレアなアイテム等を見つけて皆さんへわかり易く、また面白くお伝え出来ればと思っております。

ちなみにここだけの話ですが…私、海外初デビューなんです。レポート中、お恥ずかしい場面を連発するかと思いますが、どうか温かく見守ってやって下さいませ。今日はこの辺で。さてさて、明日が楽しみだぁー!


[NAB2013攻略記] Day01

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今年のNAB特集は、石川氏、江夏氏、岡氏の”映像三銃士”とPROGEAR半蔵門の岡ちゃんがラスベガス会場から現地から最新情報をTweetでお届け!毎日更新されるまとめのデイリーレポートもお見逃しなく!

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